Sgt.Pepperにも影響を与えた音楽史に残る名盤!ビーチ・ボーイズ「Pet Sounds」

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、Sgt.Pepperにも影響を与えた音楽史に残る名盤!ビーチ・ボーイズ「Pet Sounds」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■今日は何の日

1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されているタワレコ手帳(現在は製造中止…)。

5月16日の頁には、こんな出来事が記されていました。

【出来事】ビーチ・ボーイズ、ロック史に残る名盤「Pet Sounds」をリリース(1966)

ビーチ・ボーイズと言えば、「サーフィン・U.S.A.」や「グッド・ヴァイブレーションズ」で知られる陽気なサーフミュージック・バンド…。
そんな風に思っている人が多いでしょう。でも実は1960年代、音楽史に大きな革新をもたらした偉大なロックバンドなのです。

そのビーチ・ボーイズが、当時の音楽シーンに衝撃を与えたアルバムが、1966年リリースの「Pet Sounds」です。
ビーチ・ボーイズ名義とは言え、ブライアン・ウィルソンのソロと言ってもいいような作品。前年にリリースされたビートルズ「ラバー・ソウル」に衝撃を受けたブライアンが、バンドとのツアーを止めてスタジオにこもって作ったアルバムです。


Pet Sounds

それまでのサーフミュージックとは一線を画し、高度なアレンジや実験的な手法を取り入れて多彩な楽曲群が作られていきました。
使われている楽器類も多彩。バズ・オルガンやハープシコード、フルートに加え、テルミンや自転車のベルなど様々な音が多重録音されています。

ブライアンがつくろうとしたのは、当時としては珍しいコンセプトアルバムでした。
プロの作詞家トニー・アッシャーを招き、内省的な歌詞で思春期の少年の繊細な感情を表現、独自の世界観をつくり出すことに成功しています。

本作のレコーディングで「グッド・ヴァイブレーションズ」の初期バージョンが録音されましたが、ブライアンの意向でアルバム収録を見送るなど、アルバムのトータルなコンセプトにこだわった作品
後にこのアルバムは、ポール・マッカートニーに影響を与え、ビートルズの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」制作のきっかけとなりました。


Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band

■個人的なおススメ

それでは、そんなビーチ・ボーイズの名盤「Pet Sounds」から、個人的なおススメを紹介しましょう。

まずは1曲め、「Wouldn't It Be Nice」
アルバムの冒頭を飾るコーラスが美しいポップ・ナンバー。心ときめくメロディとメランコリックな歌詞はパワーポップの原型とも言われています。
曲のベースをなす美しいコーラスは、何度も何度も練習とレコーディングを重ねたもの。ブライアンの細部までのこだわりが伝わってきます。
歌詞は、ブライアンが義理の妹に抱いた複雑な恋心をベースに書かれています。歌詞もメロディもコーラスもすばらしい…バンドを代表する名曲です。

続いて7曲め、「Sloop John B」
元はバハマ諸島の民謡ですが、ブライアンがそれをロック風にアレンジ。シングルカットするまでのポップなナンバーに編曲しました。
この曲も口ずさみたくなるメロディと美しいハーモニーが出色ですが、そのベースで鳴らされる様々な楽器の音も美しい…。
フルートや鉄琴、バズサックスなどが効果的に使用されています。特にフルートのやさしい音色は楽曲の楽しさを増しています。

そして9曲め、「I Know There's An Answer」
印象的なイントロからはじまる、メロウで美しいポップ・ナンバー。歌詞のタイトルや音のつくりからスピリチュアルな世界観が伝わってきますが…。
歌われている内容はシリアス。歌詞の内容は、ブライアンのドラッグ体験や自我の死にインスピレーションを得ています。
この曲も使用されている楽器が多彩。ギター、タックピアノ、タンバリン、フルート、バンジョー、バズハーモニカなど。ブライアンの才能さく裂ですね。


まさに名盤…。美しいメロディと繊細な歌詞、そこに緻密なアレンジと実験的なサウンドが施され、これまでにない新しい作品となっています。
しかしその先進性ゆえに、当初は既存のファンに受け入れられず、商業的に満足のいく結果を得ることはできませんでした。


The Complete Pet Sounds Sessions vol.1

繊細なブライアンにとって、渾身の作品が振るわなかったという事実は、精神的に大きなダメージを与えるものでした。
そして次作で「ペットサウンズ」以上の作品を作らなければという強迫観念からノイローゼを発症。次作「スマイル」は制作が進められたものの途中で頓挫…リリース中止となったのです。

それでも、本作の革新性や芸術性はポール・マッカートニーはじめ多くのミュージシャンに計り知れないインパクトを与えました。
ポールは本作を絶賛し、ビートルズのアルバム「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」制作のきっかけとなったと語っています。

今日の夢中は、サージェント・ペパーズにも影響を与えた音楽史に残る名盤、ビーチ・ボーイズ「Pet Sounds」でした。
ありがとう、ビーチ・ボーイズ! ありがとう、「Pet Sounds」!

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