戦う聖母降臨!ジョーン・オズボーン「Trouble and Strife」

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、ジョーン・オズボーンの新譜「Trouble and Strife」です。

■ジョーン・オズボーン

ジョーン・オズボーン
米ケンタッキー出身のシンガー・ソングライターです。

ニューヨークに出ると、学費や生活費を稼ぐためにバーで歌っていたところを、音楽プロデューサーのリック・チャートフに見出されます。
1995年、そのチャートフのプロデュースにより、アルバム「レリッシュ」でメジャー・デビュー


レリッシュ

アルバム収録のシングル「ワン・オブ・アス」が大ヒットとなり、一躍人気アーティストの仲間入りを果たしました。
館長ふゆきが彼女と出会ったのもこの曲。当時ヘビロテしていました。

その後は、ポップ・ソングを求めるレーベルを離れ、ブルースやソウル、カントリーなど自らの演りたい音楽を続けます。
オリジナル・アルバムとしては、2014年の「Love and Hate」以来6年ぶり、通算10枚目となる新作をリリースしました。
それが、今日紹介する「Trouble and Strife」です。


Trouble and Strife

このアルバムが中々いいんですねぇ…。ロックでソウルなジョーンの歌声を堪能できます。
タイトル「Trouble and Strife」(困難と闘争)から分かるように、政治や社会問題に切り込んだ、メッセージ性の強いアルバムです。

コロナ禍でライブ活動が自粛される中で、いま世界で起こっていることを音楽という形で届けることが大切だと考えたようです。
「音楽には、人々を元気づけ、生きていることの喜びを持ち続けさせるパワーがある」。そんな風に彼女は言っています。

■個人的なおススメ

それでは、そんなジョーン・オズボーンのアルバム「Trouble and Strife」から、個人的なおススメを紹介します。

まずは2曲め「What's That You Say」
アメリカ(トランプ大統領)の移民政策を痛烈に批判するメッセージ・ソングです。
多様な文化や人種、伝統や考えを受け容れてきたから、今のアメリカの繁栄があるんだと彼女は考えています。
そんな彼女にとって、国境線に壁を作るような政策、そしてその犠牲ともいえる移民とその家族が直面している苦境は受け入れがたいものでしょう。歌の中にメキシコ移民のAna Maria Rea-Ventreさんの生の声が取り込まれています。

続いて3曲め「Hand Off」
こちらも現在起きている犯罪や汚職などを批判するメッセージ・ソングです。
目の前で起きている問題から目を背けてはいけない…。ジョーンが力強い歌声で訴えます。
ミュージック・ビデオも今のアメリカの置かれている状況と彼女の思いが詰まっていますね。

そして6曲め「Whole Wide World」
アルバムを通じて発せられる、貧困や性差別、政治腐敗や気候変動などの様々な問題に対する怒り。そして今やらなければいけないというメッセージ。
そんな中で、この曲は一つの「癒し」のように、聴く者にひとすじの希望を与えます。

We Could See The Whole Wide World From Here
Lookin' Past The Sorrow And The Tears
Let Me Take You To That Better Place
Let Me Put That Smile Back On Your Face
ここからもっと広い世界を見ていこう
悲しみや涙は過去のものにして
今よりいい場所にあなたを連れて行くわ
あなたの表情にきっと笑顔を取り戻すわ
(ふゆき訳)

戦う聖母降臨…
彼女も娘を持つ母親として、子供たちのために今の世界を変えなければならないと訴えます。
胸に響きますね…。決して他人ごとにしてはいけない。そんな迫力が伝わる名盤です。

ありがとう、ジョーン・オズボーン! ありがとう、「Trouble and Strife」!

ブログランキングに参加しています!

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事