こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日は、ダイナソーJr.の5年ぶりの新作「Sweep It Into Space」をとり上げます。
■ダイナソーJr
米オルタナティブ・ロックの重鎮、ダイナソーJr.。
5年ぶりとなる12枚目のアルバム「Sweep It Into Space」がリリースされました。
なんと、アルバムジャケットが「ヘドラ」!
「ゴジラ対ヘドラ」(1971年)に登場した、カルト的人気を誇る怪獣です。
このヘドラに自らを重ね合わせたのかは定かではないですが、「カルト的人気」ってのは彼らに相通じるものがあります。
そもそも、バンド名も「怪獣」(ダイナソー)だしな…。
そんな「ダイナソーJr.」は、1983年に結成された米オルタナロック・バンド。
1985年に、デビューアルバム「Dinosaur」でインディ・シーンに登場すると、そのノイジーなギターロックで、まさにカルト的な人気を博します。
1991年には、アルバム「グリーン・マインド」をメジャー・レーベルからリリース。
さらに「ホエア・ユー・ビーン」(1993年)などアルバムをリリースしますが、メンバーの不和などにより、バンドは一時解散してしまいます。
それでも、カルト的な人気は衰えることなく、2005年にバンドは再結成。
相変わらずの轟音ギター・ロックを引っさげて、アルバム「ビヨンド」(2007年)をリリースすると、ファンを喚起させました。
■Sweep It Into Space
そして2021年4月、ダイナソーJr.は通算12枚目となるアルバム「Sweep It Into Space」をリリースしました。
メンバーは、J・マスキス(ボーカル&ギター)、ルー・バーロウ(ベース&ボーカル)、マーフ(ドラム)といういつもの3人組。
今回のアルバムには、この3人のほか、J・マスキスと共同プロデュースを手掛けたカート・ヴァイルが参加しています。
カート・ヴァイルも米インディー・シーンを代表するシンガーソングライター。ファンにはたまらない、カルト・ヒーローの協演となりました。
カート・ヴァイルは、「I Ran Away」で12弦ギターを弾くなどサウンド面でも貢献。
J・マスキスは、「シン・リジィをよく聴いていたので、ツイン・リードのサウンドを手に入れようとしたんだ」とインタビューで語っていました。
シン・リジィかどうかはともかく、2人の個性あふれるギターの協演を楽しめるアルバムが出来上がりました。
カルト怪獣ロックが帰ってきた…。カルト・ヒーロー「ダイナソーJr.」が5年ぶりに放つ渾身のギターロック・アルバム、それが「Sweep It Into Space」です。
■個人的なおススメ
それでは、ダイナソーJr.のアルバム「Sweep It Into Space」から個人的なおススメです。
まずは2曲め「I Met the Stones」。
ヘヴィーなギターで幕を開けるロック・ナンバー。エレキ・ギターが縦横無尽に駆け巡ります。
その自己主張するようなギター・ソロは、まるで狼の遠吠えのよう…。ダイナソー・ファンにはたまらないギター・ロックです。
つづいて4曲め「I Ran Away」。
カート・ヴァイルの12弦ギターが冒頭から響きます。合わせているのはJ・マスキスのギターでしょう。
もともとJがカートを絶賛していたことから実現したアンサンブル。相性の良さが際立つ、カルト・ギターヒーローの協演です。
そして5曲め「Garden」。
ルー・バーロウ作のメロウなナンバー。「おそらくバーロウの最高のダイナソー作品」と称される曲で、アルバムのリード・シングルに起用されました。
アルバムにはルーの作品が2曲収録されていますが、いずれもミディアム・テンポのバラード・ナンバー。アルバムの良いアクセントになっています。
カルト怪獣ロック健在!このギターロックをファンは待っていました。
もはやゴジラでも彼らを止めることはできないでしょう…。ダイナソーJr.、12枚目のアルバム「Sweep It Into Space」でした。
ありがとう、ダイナソーJr.! ありがとう、「Sweep It Into Space」!