怒りと悩みの泣き虫ロックさく裂!ウィーザー2ndアルバム「ピンカートン」

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、怒りと悩みの泣き虫ロックさく裂!ウィーザー2ndアルバム「ピンカートン」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■今日は何の日

1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されているタワレコ手帳(現在は製造中止…)。
6月13日の頁には、こんな出来事が記されていました。

【誕生日】リバース・クオモ(ウィーザー:1970)

リバース・クオモ(Rivers Cuomo)。1970年6月13日、米ニューヨーク生まれ。
18歳のときにロックスターを夢見てロサンゼルスに行くも挫折…。しかし21歳のときに仲間と結成したバンドが彼の運命を変えます。


Weezer(ブルーアルバム)

そのバンドが「ウィーザー」(Weezer)。1994年にアルバム「Weezer」(通称:ブルーアルバム)でデビューを果たします。
するとこれが全米で300万枚以上を売り上げる大ヒットに。バンドは一躍、パワーポップの雄にのし上がりました。

勢いそのまま1996年には2ndアルバム「ピンカートン」(Pinkerton)をリリースしますが、これが商業的にコケます。
ただ不思議なことに日本ではヒットしました。もともと「泣き虫ロック」と評されるメロディアスなパワーポップは日本の洋楽ファンの大好物。


ピンカートン

また、このアルバムのジャケットに浮世絵を採用するなど、リバース自身も大の親日家。ちなみに彼の奥さんは日本人です。
相思相愛といったところでしょうか…。その後もウィーザーは日本で根強い人気を獲得、フジロックやサマソニにも参戦、ヘッドライナーを務めたりしています。

なおアメリカにおいても「ピンカートン」はその後、再評価が進んで今ではバンドの代表作の一つに格上げ。
バンドはその後、「グリーンアルバム」(2001年)、「マラドロワ」(2002年)とヒットアルバムを量産。今もパワーポップの雄として君臨しています。

■個人的なおススメ

今日は、リバース・クオモの誕生日ということで、代表作の一つ「ピンカートン」を取り上げましょう。
前述のとおり、一時は批評家から厳しい評価をされたアルバム。デビュー作と比べてダークで、荒々しいサウンドとしたのがメディアには受け容れられませんでした。


ALONE/リバース・クオモ

それでも、そのサウンドの骨太さはウィーザーの魅力を損ないませんでした。むしろ新たな魅力を解き放ったといえるでしょう。
今でもファンから支持を集める作品…それが1996年リリースの2ndアルバム「ピンカートン」です。今日はその中から、個人的なおススメを紹介しましょう。


まずは2曲め、「Getchoo」
このアルバムを象徴するようなダークで荒々しいサウンド…。サビは重々しいギターとシリアスなリバースのボーカルが響きます。
たしかにデビュー作のようなポップさは薄れていますが、ベースのメロディはどこまでもメロウでポップ。怒りの「泣き虫ロック」といった感じです。
終盤のヘヴィーなギターソロは、ハードロック好きのリバースの趣味がさく裂したかのよう。この嗜好は後の作品でも発揮されることになります。

続いて6曲め、「The Good Life」
シングルカットもされたポップなロックナンバー。ポップでありながらも、どことなくダークさが漂います。
実はこの時期、バンド活動と並行してハーバード大学に通っていたリバース。そこで感じた孤独や不満からこの歌が書かれました。
この曲を含め本アルバムはリバースの個人的な感情を歌詞にしているのが特徴。なお、本作が商業的に失敗したからか、次作ではシンプルな曲作りに回帰します。

そして8曲め、「Pink Triangle」
美しいイントロ、空を駆けるようなギターの音色。やがてそれはリバースのボーカルと美しいユニゾンを奏でます。
ウィーザーらしいポップナンバー。ただ終盤にヘヴィーなギターソロが鳴らされるなど、一筋縄ではいかない音のつくり。
歌詞もレズビアンの女性に恋に落ちた男性を歌っています。切ないパワーポップ、隠れた名曲です。


いやぁ、久しぶりに聴きましたが、名盤です。ウィーザーの2ndアルバム「ピンカートン」
若きリバースの悩みや怒り…その生々しい感情とヘヴィーなサウンド、そしてポップなメロディが共存する作品です。

そんなリバースも今日(2024年6月13日)で54歳。年をとっても、ずっと若き心のままでいてほしい
泣き虫ロックをいつまでも…。今日の夢中は、ウィーザーの2ndアルバム「ピンカートン」でした。

ありがとう、ウィーザー! ありがとう、ピンカートン!

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