こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、BMXバンディッツ「Dreamers on the Run」!夢と音楽をつなぐ珠玉のポップソングです。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■BMXバンディッツ
BMXバンディッツ(BMX Bandits)が帰ってきました。2024年4月、通算12枚目のアルバム「Dreamers on the Run」をリリース。
前年に映画のサウンドトラックをリリースしていたものの、新作としては2017年の「BMX Bandits Forever」以来7年ぶりとなります。
BMXバンディッツは、ティーンエイジ・ファンクラブ(TFC)の兄貴分とも言える、グラスゴーが生んだ偉大なギターポップバンドです。
実際にTFCのノーマン・ブレイクも在籍していたことがあります。ノーマンに限らず、グラスゴー界隈の著名ミュージシャンが参加する、音楽集団のようなバンドスタイルが特徴です。
その中心人物が、ダグラス・T・スチュワート(Duglas T. Stewart)。彼の才能とキャラクターが多くのミュージシャンを惹きつけたのでしょう。
1986年にバンドを結成すると、1989年に最初のアルバム「Totally Groovy Live Experience」というライブアルバム(!)をリリース。同年、スタジオアルバム「C86」もリリースします。
そのポップなメロディと独特なユーモア・センス、あわせて痛みや哀しみが内在する楽曲群は、コアな音楽ファンを惹きつけました。
ニルヴァーナのカート・コバーンも彼らのファンでした。TFC含めこの辺りのバンドが繋がり合う音楽のカタチって、不思議だけど素敵に思います。
バンドはその後も、名曲「シリアス・ドラッグス」や名盤「ライフ・ゴーズ・オン」などで、音楽シーンに強い存在感を示し続けます。
2010年代に入るとバンド活動はスローダウン…。しかしダグラスの創作意欲は衰えることはありませんでした。2014年に、2つの並行世界に生きていることをテーマに作曲をスタート。
そこから10年の時を経て、ダグラスのコンセプトを楽曲に散りばめたアルバム「Dreamers on the Run」が完成したのです。
それは、1stアルバムから35年の時を経ても変わらぬ、胸がときめくような珠玉のポップ集…。夢と現実の世界が音楽で結びつく素敵な作品でした。
おかえり、ダグラス!今日は、BMXバンディッツの新作「Dreamers on the Run」を聴きましょう。
■個人的なおススメ
それでは、そんなBMXバンディッツの新作「Dreamers on the Run」から、個人的なおススメを紹介します。
まずは1曲め、「Dreamers on the Run」。
「2つの世界を生きる」というアルバムのコンセプトを象徴するようなタイトル・ナンバー。
一つの曲のなかに異なる世界が内在してるような、不思議でいて美しいポップ・ナンバーです。
曲にサンプリングされている鳥の鳴き声は、ここから夢と現実が交錯する旅に誘うガイドのよう…。ようこそ、バンディッツの音の世界へ。
続いて2曲め、「Setting Sun」。
1曲めの流れを受け継ぐイントロから、曲調が弾むように変わって明るく陽気なポップサウンドへ。
往年ファンには懐かしい曲調です。まるで初期のバンディッツのようなギターポップ、メロディもハーモニーも美しい…。
この曲を書いたのは現メンバーのアンドリュー。ダグラスのDNAが若いメンバーにしっかり受け継がれているんですね…。アルバムからの1stシングルです。
そして8曲め、「Hop Skip Jump(For Your Love)」。
これまたバンディッツらしい多彩なポップソング。これが結成40年を迎えようとするバンドが奏でる音か…。
それほど遊び心満載で、音楽的なチャレンジも旺盛です。ワクワクするギターポップをベースに、コーラスやサウンドの楽しい味付けが施されています。
60年代のポップサウンドを現代にアレンジするとこうなるというお手本のような楽曲。ダグラスの音楽愛がほとばしるナンバーです。
いやぁ、すっかり聴き込んでしまいました。久しぶりのダグラス節は、新しくして懐かしいサウンド…。
BMXバンディッツの新作「Dreamers on the Run」は、結成40年を迎えようとする今も変わらぬ音楽への愛情がほとばしる、夢と音楽の世界をつなぐアルバムでした。
ありがとう、BMXバンディッツ! ありがとう、「Dreamers on the Run」!