明日への希望とエモい歌声と…ステレオフォニックス「Make 'em Laugh, Make 'em Cry, Make 'em Wait」

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、明日への希望とエモい歌声と…ステレオフォニックス「Make 'em Laugh, Make 'em Cry, Make 'em Wait」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■ステレオフォニックス

イギリスで絶大な人気を誇るバンド、ステレオフォニックス(Stereophonics)。
1997年、アルバム「ワード・ゲッツ・アラウンド」でメジャーデビューを果たすと、これがゴールドディスクを獲得する大ヒットに。

続く2ndアルバム「パフォーマンス・アンド・カクテルズ」(1999年)が初登場で全英1位を獲得。
その後も1年近くチャートインし続けるロングヒットを記録して、ステレオフォニックスは全英にその名を知られるスタジアム・ロックバンドになりました。


パフォーマンス・アンド・カクテルズ

その後もステレオフォニックスは、ビッグバンドにありがちな解散騒ぎなどなく、コンスタントに作品を制作・リリースしていきます。
デビューから30年近く経ってもその人気は変わらず、2019年リリースの11thアルバム「カインド」、2022年リリースの12thアルバム「ウーチャ!」は、いずれも全英1位を獲得。バンドは今なお全英を代表するロックバンドであり続けています。


「ウーチャ!」(Oochya!)

■「Make 'em Laugh, Make 'em Cry, Make 'em Wait」

その最大の魅力は、フロントマンのケリー・ジョーンズが紡ぎ出す骨太なギター・ロック。
奇をてらわない王道のロック・サウンドが、ジョーンズのハスキーで男前な歌声と相まって、ロック黄金時代の楽曲のように生み出されます。

だから聴く者はいつしか、そしていつもこのバンドの音に触れたくなる…。そんな稀有なバンドになっているように思います。
そのステレオフォニックスの新譜が届きました。それが、2025年4月リリースの「Make 'em Laugh, Make 'em Cry, Make 'em Wait」です。


Make 'Em Laugh, Make 'Em Cry, Make 'Em Wait

直訳すると「笑わせて、泣かせて、そして待たせて」というアルバムタイトルは、ジョーンズが長年心に留めていたフレーズから生まれたのだそう。
そのストレートなタイトルそのままに、全編を通じて明るく前向きなサウンドとなっているのが特徴。「希望と心地よい歌声に満ち溢れたアルバム」という評価もあります。
ジョーンズは本作を「非常に簡潔で、非常にメロディアス」なものにしようと意図したそうです。その狙い通り、気持ちよいほど真っ直ぐでエモいアルバムとなっています。


それでは、そんなステレオフォニックスの新作「Make 'em Laugh, Make 'em Cry, Make 'em Wait」から個人的なおススメです。

まずは2曲目、「There's Always Gonna Be Something」
アルバムからのリードシングル。アルバムを特徴づけるような、大らかで前向きなロックナンバー
「There's always gonna be something. So what's it gonna be today」(いつも何かが起こるんだ、今日はどんなことになるかな)。
ジョーンズのハスキーな歌声を盛り上げるように、アコースティックとエレキのギターの音色が楽曲を彩ります。エモいなぁ…。

続いて3曲目、「Seems Like You Don't Know Me」
名曲「ダコタ」を彷彿させるような電子のベース音。そこにジョーンズの歌声とギターの音色が重なり、美しいバンド楽曲となっています。
特に中盤、メロディに絡みつくようなアコースティック・ギターの音色が美しい…。ジョーンズのソングライティングが光るナンバーです。
「Seems like you don't know me / And I don't know you at all」(君が僕のことを知らないように、僕も君のことを全く知らないんだ)というストレートな歌詞もいい…。頑張れ、「僕」!

そして6曲目、「Mary Is A Singer」
"メアリーは歌手。バンドで演奏してる。彼女は、昔住んでいた通りで愛した女の子にそっくりなんだ"。
情景が思い浮かぶ歌詞が魅力的なカントリー調のナンバー。ハーモニカとスライド・ギターの音色が、粘っこくこの曲を盛り上げます。
サウンド的には2ndアルバムの頃を彷彿させる楽曲。音楽性にブレがないのも彼らの魅力です。


やっぱり、ステレオフォニックスはいいなぁ…。本作では、持ち味の骨太ロックに加えて、前向きなエモーションが前面に出されたアルバムとなっています。
不満や怒りもロックの源泉だけど、こうした希望や喜びに満ちたロック・サウンドもいいよね。明日へのエネルギーが蓄積されるようです。

同アルバムもやはり全英1位を獲得。ステレオフォニックスの根強い人気を示す作品となっています。
今日の夢中は、明日への希望とエモい歌声と…ステレオフォニックス「Make 'em Laugh, Make 'em Cry, Make 'em Wait」でした。

ありがとう、ステレオフォニックス! ありがとう、「Make 'em Laugh, Make 'em Cry, Make 'em Wait」!

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