こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、米シンガーソングライター、スザンヌ・ヴェガの「Luka」です。
■Back to the 80s!
Back to the 80s!
80年代の洋楽をとり上げる企画です。
今日紹介するのは、スザンヌ・ヴェガ。
80年代に彗星のごとく現れた、女性シンガーソングライターです。
MTV全盛期の賑やかな音楽シーンに、アコースティック・ギター一本で登場。
社会派ソングを歌う姿は、当時としては異色、ある意味ロックでした。
デビューは1985年。アルバム「Suzanne Vega」で音楽シーンに登場。
内省的かつ社会批判を含んだ楽曲で、異彩を放ちます。
その人気を決定づけたのが、1987年にリリースされたシングル「Luka」です。
この歌で彼女がとり上げたのは、児童虐待の問題でした。
センセーショナルな歌、特にその歌詞は大きな反響を呼び、異例のヒットを上げます。
同曲が収録された2ndアルバム「Solitude Standing」も同じく大ヒットとなりました。
■Luka
今日は、この異例のヒット曲「Luka」を取り上げます。
実は最初、この曲がそんなシビアなテーマを歌っているとは知りませんでした。
何しろ、ポップなメロディに、素朴なスザンヌの歌い方。曲だけ聴いたらライトな感じ。
それは彼女の狙いだったんだと思います。あえてシンプルな曲で、重い問題を突きつけるっていう…。
しかも、歌詞は「Luka」という子供の目線で書かれています。
My name is Luka
I live on the second floor
I live upstairs from you
Yes I think you've seen me beforeぼくの名前はルカ 2階に住んでるんだ
君の部屋の上だよ 前に会ったことあるから知ってるよねIf you hear something late at night
Some kind of trouble, some kind of fight
Just don't ask me what it was…もし夜遅くに もめてたりけんかしてるような音が聴こえても
何かあったの?なんて ぼくに聞かないでI think it's 'cause I'm clumsy
I try not to talk too loud
Maybe it's because I'm crazy
I try not to act too proudぼくがとろいからいけないんだ 大きな声で話さないようにしないとね
ぼくが馬鹿だからいけないんだ えらそうになんてもうしないからThey only hit until you cry
After that you don't ask why
You just don't argue anymore…あの人たちは泣くまでなぐるんだ
そうすれば「どうして?」って聞かなくなるから
だから口ごたえなんかしちゃだめだよ 絶対にねYes I think I'm okay
I walked into the door again
Well if you ask that's what I'll say
And it's not your business anywayぼくなら大丈夫さ いつもどおりあの家に帰ったよ
いつもそう答えるんだ 君には関係ないことだけどねI guess I'd like to be alone
With nothing broken, nothing thrown
Just don't ask me how I am…できたら一人になりたいんだ
なにも壊されたり なにも投げつけられたりしない場所で
どうしてる?とか聞かないで ぼくなんて気にしなくていいさ
(ふゆき訳)
これだけ胸を刺す歌詞ってあったでしょうか。悲しくて切なくなります。
残念ながら今もなお、この歌が突きつけた問題は解決されていません。
「Luka」が笑えるようになるまで、私たちはこの歌を忘れてはいけませんね。
それでは、スザンヌ・ヴェガの代表曲「Luka」を聴いてください。
■スザンヌはいま
なお、スザンヌ・ヴェガですが、現在59歳。
スタジオアルバム「Lover, Beloved」(2016年)をリリースするなど、今なお現役で歌っています。
しかも、なんと2018年8月に来日しているではありませんか!
知らなかった…。「Luka」演ったんだろうな。
すごく悲しいことなんだけど、今も虐待のニュースがあります…。
あなたの家の2階にLukaはいませんか?
児童虐待の問題がなくなるその日まで、彼女にはずっと、この歌を歌い続けてほしいと思います。
ありがとう、スザンヌ・ヴェガ! ありがとう、Luka!