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館長のふゆきです。
今日の夢中は、90年代ブリットポップ・ムーブメントを代表する曲!パルプ「コモン・ピープル」です。
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■パルプ
今日は、90年代のイギリスで、ブリットポップ・ムーブメントの主役として国民的な人気を博したバンドを取り上げましょう。
それが「パルプ」(Pulp)。その代表曲は、ブリットポップを象徴する曲「コモン・ピープル」(Common People)です。
パルプは、1978年に英シェフィールドで結成されました。中心人物は、ボーカル&ギターのジャーヴィス・コッカー(Jarvis Cocker)です。
バンドは1980年代は日の目を見ませんでしたが、1990年代半ばにアルバム「His 'n' Hers」(1994年)をリリースすると、これが全英TOP10入りするヒットとなります。
ときはまさに、ブリットポップ全盛期。パルプはブラーの米国ツアーの前座を務めるなど、その追い風に乗りました。
さらに注目を集めたのは、ジャーヴィスのいかにも英国人らしい機知と皮肉に富んだ個性的なキャラクターでした。彼は、その機知と皮肉をそのまま歌詞に認めます。
そして生まれたのが、「コモン・ピープル」。1995年、シングルとしてリリースされると、英国2位の大ヒットに。
さらに同曲を収録したアルバム「Different Class」は全英1位を獲得。ブリットポップを代表するアルバムとなりました。
■コモン・ピープル歌詞
そんなブリットポップを代表する曲「コモン・ピープル」ですが、歌詞は皮肉に満ちています。
富裕層が庶民(コモン・ピープル)のようになりたい、つまり貧困に魅力を見出そうとしていることを痛烈に批判しています。
I wanna live like common people(庶民のように生きたい)
I wanna do whatever common people do(なんでもいいの、庶民のようなことをしたい)
Wanna sleep with common people(庶民と寝たい)
I wanna sleep with common people like you(あなたみたいな庶民と寝たい)
ジャーヴィスはこの曲について、大学在学中に出会った裕福なギリシャ人の令嬢からインスピレーションを得たことを明かしています。
あるとき彼女が「ハックニーに引っ越して庶民のように暮らしたい」と呟いたのだとか。ジャービスは、そうした上から目線の社会的なのぞき見のような風潮に嫌な気持ちを抱いたそうです。
You'll never live like common people(君は庶民のようになんて生きられない)
You'll never do whatever common people do(庶民のようなことなんてできはしない)
(中略)
You will never understand(君には絶対わからない)
How it feels to live your life with no meaning or control
(どうにもできない、意味のない人生を送るのがどんな気持ちか)
And with nowhere left to go(行く当てもないのがどんな気持ちか)
You are amazed that they exist(そんな庶民がいるなんて信じられないだろ?)
■コモン・ピープルMV
それでは、そんなパルプの代表曲にして、ブリットポップを象徴する楽曲「コモン・ピープル」を聴きましょう。
1995年の大ヒットナンバーです。Back to 1995, Pulp "Common People", here we go!
いやぁ、ミュージックビデオ(MV)も皮肉に満ちてますね…。歌詞に登場するギリシャ人女性を演じているのは、女優のサディ・フロスト。
ただ、彼女よりも圧倒的な存在感を示しているのがジャーヴィス・コッカーです。なんともクセのあるボーカルと振舞い…。ダンスは当日に即興で踊ったものだとか。
そんなパルプが日本にやって来ます。2025年1月4日開催のrockin'on sonicにヘッドライナーとして登場するのです。
なんと27年ぶりの来日!楽しみで仕方ありません。きっと「コモン・ピープル」もやってくれるでしょう。
ブリットポップ・ムーブメントを再び!会場の幕張メッセがジャーヴィスの歌に揺れるのは間違いありません。2025年は新年からロックなスタートとなりそうです。
今日の夢中は、90年代ブリットポップ・ムーブメントを代表する曲!パルプ「コモン・ピープル」でした。
ありがとう、パルプ! ありがとう、コモン・ピープル!