
こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、Wisp「If Not Winter」!20歳の才能が放つ新時代のシューゲイズ・サウンドです。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■Wisp「If Not Winter」
サンフランシスコ出身の若干20歳のアーティスト「Wisp」(ウィスプ)が、待望の1stフルアルバムをリリースしました。
それが、今日紹介するアルバム「If Not Winter」。2025年8月1日にリリースされた新譜です。
突如として音楽シーンに現れたWispことナタリー・R・ルー。その音楽キャリアのスタートは、現代的で非常にユニークなものでした。
それは、彼女が2023年リリースしたデビューシングル「Your Face」がTikTokで爆発的なヒットを上げたことに始まります。
当時、サンフランシスコ州立大学でコンピューターサイエンスを専攻していた彼女は、このヒットを機にレコード会社と契約。
音楽キャリアを本格的に始動すると、2024年4月に初のEP「Pandora」をリリース。勢いそのままに、2025年8月に1stフルアルバムとなる「If Not Winter」のリリースとなったのです。
その音楽の特徴は、My Bloody ValentineやSlowdiveといった90年代の伝説的バンドを彷彿させるシューゲイズ・サウンド。
分厚く多層的なギターのノイズと軽やかなボーカル。そこに新時代のベッドルーム・ポップの要素を掛け合わせたようなサウンドは、「ニューゲイズ」とか「シューゲイズ・リバイバル」などと呼ばれています。
アルバム「If Not Winter」は、そんな新時代のシューゲイザーを堪能する最高の1枚。
1990年代シューゲイズはもちろん、ドリーム・ポップやグランジなどの要素を取り込んで、Wispの新たな魅力を解き放っています。
■個人的なおススメ
それでは、そんな新時代のシューゲイズ・サウンドを奏でるWispのアルバム「If Not Winter」から、個人的なおススメです。
まずは1曲目、「Sword」。
アルバムのリードシングルにしてオープニングを飾るシューゲイズ・ナンバー。
やさしいイントロから徐々にノイズの渦が形成されていくサウンドは圧巻。まるでギターの轟音に飲み込まれるような感覚に陥ります。
これは、シューゲイズ好きにはたまらない。このサウンドが今の時代に聴けるなんて…。圧倒的なカタルシスを味わえるリード曲です。
続いて2曲目、「Breathe onto me」。
1曲目から続いてシューゲイズ・ファンにカタルシスを与える、分厚いギターのノイズと甘いメロディのコラボレーション。
浮遊するようなギターのサウンドと重厚なベースラインの見事なまでの一体感。そこにドリーミーなWispのボーカルが加わると、独特な音の世界に導かれてしまうよう…。
「Breathe onto me」(私に息を吹きかけて)というタイトルも魅惑的。聴くほどにハマっていくニューゲイズ・サウンドです。
そして3曲目、「Save me now」。
シューゲイザー・ミーツ・ベッドルームポップ。そんな風に呼びたくなるようなドリーミーなポップ・サウンド。
ノイズの壁はあるものの、よりメロディと浮遊感が前面に打ちされています。この曲では、Wispのボーカリストとしての魅力が最大限に発揮されています。
透明感があり、どこか懐かしい響きを持つ歌声は、夢と現実の境界を浮遊するように響きます。まさにベッドルームで聴きたいようなナンバーです。
引き込まれました…。Wispの1stアルバム「If Not Winter」は、単なる「シューゲイズ・リバイバル」ではありませんでした。
これは、1990年代の轟音を2020年代の感性で再構築した、20歳の若きアーティストが創り出す新時代のシューゲイズ・サウンドです。
心を揺さぶる美しいノイズに身を委ねたい、すべての人に捧げます。
今日の夢中は、Wisp「If Not Winter」!20歳の才能が放つ新時代のシューゲイズ・サウンドでした。
ありがとう、Wisp! ありがとう、「If Not Winter」!










