こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、米ロックバンド・ウィーザー(Weezer)の新譜「Van Weezer」です。
■Van Weezer
米オルタナ・シーンで熱い支持を受けるバンド、ウィーザー(Weezer)。
2021年に入って間もなく、突如、フルオーケストラを従えた14枚目のアルバム「OK Human」をリリースした彼ら。
その余韻も冷めやらぬうちに、15枚目となるアルバムがリリースされました。
それが今回紹介するアルバム「Van Weezer」です。
そもそも、こちらのアルバムのほうが「OK Human」より先に制作が進んでいたんですよね…。
2020年にリリースする予定だったのが、コロナの影響などにより発売が延期となっていました。
2019年9月には、先行シングル「The End Of The Game」がリリースされています。
このシングルを聴けば明らかなとおり、今回のアルバムは、ハードロックやメタルへの愛に満ちあふれています。
Weezerファンなら知っての通り、彼らの音楽には米ハード・ロックの系譜が流れているんですよね。
2019年リリースのアルバム「WEEZER(TEAL ALBUM)」では、ブラック・サバスの「Paranoid」をカバーしたりしています。
フロントマンのリヴァース・クモオはキッスの大ファン。ギターのブライアンはブラック・サバスをリスペクトしています。
ベースのスコットはスレイヤーとメタリカを、ドラムのパトリックはヴァン・ヘイレンとラッシュを崇拝しています。
そんな彼らのハード・ロック愛が解き放たれたアルバムが「Van Weezer」です。
これが、コロナ禍による鬱憤を解き放つようなご機嫌なアルバムに仕上がってるんです。
奇しくも、このタイトルの元となったヴァン・ヘイレンのギタリスト、エディ・ヴァン・ヘイレンが2020年10月に亡くなっています。
そのエディの訃報に際し、リヴァースは次のようにツイートしました。
僕達の青春時代のサウンドトラックとなり、アルバムのインスピレーションとなった偉大な音楽の全てに対する感謝の印として、僕達は「Van Weezer」をエディに捧げたい。安らかに、EVH。
■個人的なおススメ
それでは、Weezer15枚目のアルバム「Van Weezer」から、個人的なおススメを紹介しましょう。
まずは1曲め「The End of the Game」。
もう、イントロからしてヴァン・ヘイレン…。ご機嫌なギター・ソロが突っ走ります。
そこにウィーザー十八番の泣きのメロディがかぶさります。これはファンならずともたまらない…。最高のウィーザー・メタルです。
続いて3曲め「Hero」。
パンデミックの最前線で戦っている英雄、医療従事者たちへの敬意と感謝を捧げるナンバー。
その思いが迸るように、ギターもベースもドラムも力強く奏でられます。さらに泣きのメロディが曲を盛り立てます。ありがとう、医療従事者の皆さん!
そして4曲め「I Need Some of That」。
このアルバムは、全曲ギターで製作したとリヴァースはコメントしています。それもハード・ロックへのリスペクトなのでしょう。
ただ持ち前の泣きのメロディが潰えることはありませんでした。この曲ではそのポップ・センスがさく裂。泣きメロとハード・ロックの見事なコラボレーションです。
いやぁ、まさか2021年前半にしてウィーザーの新譜を2枚堪能できるとは思いませんでした。
前作「OK Human」はオーケストラ・ポップ、本作「Van Weezer」は一変して、ハード・ポップ・ロックとも言うべきウィーザー・サウンドとなりました。
さらに年内にもう1枚アルバムをリリースするとも伝えられるウィーザー。
今年のウィーザーは止まらない…。まずは、彼らのハードロック愛が迸るアルバム「Van Weezer」をしばし楽しみましょう。
ありがとう、ウィーザー! ありがとう、「Van Weezer」!