こんにちは。夢中図書館へようこそ。
館長のふゆきです。
今日の夢中は、日本のポップ・デュオ「ホフディラン」の新作「帰ってきたホフディラン」です。
■ホフディラン
ホフディラン。
ヴォーカル&ギターの渡辺慎(ワタナベイビー)と、ヴォーカル&キーボードの小宮山雄飛(ユウヒ)の2人組です。
ホフディランというユルい(?)バンド名は、メンバーの知り合いに保父さんがいたことと、大御所ボブ・ディランに由来します。
2016年に本家ボブ・ディランがノーベル賞を受賞したときには、渡辺に大量の祝福メールがあったのだとか(苦笑)。
さて、そんなホフディランですが、デビューは1996年。
シングル「スマイル」でポニーキャニオンからメジャーデビュー。同年にアルバム「多摩川レコード」をリリースしました。
個人的にこのバンドとの出会いは、彼らのセカンドアルバム「Washington,C.D.」(1997年)でした。
もちろん、ワシントンDCをもじったアルバムタイトルですよね。
しかも一曲目が「Compact Disc」というから、聴いてて笑っちゃいました。
このアルバムに収録されている「恋はいつも幻のように」の、邦楽の範疇を超えたポップセンスに魂を持ってかれて、当時ヘビロテしたことを思い出します。
恋はいつも幻のように(MV)
その後、2002年に5thアルバム「PSYCHO POP KILLER BEE」、ベストアルバム「OFF DYLAN」をリリースすると活動を休止します。
このまま解散しちゃうの?とファンも心配しましたが、2人のポップ魂は健在。
それぞれのソロ活動等を経て、2007年のアルバム「遠距離恋愛は続いた!!」でカムバックします。
「はじまりの恋」なんて隠れた名曲が収録されているこのアルバム、残念ながらもう廃盤になっちゃったみたい。再発されないかしら?
■帰ってきたホフディラン
そんなホフディラン。2017年10月、古巣のポニー・キャニオンに復帰して、待望のニューアルバムをリリースしました。
その名も「帰ってきたホフディラン」。
オリジナルアルバムとしては実に5年ぶりとなる新作。
アルバムジャケットからして、デビューアルバム「多摩川レコード」を彷彿させる写真。右上の未確認飛行物体もそのままです。
その音も、昔のホフディランが帰ってきた感じ。
2人のポップ愛がほとばしります。まさに「帰ってきたホフディラン」。待ってたよ~、おかえり~!
■個人的なおススメ
それでは、恒例の個人的なおススメです。
3曲め「珈琲」。小宮山らしいポップ・センスが随所に散りばめられた名曲です。
ジョージ・ハリスンに捧げる歌なのでしょうか?曲のところどころに懐かしいフレーズが盛り込まれています。
ビートルズ時代の「ヒア・カムズ・ザ・サン」、ソロ時代のヒット曲「セット・オン・ユー」…。
歌詞の「夕方」は「You Gotta」、「相方」は「I Gotta」に聴こえます。あえてそう聴こえるようにしているんだろうなぁ。さすがは稀代のポップ・メーカー、ユウヒ!聴けば聴くほど味が出ます!
生きづらい世の中だ やりづらい人たちだ
せわしない日の中で 休めたいのさ身体
珈琲 珈琲 憂鬱な夕方の
珈琲 珈琲 相方でいてよ
(「珈琲」より)
9曲め「恋は渋谷系」。こちらは渡辺の曲。
小宮山に負けず劣らずのポップセンスを持ちながら、一筋縄ではいかない摩訶不思議な曲をつくるのがワタナベイビー。
この「恋は渋谷系」は、おそらく渡辺しかつくれない、いろんな仕掛けが満載のポップンロールです。
歌詞もピュアな感じでイイです。こちらも聴けば聴くほどハマってしまいます。
クアトロの下で待ち合わせた
ボーダーのシャツで風をきった公園ボーイ
少年だったキミに 少年だったキミに恋をした
青春だったキミに 青春だったキミにまた会ってみたいんだ
(「恋は渋谷系」より)
そして11曲め「雨あがりの夜空に」。言わずと知れた忌野清志郎のバンド「RCサクセション」の名曲ですね。
この名曲を渡辺が、その摩訶不思議な歌声で歌い上げます。
でもよくぞ渡辺がこの歌を選んだものです。もともと名曲であるのに加えて、渡辺の独特の歌声と歌い方で、さらにこの歌の魅力が増したよう。
MVでは渡辺がばっちり忌野メイクしています(笑)。これはライブで盛り上がるでしょうね。
雨あがりの夜空に/映画の中へ(MV)
ありがとう、ホフディラン!おかえり、渡辺&小宮山!