ファウンテインズ・オブ・ウェイン、復活の3rdアルバム「Welcome Interstate Managers」

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、ファウンテインズ・オブ・ウェイン、復活の3rdアルバム「Welcome Interstate Managers」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■ファウンテインズ・オブ・ウェイン

ついに活動を再開したファウンテインズ・オブ・ウェイン(Fountains of Wayne)。
いち早く来日公演も実施して、アダム・シュレシンジャーを失った後の新たなバンドの第一歩を踏み出しました。

先般、その再始動を祝して、彼らの2ndアルバム「ユートピア・パークウェイ」(Utopia Parkway/1999年)を紹介しました。
今日は、同アルバムに続いてリリースされた3rdアルバム「ウェルカム・インターステイト・マネージャーズ」(Welcome Interstate Managers/2003年)をとり上げましょう。

実はこのアルバムのリリースに至るまでは、バンドの存廃を決しかねない紆余曲折がありました。
前作「ユートピア・パークウェイ」は好評だったにもかかわらず、バンドとレーベル側に軋轢が生じ、バンドは1999年後半にレーベルから契約を解除されます。


ユートピア・パークウェイ

これにより、バンドはしばらく活動を休止。メンバーのクリス・コリングウッドは当時を「人生で最もハードな4年間を過ごした」と振り返ります。
コリングウッドは別のバンド、ゲイ・ポテトズを結成して休止期間をしのぎます。一方、もう一人の中心メンバーであるアダム・シュレシンジャーは、他バンドのプロデュースやサイド・プロジェクトであるIvyのアルバムをリリースしたりしています。

そんなバンドを再結集させたのは、2001年にリリースされたトリビュート・アルバム「This Is Where I Belong: Songs of Ray Davies and the Kinks」でした。
同アルバムでキンクスの「Better Things」をカバーして録音したバンドは、新しいアルバムの計画を話し合ったと言います。


This Is Where I Belong: Songs of Ray Davies and the Kinks

そんな紆余曲折を経て完成したアルバムが、「ウェルカム・インターステイト・マネージャーズ」(Welcome Interstate Managers)です。
2003年にリリースされたアルバムは、シングル「ステイシーズ・マム」のヒットも生んで商業的にも成功を収め、ファウンテインズ・オブ・ウェインは見事に復活を遂げたのです。

■ウェルカム・インターステイト・マネージャーズ

それでは、ファウンテインズ・オブ・ウェインの3rdアルバム「ウェルカム・インターステイト・マネージャーズ」から、個人的なおススメです。


ウェルカム・インターステイト・マネージャーズ


まずは1曲目、「メキシカン・ワイン」(Mexican Wine)。
ファウンテインズ・オブ・ウェインの復活をを告げるオープニング・ナンバー。
のっけから4年のブランクを感じさせない、口ずさめるポップなメロディと力強いギターという彼らの持ち味が炸裂します。
3分ほどの曲にどれほどポップの魔法を詰め込んだのか…。メロディも演奏も抑揚たっぷり、あっという間に楽曲に引き込まれてしまいます。

続いて3曲目、「ステーシーズ・マム」(Stacy’s Mom)。
アルバムからの1stシングルとしてリリースされ、米ビルボードで21位を獲得。バンド最大のヒットとなりました。
バンドを代表する楽曲にして、パワーポップを代表するナンバーです。メロディもコーラスも一級品、このポップさはロック史の至宝です。
歌詞は、彼女の母親に惹かれる少年を歌っていてややコミカルな内容(MVもコミカル!)。音楽的にはカーズにインスパイアされたと言われます(MVに出てくる車のナンバーは「I ♡ RIC(リック・オケイセック)」)。

そして6曲目、「ヴァレー・ウィンター・ソング」(Valley Winter Song)。
アルバムのそれまでの流れと一線を画すカントリー調のナンバー。これがバンドのサウンドによくハマります。
活動休止期間中にコリングウッドが結成したバンドはポップカントリーを演奏していました。好きなんでしょうね、こういう音が。
アコースティック・ギターの音色が心地よい。バンドの持ち札の豊富さを示す隠れた名曲です。


いやぁ、久しぶりに聴きましたが、名曲満載でした。ファウンテインズ・オブ・ウェイン「ウェルカム・インターステイト・マネージャーズ」
パワーポップ史に燦然と輝く名盤です。残念ながら、中心メンバーの一人であるアダム・シュレシンジャーを新型コロナにより失いましたが、それを乗り越えて再始動したのはうれしい。

レーベルとの契約解除という難局を乗り越えてこの名盤をリリースしたように、きっと今回も不慮の事態を乗り越えて新たな名盤が送り届けられると信じたい…。
今日の夢中は、ファウンテインズ・オブ・ウェイン、復活の3rdアルバム「Welcome Interstate Managers」でした。

ありがとう、ファウンテインズ・オブ・ウェイン! ありがとう、「ウェルカム・インターステイト・マネージャーズ」!

ブログランキングに参加しています!

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Xでフォローしよう

おすすめの記事