こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、元ニルヴァーナのドラマー、デイヴ・グロールのバンド「フー・ファイターズ」と、同名のデビューアルバムをとり上げます。
■ニルヴァーナ・ロス
前回の夢中図書館「音楽館」でとり上げたとおり、90sを盛り上げたグランジ・ロックの雄「ニルヴァーナ」は、バンドの中心人物カート・コバーンの自殺により、予期せずして終焉をむかえました。
カートの死後、カートを追悼する曲がつくられたり、追悼ライブが行なわれるなど、フォロワーたちがこぞってその早すぎる死を悼みました。
そんな「ニルヴァーナ・ロス」のような状況の中、本命フォロワー・バンドが登場します。
それが、元ニルヴァーナのドラマー、デイヴ・グロールが立ち上げたバンド、「フー・ファイターズ」です。
■フー・ファイターズ
フー・ファイターズ。
米シアトルで結成されたロック・バンド。その中心人物は、元ニルヴァーナのドラマー、デイヴ・グロールです。
バンド名は、未確認飛行物体をあらわす「フー・ファイター」に由来しています。
そのバンド名のように、この未確認バンドは突然、ロック・シーンに飛んできました。
おそらく、「えっ?デイヴ・グロールが?」というのが、多くのニルヴァーナ・ファンの心情だったのではないでしょうか。
ニルヴァーナの中では、やや控えめな存在であったデイヴ・グロール。
それもそのはず、バンドには途中から加入。ニルヴァーナのデビューアルバム「ブリーチ」には参加していません。
ただ、そのドラムの腕前は一級品。もともと前任のドラマーの技術に不満を持ったカートが、前任を解雇して迎えたのがデイヴです。
彼の加入によって、バンドの音がソリッドかつハードになりました。
■デビューアルバム
当時のニルヴァーナ・ファンにとって、デイヴはあくまで腕のいいドラマー。
そんな彼が、ドラムはもちろん、ボーカルもギターも、そしてソングライティングまで行なうとは思いも寄りませんでした。
衝撃のデビューアルバム「フー・ファイターズ」は、カートの死から1年3ヶ月を経た、1995年7月にリリースされました。
デイヴがほぼ独力で楽曲作成から楽器演奏を行い、つくり上げたアルバムです。
これがなんともカートのDNAを受け継いだ音なんです。
ハードにしてメロディアス。その音も演奏も、随所にニルヴァーナの名残りを感じざるを得ません。
デイヴは、カートの「オール・アポロジーズ」を聴いて涙を流したというほど、カートを敬愛していました。
世にニルヴァーナ・フォロワーは数多くあれど、本当のカートを知っているのは、やっぱりバンドメンバーなのだということかもしれません。
このデビューアルバムの後、デイヴはメンバーを加え、正式にバンドでの音楽づくりを推進します。
そして、2011年リリースの「ウェイスティング・ライト」(原題:Wasting Light)で、ついにバンド初の全米ビルボード1位に輝きました。
もちろん、バンドの音は変わっていますが、それでもこうして、ニルヴァーナのDNAは今もロック・シーンに生きているのは、ファンとして嬉しいものです。
デイヴ、これからも頑張って!
■個人的なおススメ
それでは、フー・ファイターズの同名デビューアルバムから、恒例の個人的なおススメです。
まずは1曲め「This Is a Call」。
アルバムの1曲めにして、フー・ファイターズの最初のシングル曲。
やさしい導入部から、一転して激しいドラムとギターがかぶさります。強烈な挨拶となるロックナンバーです。
次いで2曲め「I'll Stick Around」。
「This Is a Call」に続き、2ndシングルに採用されたポップなロックナンバーです。
アルバムでは1曲めからほぼ曲間なしで、この「I'll Stick Around」につながります。これがむちゃカッコいい…。
特にサビの部分、シャウトする下りは、カートが歌っても違和感がないと思います。ニルヴァーナを彷彿させる名曲です。
そして3曲め「Big Me」。
これまでの2曲とは趣が異なり、やさしいメロディのアコースティック・ナンバー。
デイヴはこの後、ポール・マッカートニーとも親交を深めますが、ポール風ともとれる王道ラブソング。
この辺りはフー・ファイターズのオリジナル・テイストと言えます。デイヴのソングライティング力の高さを示す曲です。
今や元ニルヴァーナという枕詞が不要となるほどビッグネームとなったフー・ファイターズ。
ただ、デイヴは今もカートを敬愛しているんだと思います。館長ふゆきも、このアルバムを聴いて、再びニルヴァーナを聴きたくなりました。
ありがとう、フー・ファイターズ! ありがとう、デイヴ!