ケリー・ジョーンズ、自身の名曲をリイマジン「Don't Let The Devil Take Another Day」

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、ケリー・ジョーンズの誕生日を記念して、新譜「Don't Let The Devil Take Another Day」をとり上げます。

■今日は何の日

いつも愛用しているタワレコ手帳
1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されています。

6月3日は、この人の誕生日でした。

【誕生日】ケリー・ジョーンズ(ステレオフォニックス:1974)

ケリー・ジョーンズは、大好きなロック・バンド、ステレオフォニックスのフロントマンです。
もう47歳なのね…。やんちゃなイメージがあったけど立派なミドルエイジ。これからも持ち前の渋いハスキー・ボイスでご機嫌なロックを演り続けてほしいです。

ステレオフォニックスは、ウェールズを代表するロック・バンドです。
ケリーと幼馴染みたちによって、1981年にウェールズの片田舎カマーマンで結成されました。


Have A Nice Day

バンドは地元のライブなどで注目を集めると、1997年にシングル「ローカル・ボーイ・イン・ザ・フォトグラフ」でメジャーデビュー。
1stアルバム「ワード・ゲッツ・アラウンド」は初登場で全英6位にチャートイン。ブリット・アワードで最優秀新人賞を受賞するなど、音楽シーンで一躍注目を集めます。


ワード・ゲッツ・アラウンド

その勢いは止まるところを知らず、2ndアルバム「パフォーマンス・アンド・カクテルズ」(1999年)から6thアルバム「プル・ザ・ピン」(2007年)まで、5作連続で全英1位を獲得するという偉業を成し遂げます。
2010年代に入っても、継続的にアルバムをリリース。骨太なロックで変わらぬ人気を見せつけています。


パフォーマンス・アンド・カクテルズ

■Don't Let The Devil Take Another Day

そのフロントマン、ケリー・ジョーンズがソロとしては2作目となるアルバムをリリースしました。
それが、「Don't Let The Devil Take Another Day」(2020年)です。


Don't Let The Devil Take Another Day

このアルバムでケリーは、ステレオフォニックスや自身のソロ作の楽曲を中心に21曲を選曲。
それらを、現在の彼ならではの解釈や感情を加えてリアレンジ。アコースティック・ライブで演奏したものを収録しています。

そこから聴こえてくる音は、スタジアム・ロック・バンドとなった大スターとはかけ離れた、等身大のケリー・ジョーンズです。
観客に語りかけるケリー、笑い声と嘆き声、すぐ目の前で演奏しているような生演奏と歌声…。

この流れは、ステレオフォニックスの前作「カインド」(2019年)とも相通じます。
「カインド」は、シンプルな機材だけで11日間で全曲レコーディングした、粗くも美しいアルバムでした。

余計な装飾をせずに、いま向き合っている社会や正直な思いを音楽にして伝えたい…。
そんな思いが、このソロ作「Don't Let The Devil Take Another Day」にも強烈に表れているように思います。

いずれも「最悪な時期を乗り越えていたときに傍らにあった曲」。だからこそ、強い思いがほとばしるのでしょう。
まさに、ケリーの「今」を刻んだリイマジンド・アルバム。それが、「Don't Let The Devil Take Another Day」です。

■個人的なおススメ

収録されている楽曲は2019年、英国各地でレコーディングされたものです。
全21曲の内訳は、18曲がステレオフォニックスのナンバー、2曲が前ソロ作からのもの、残り1曲はカバー曲となっています。


Don't Let The Devil Take Another Day(LP)

どれもこれも、ステレオフォニックス・ファンにはたまらない「リイマジン」されたナンバーなのですが、特におススメな聴きどころはアルバム終盤です。
アルバムの終盤、つまりライブの終盤に奏でられる楽曲は、アコースティック・ライブとは思えない会場との一体感を醸し出しています。

まずは、18曲め「Maybe Tomorrow」
4thアルバム「ユー・ガッタ・ゴー・ゼア・トゥ・カム・バック」収録の名曲。
ケリーの声が超絶に格好いいメロウなナンバーです。このバージョンではケリーの歌声がさらに切なく響きます。
途中でケリーが「歌ってみるかい?」と声をかけると、それに応えて観衆が「Maybe Tomorrow」を熱唱します。感動です…。

続いて、19曲め「Traffic」
1stアルバム「ワード・ゲッツ・アラウンド」収録のナンバーです。
前曲からの流れそのまま、冒頭から観衆たちが歌います。ケリーとの合唱。会場のボルテージが伝わって来ます。
その高まりをやさしく鎮めるかのような、美しいバイオリンの音色が珠玉です。美しい…。

そして、20曲め「Just Looking」
こちらは、2ndアルバム「パフォーマンス・アンド・カクテルズ」収録の大ヒット・ナンバー。
印象的なギターのイントロから、ケリーのやさしい歌いだし。そこにリスナーたちの合唱が重なります。
「手に入れなくてもいい、見ているだけでいいんだ(Just Looking)」という、等身大のケリーがそこにいます

ライブは、会場との絆を強く繋いだまま、ラストの「Dakota」で幕を閉じます…。
このアルバムが今の時代に届けられたのは、ある意味奇跡であり、最高のギフトと言えます。

いつかまた、ライブ会場であなたと出会える日まで、ケリー・ジョーンズとその歌声をリイマジンしておきましょう。
ありがとう、ケリー! そして、誕生日おめでとう!

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