こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、ラモーンズの1stアルバム「ラモーンズの激情」をとり上げます。
■今日は何の日
いつも愛用しているタワレコ手帳。
1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されています。
4月23日のページには、こんな出来事が書かれていました。
4月23日 【出来事】ラモーンズ、ファーストアルバム「Ramones」(邦題:ラモーンズの激情)をリリース(1976)
ラモーンズ。
70年代に巻き起こったパンク・ロック・ムーブメントをけん引した代表的なバンドです。
結成は1974年。米ニューヨークでバンド活動をはじめます。
結成当時のメンバーは、ジョーイ・ラモーン(ボーカル)、ジョニー・ラモーン(ギター)、ディー・ディー・ラモーン(ベース)、トミー・ラモーン(ドラム)。
後のメンバーも含めて、全員がラモーンを名乗りました。
彼らの歴史的な名盤とされるのが、デビューアルバムの「ラモーンズの激情」(原題:Ramones)です。
1976年にリリースされた同作は、英ロンドンのパンク・ムーブメントに大きな影響を与えました。
今日は、このパンク・ロックの先駆けとなる名盤、「ラモーンズの激情」をとり上げます。
■ラモーンズの激情
1976年4月23日にリリースされた「ラモーンズの激情」(原題:Ramones)。
そのレコーディングは、同年2月の7日間で行われたという逸話が残っています。
そのエピソードが示す通り、このアルバムで彼らが奏でるサウンドは、シンプルかつストレート。
8ビートのリズム、コードは3つか4つ、ダウンストロークで刻むベース。曲の長さは2分前後です。
このシンプルなロックが、当時の技巧的で大作志向のロック・シーンに衝撃を与えました。
特にその影響を強く受けたのが英ロンドンでした。当時、不況で行き場を失った若者たちが、怒りや退廃をサウンドに乗せて、パンク・ロックを歌ったのです。
こうして、セックス・ピストルズやクラッシュといった英ロンドン・パンクが隆盛をむかえます。
ラモーンズは、そんなムーブメントに火をつける役割を果たしたと言えます。
Never Mind The Bollocks/Sex Pistols
でも、ラモーンズの奏でるパンク・ロックは、英ロンドンのパンクとはちょっと違うんですよね。
怒りや破壊的な衝動じゃなくて、もっと音楽へのピュアな思いがロックになった感じ。
歌の中身も自由きまま。メンバーが関心のあるホラー映画やコミックをネタにしたり、恋する気持ちを歌ったり。
この「抜け」感が彼らの魅力ですね。邦題は「激情」ですが、むしろ音楽への「愛情」のほうがイメージ近いかも…。
■個人的なおススメ
それでは、そんなパンクの先駆けとなる名盤「ラモーンズの激情」から個人的なおススメです。
なんと言ってもおススメはこの曲、1曲め「Blitzkrieg Bop」です。
高らかに幕開けを宣言する、ラモーンズのアンセム。パンクロックのアンセムと言っていいかもしれません。
「Hey, ho, let's go! Hey, ho, let's go!」というチャントは、革命を告げるときの声なのだとか。
ラモーンズのデビューシングルでもある同曲。伝説はここから始まりました。
そして2曲め「Beat on the Brat」。
1曲めの勢いそのままに、シンプルかつストレートなロックが響きます。
分かりやすいメロディが彼らの持ち味。ダウンストロークで弾きまくるベースも気持ちいい…。
そして4曲め「I Wanna Be Your Boyfriend」。
一転して、なんともメロウなポップ・ソング。「君のボーイフレンドになりたい」というジョーイの歌声は、女々しさすら感じます。
こんな曲もやれるんだよね。2ndシングルとしてリリースされましたが、まったく売れませんでした…(苦笑)。
それでも、ラモーンズ・ファンから愛されたこの曲。多くのアーティストにカバーされています。
日本でもファンの多いラモーンズ。「ラモーンズの激情」から約20年後の1995年に解散しました。
オリジナル・メンバー4人も、残念ながらすでにこの世を去っています…。
それでも、ラモーンズの激情は、今も変わらず生き続けています。
ありがとう、ラモーンズ! ありがとう、ラモーンズの激情!