Vanity Mirror「Super Fluff Forever」!現代によみがえる60年代の夢…極上のレトロポップ

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、Vanity Mirror「Super Fluff Forever」!現代によみがえる60年代の夢…極上のレトロポップです。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■Vanity Mirror「Super Fluff Forever」

「これ、本当に2020年代の新譜?」と思わずクレジットを確認してしまいました。
そのアルバムは、単なるレトロ風という言葉では片づけられない、魔法にかかったような至福のポップ・ミュージック満載でした。
それが、今日とり上げるバンド「Vanity Mirror」の2ndアルバム「Super Fluff Forever」です。


Super Fluff Forever

Vanity Mirrorは、カナダ・トロントを拠点とするシンガーソングライター、Brent Randallと、ロサンゼルス在住のドラマー、Johnny Toomeyによるデュオ・プロジェクトです。
前作「Puff」(2023年)で、その卓越したメロディセンスとローファイな音像でインディー・ポップ・ファンの心を掴んだ彼ら。2025年10月、待望の2ndアルバム「Super Fluff Forever」をリリースしました。

そのサウンドは、60年代の英国サイケデリア、70年代のソフト・ロック、そしてバロック・ポップのエッセンスを詰め込んだ、旧き良きポップ・ミュージック
特に本作では、キンクスの「Village Green」を彷彿させるような牧歌的な雰囲気と、バッドフィンガーのようなパワーポップの煌めきを体感することができます。

これだけタイムスリップしたような感覚になるのは、彼らの手作り感たっぷりの、ミニマリスト的な制作スタイルにあるのかもしれません。
Brentは本作の制作にあたり、ヴィンテージ機材や古いピアノ、数本のマイク、そしてラップトップを駆使して、ベッドルーム・レコーディングを敢行しました。

カシオのシンセサイザーが鳴らすチープでドリーミーな音色や、少し調律の甘いピアノ…。
それらがBrentの一級品のソングライティングと組み合わさることで、「懐かしいのに新しい」唯一無二のサウンドが紡ぎ出されるのです。

■個人的なおススメ

それでは、そんなVanity Mirrorのアルバム「Super Fluff Forever」から、個人的なおススメです。

まずは1曲目、「White Butterfly」
アルバムの幕開けを飾る、キラキラとしたサイケ・ポップ・チューン。冒頭のギターリフが鳴った瞬間、60年代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。
キンクスを彷彿させる疾走感と少しひねくれた英国的なメロディラインが秀逸。ほんと、キンクスが60年代に演奏しててもおかしくない極上のレトロポップです。
サビの「White Buterfly」のドリーミーなテイストと、躍動感あふれるソリッドなギターとのコントラストもいい感じ。心おどるようなオープニング・ナンバーです。

続いて2曲目、「The Apple Tree」
本作のハイライトともいえる、切ないほどに美しいピアノ・バラード。やさしく、そしてどこか物悲しいピアノの音色が印象的です。
こちらの楽曲で彷彿するのは、ポール・マッカートニー。歴代のメロディメイカーの系譜を受け継ぐようなソングライティングの才が光ります。
途中で挿入されるエレキギターの音色もエモくて胸に刺さります。Brentのやさしい歌声も曲調に合致、極上のポップバラードです。

そして5曲目、「Mr. Watchmaker」
ベッドルーム・レコーディングの魅力が際立つ、手作り感たっぷり、彼らの遊び心が爆発したナンバー
「時計職人さん」と呼びかける歌詞もあって、まるで子供向けテレビ番組のテーマソングのような、キャッチーで少しストレンジなテイストを楽しめます。
2分37秒の小曲ですが、ポップマニアをニヤリとさせる仕掛けが満載。軽快なリズムとコーラスワークも弾けるチャーミングなナンバーです。


これは、ビートルズやキンクス、ゾンビーズなど、60〜70年代のポップスを愛する人にはおススメ。懐かしくも新しいポップミュージックを楽しめます。
Lemon Twigsなんかも同じように懐古的なサウンドを鳴らしてるけど、このポップ・リバイバルの動きは要注目ですね。ゆったりと音楽に身を委ねたくなる、心地よいアルバムでした。

今日の夢中は、Vanity Mirror「Super Fluff Forever」!現代によみがえる60年代の夢…極上のレトロポップでした。
ありがとう、Vanity Mirror! ありがとう、「Super Fluff Forever」!

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