
こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、ヘヴィーなギターサウンドさく裂!アッシュ版ハードロックアルバム「メルトダウン」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■アッシュ「メルトダウン」
今日の音楽館は、大好きなバンド「アッシュ」をまたまた取り上げましょう。
1996年、デビューアルバム「1977」でUKロックシーンに熱狂の渦を巻き起こしたアッシュ。
その重圧に押しつぶされて2ndアルバムは商業的にも批評的にも失敗しましたが、3rdアルバム「フリー・オール・エンジェルズ」で劇的な復活を遂げました。
トップバンドに返り咲いた勢いそのまま、バンドは4thアルバムの制作に着手します。
次に彼らがつくろうとしたのは、ガンズ・アンド・ローゼズやニルヴァーナのようなヘヴィーなロックアルバムでした。
2003年10月、バンドは米ロサンゼルスに渡り、次のアルバムのレコーディングに入ります。
プロデューサーに、元ニルヴァーナのデイヴ・グロール率いるフー・ファイターズなどのアルバムを手掛けていたニック・ラスクリネツを起用。
レコーディング中には、デイヴ・グロールもスタジオを訪れたそうです。こうしてアメリカン・サウンドを取り入れた次作の制作が進んでいきました。
そして2004年5月、アッシュの4thアルバム「メルトダウン」(Meltdown)がリリースされます。
彼らの意図通り、ヘヴィーな骨太ロック満載。ギターワークはブラック・サバスやメタリカを彷彿させる、バンドの最もヘヴィーなロックアルバムとなりました。
前作のポストパンク路線からメタル的なハードロックへの転換は、バンドとしてもチャレンジングだったと思われます。
ただ、音楽シーンは新たなアッシュを好意的に受け入れました。アルバムは全英5位を獲得。「クローンズ」などのシングルヒットも生み、彼らのチャレンジが花開く結果となったのです。
■個人的なおすすめ
それでは、そんなアッシュの4thアルバム「メルトダウン」から、個人的なおすすめを紹介しましょう。
まずは2曲目、「オルフェウス」(Orpheus)。
重厚なイントロとハードなギタープレイで始まる、新たなアッシュのハードロック・サウンド。
この時期のアッシュが志向していたサウンドをのっけから体感することができます。
ただ、サビはこれまでのアッシュ節のようなポップなメロディ…。このハードロックとパワーポップの行き来がこの曲の魅力であり、アッシュの魅力とも言えます。
続いて4曲目、「クローンズ」(Clones)。
アルバムに先駆けてリリースされたリードシングル。2004年2月にダウンロード専用シングルとしてリリースされました。
次のアッシュ・サウンドはこれだ!という挨拶代わりのハードなロックナンバー。ヘヴィーなギターと重厚なドラムが楽曲を支配します。
歌詞も、人類の均質化について警鐘を鳴らす「怒り」の歌。インスト・セクションは、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの影響を受けたと言われています。
そして5曲目、「スタークロスド」(Starcrossed)。
前作「フリー・オール・エンジェルズ」を彷彿させるようなパワー・バラード。こういうのも忘れてないんだよね…。
歌詞はロミオとジュリエットを題材にしています。「Girl,we're starcrossed and can't escape」(僕らは運命に導かれ、もう逃げられないんだ)。
MVも感動的…。映像にティムの歌声がやさしく切なく重なります。シングルカットもされ全英22位。アッシュ・ファンの間で今も人気のある楽曲です。
ヘヴィーなアッシュも悪くないですね。聴衆を煽るようなサウンドと歌詞はライブ向きです。
実際、同作をもって行われたライブツアーは大盛り上がり。同年のフジロック・フェスでも圧巻のライブ・パフォーマンスを披露。今なお伝説のライブとして語り継がれています。
今日の夢中は、ヘヴィーなギターサウンドさく裂!アッシュ版ハードロックアルバム「メルトダウン」でした。
ありがとう、アッシュ! ありがとう、アルバム「メルトダウン」!