こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
9月23日は、米ロック界のボス、ブルース・スプリングスティーンの誕生日。
今日の夢中は、彼の誕生日を記念して、ロック史に残る名盤「ボーン・イン・ザ・USA」をとり上げます。
■今日は何の日
いつも愛用しているタワレコ手帳。
1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されています。
9月23日は、この人の誕生日でした。
【誕生日】ブルース・スプリングスティーン(1949)
言わずと知れた、米ロック界のボス。ロック界の重鎮、ブルース・スプリングスティーン。
2021年9月23日で、御年72歳。70歳を超えても、そのロック魂は衰えることを知らず。まだまだ現役で活躍しています。
余談ですが、東京2020オリンピックでは、彼の娘ジェシカ・スプリングスティーンが乗馬の団体競技に出場。
なんと銀メダルを獲得するという快挙を成し遂げました。父娘ともども、USAを代表する活躍ぶりですね。
…ということで今日は、そんなジェシカも米国代表選手もきっと大好きであろう、このアルバムをとり上げます。
誕生日おめでとう!ブルース・スプリングスティーン。今日の夢中は、彼の大ヒットアルバム「ボーン・イン・ザ・USA」です。
■ブルース・スプリングスティーン
ブルース・スプリングスティーンは、1973年にアルバム「アズベリー・パークからの挨拶」でデビューしました。
はじめは鳴かず飛ばずが続きますが、地道なライブ活動で評価を高めます。
すると、そのライブの熱気を凝縮したようなロック・アルバムをつくり上げます。
それが、3rdアルバム「明日なき暴走」(1975年)。これが米ビルビード3位となるが大ヒットとなり、彼の名前は全米に知れ渡ることになりました。
その後も、初の全米1位を獲得した「ザ・リバー」(1980年)、アコースティック・ギターとハーモニカだけで自宅で録音された「ネブラスカ」(1982年)など、傑作・話題作を世に送り出します。
■ボーン・イン・ザ・USA
そんな彼が、ロック・シンガーとして世界にその名を轟かせることとなったのが、1984年のアルバムでした。
それが、通算7枚目となるアルバム「ボーン・イン・ザ・USA」(1984年)です。
米ロックのエネルギッシュさと社会的なメッセージを詰め込んだ、スプリングスティーンらしいこのアルバムはとんでもない大ヒットとなりました。
アルバムは全世界で3,000万枚以上の売上を記録。米ビルボードでも1位を獲得、84週連続トップ10入りしました。
このアルバムから数多くのシングル・ヒットも生まれました。
「ダンシング・イン・ザ・ダーク」「ボーン・イン・ザ・USA」「グローリー・デイズ」など、シングルカットされた7曲(!)はすべてトップ10入りするという快挙を成し遂げます。
勢いに乗ったブルースは、1985年のチャリティ・ソング「ウィ・アー・ザ・ワールド」では中盤のソロ・パートを獲得。
さらにその翌年(1986年)、LP5枚組のライブアルバム「Live/1975-85」をリリースして、世界中のファンを魅了しました。
その後の活躍も、他に類を見ません。大スターになっても偉ぶっていないところが、ファンを惹きつけるんでしょうね。
以降もアルバム制作とライブ活動を精力的にこなし、ファンから暖かく受け容れられています。
直近では、「レター・トゥ・ユー」(2020年)を盟友Eストリート・バンドとつくり出し、ボス健在を世に知らしめました。
■個人的なおススメ
それでは、ブルース・スプリングスティーンの名盤「ボーン・イン・ザ・USA」から個人的なおススメです。
まずは1曲め、「ボーン・イン・ザ・USA」。
アルバムのタイトル曲にしてオープニングナンバー。誰もが知ってる80年代ソングでしょう。
このダミ声シャウトとシンプルなロックンロール、そしてメッセージ性に富む歌詞が彼の魅力です。
この曲はベトナム帰還兵の苦悩を題材にしているのですが、意に反して愛国歌として政治キャンペーンに使われると、彼は強く怒りの声をあげました。
続いて11曲め、「ダンシング・イン・ザ・ダーク」。
この傑作アルバムからの記念すべき1stシングル。全米2位を獲得し、これまでのアルバム・アーティストという評価を一変させました。
軽快なリズムとノリのいいメロディ。一見、ラブソングかと思うのですが、歌詞はシリアスです。仕事や日々の生活に疲れ果てた若者の苦悩が描かれています。
ちなみに、ミュージック・ビデオを監督しているのは巨匠ブライアン・デ・パルマ。ステージに飛び入りして踊る女性は、若きコートニー・コックスです。
そして12曲め、「マイ・ホームタウン」。
アルバムのラストを飾るバラード・ナンバー。描かれるのはアメリカの小さな町。
かつて希望に満ちた町が、人種間の諍いや不況などで荒んでいく様が描かれます。
歌詞の2番に登場する時代は1965年。そう、ベトナム戦争の頃。冒頭の曲「ボーン・イン・ザ・USA」の世界観と通じますね。
ブルース・スプリングスティーンの母国への愛と怒りが色濃く感じられるナンバーです。
歴史に残る名盤「ボーン・イン・ザ・USA」。
明るいアメリカン・ロック・アルバムと誤解している人も多いと思いますが、むしろ逆です。
当時のアメリカ社会が抱える闇を深くえぐった、社会的なメッセージに富んだアルバム。いまの時代にも重く突き刺さる歌詞と歌声です。
そのブルース・スプリングスティーンも今日で72歳。
まだまだ現役、しかも第一線で活躍しているのは、本当に素晴らしいことです。
今の混迷する世の中を見ると、まだまだ歌いたいことが山のようにあるんだろうな…。
誕生日おめでとう、ブルース・スプリングスティーン。
これからも、力強いメッセージ・ソングを歌い続けてください!
ありがとう、ブルース・スプリングスティーン! ありがとう、ボーン・イン・ザ・USA!