グランジに対する英国の返答…ティーンエイジ・ファンクラブ「バンドワゴネスク」

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、グランジに対する英国の返答…ティーンエイジ・ファンクラブ「バンドワゴネスク」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■ノーマン・ブレイク

1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されているタワレコ手帳(現在は製造中止…)。
10月20日の頁には、こんな出来事が記されていました。

【誕生日】ノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)(1965)

大好きなバンド、ティーンエイジ・ファンクラブ(Teenage Fanclub)。
今日(2022年10月20日)は、そのフロントマン、ノーマン・ブレイク(Norman Blake)57回目の誕生日でした。


Mellow Doubt

誕生日おめでとう、ノーマン!
ほんと大好きなんです、ティーンエイジ・ファンクラブ。スコットランド・グラスゴー出身のロック・バンドです。

結成は1989年。翌1990年にアルバム「カソリック・エデュケーション」(A Catholic Education)でデビューします。
シングル「エヴリシング・フロウズ」(Everything Flows)など、当時流行していたグランジの影響色濃い、強く歪んだギター・サウンドで注目を集めます。


カソリック・エデュケーション

これが音楽雑誌等で高い評価を受けたことで、クリエイション・レコーズと契約。
1991年、ドン・フレミングをプロデューサーに迎え、アルバム「バンドワゴネスク」(Bandwagonesque)をリリースします。

これが、全英チャート22位に上るスマッシュヒットに。
前作同様、グランジ・ロック色の強いアルバムは、米ニルヴァーナらグランジ勢に対する英国からの返答などと称されました。


バンドワゴネスク

■ティーンエイジ・ファンクラブ

この「バンドワゴネスク」で、ティーンエイジ・ファンクラブが好きになった日本のファンも多いはず。
1993年のアルバム「サーティーン」もスマッシュヒットして、翌年には初来日公演も果たしています。


サーティーン

当時、館長ふゆきも公演に足を運びましたが、代わる代わるボーカルをとるスタイルに魅了されました。
ビートルズを原体験できなかった世代にとっては、彼らが現代のビートルズ…。その中心にいたノーマンがとてもカッコよかった…。

実は彼らのサウンドも、ビートルズのDNAを受け継ぐグッド・メロディ、グッド・ハーモニーが魅力だったりします。
1997年には、その魅力を前面に押し出したアルバム「ソングス・フロム・ノーザン・ブリテン」(Songs from Northern Britain)をリリース。


ソングス・フロム・ノーザン・ブリテン

グランジ風の轟音ギターを封印して、メロディ&ハーモニー重視のピースフルなロック・ミュージックに舵を切りました。
このアルバムはバンド最高位となる全英3位を記録。UKロック・ファンの強い支持を受けた彼らは、「グラスゴーの至宝」などと呼ばれたりしました。

その後も、持ち前のメロディアスなポップ・サウンドを奏で続けています。
2021年にはアルバム「エンドレス・アーケイド」(Endless Arcade)をリリース。いまもピースフルなロック・ミュージックを届けてくれています。


エンドレス・アーケイド

■個人的なおススメ

そんなティーンエイジ・ファンクラブのフロントマン、ノーマン・ブレイクの誕生日を祝して…。
今日は、彼らの初期の代表作「バンドワゴネスク」から、個人的なおススメを紹介しましょう。

まずは1曲め、「ザ・コンセプト」(The Concept)。
彼らの代表曲にして90年代に残る名曲。歪みのあるギターサウンドはグランジの影響でしょう。
ただ、よくよく聴いていくと、その根底にグッド・メロディとグッド・ハーモニーがあることが分かります。
「I didn’t want to hurt you」(君を傷つけたくなかったんだ)という歌詞も刺さります。館長ふゆきは、この曲で彼らにハマりました。

続いて4曲め、「ホワット・ユー・ドゥ・トゥ・ミー」(What You Do To Me)。
小気味のいいパンク調のポップ・ロック。「What You Do To Me」と繰り返す甘いメロディから、途中でエッジの効いたギター・サウンドに変わります。
根底にあるのは、ビートルズDNAを受け継ぐUK王道のポップなメロディ。誰もが歌っちゃうでしょ…。最高です。

そして6曲め、「スター・サイン」(Star Sign)。
前の2曲はノーマン作でしたが、こちらはジェラルド(ジェリー)・ラヴの作品。ボーカルもジェリーです。
バンドは、もう一人レイモンドもボーカルをとるので、トリプル・ボーカル。これがビートルズを原体験していない世代には、ライブで新鮮でした。
この曲も、グランジ風なギターの味付けはありながらも、特徴は口ずさめるグッド・メロディにあります。帰ってこい、ジェリー…(ジェラルドは2018年に脱退)。

いやぁ、グッド・ソングぞろいですね…「バンドワゴネスク」
あらためてこのアルバムが、後の「ソングス・フロム・ノーザン・ブリテン」以降のサウンドに繋がっていくことが分かります。

さすがはグラスゴーの至宝…。その珠玉のポップ・サウンドを、今後も鳴らし続けてほしいと思います。
ノーマン・ブレイク、誕生日おめでとう。これからも元気でポップ・ソングを歌い続けてください。

ありがとう、ティーンエイジ・ファンクラブ! ありがとう、バンドワゴネスク!

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