
こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、シャーラタンズ完全復活!バンドの真価を魅せる4thアルバム「ザ・シャーラタンズ」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■ザ・シャーラタンズ
イギリスで今も根強い人気を誇るロックバンド、シャーラタンズ(The Charlatans)。
前回、1994年にリリースされた「Up to Our Hips」を取り上げてブログ記事にまとめました。
同作は、マッドチェスターからブリットポップへと聴衆の関心が移り変わっていく中で、シャーラタンズの名をあらためてシーンに刻んだ良盤です。
このアルバムは全英8位を獲得したほか、「Can't Get Out of Bed」などのシングルヒットも生みました。
マッドチェスター色の払しょくに成功したバンドは、間もなく次のアルバム制作に入ります。
ボーカルのティム・バージェスとギタリストのマーク・コリンズは、バージェスの自宅に寝泊まりしながら曲作りを進め、最終的に30もの曲を書きました。
それらの楽曲をもとにスタジオ入りした彼らは、はじめは前作同様にスティーブ・ヒレッジをプロデューサーに迎えましたが、彼のミックスや仕事ぶりに納得がいかずに解雇。
メンバー自身とエンジニアのデイヴ・チャールズの共同プロデュースで4thアルバムのレコーディングを続けました。
そして1995年8月28日、ついに4thアルバムがリリースされました。アルバム名はバンドの名を冠した「ザ・シャーラタンズ」(The Charlatans)。
セルフタイトルにしたことからも、メンバーがこのアルバムに大きな自信を持っていたことがうかがえます。
アルバム「ザ・シャーラタンズ」は、全英チャートで堂々の1位を獲得。彼らにとっては1stアルバム以来の1位返り咲きでした。
マッドチェスターのブーム終焉と共に消えゆくかと思われたバンドが、このアルバムによって名実ともに復活を遂げたのです。
■個人的なおススメ
それでは、そんなシャーラタンズ完全復活を知らしめたアルバム「ザ・シャーラタンズ」から、個人的なおススメです。
まずは4曲目、「Crashin' In」。
アルバムに先駆けて1994年12月にシングルとしてリリースされたナンバー。解雇前のヒレッジがプロデュースを担当しています。
この時期のバンドの自信を示すかのように、力強くライブ感あふれるナンバー。彼ら独自の米南部ミュージックへの敬愛あふれる楽曲です。
もはや彼らの持ち味となっているオルガンの音色にかき鳴らされるギター、終盤にはシャウトするバージェスの歌声も聴けます。バンドサウンドの成長も、自信につながっているのでしょうね。
続いて3曲目、「Just Lookin’」。
「Crashin’ In」に続いて2ndシングルとしてリリースされたナンバー。これまた米南部ミュージックやR&Bの影響を色濃く感じられます。
アルバムセッションでは、バージェスやキーボードのロブ・コリンズの米カントリー&ウェスタン志向と、ベースのマーティン・ブラントのファンクやモッズサウンド志向が衝突したことが伝わっていますが、それが結果よい方向になったことがサウンドに表れています。
メンバー同士がこだわりをさらけ出したからこそ、バンドの進むべき方向が定まったのかもしれません。バンドの真価を示す名曲です。
そして7曲目、「Just When You're Thinkin' Things Over」。
アルバムの3rdシングルとしてリリースされ、1990年「Then」以来の最高位12位を記録したナンバーです。
こちらも聴けば伝わってくる米南部サウンド志向。ローリング・ストーンズなんかが演ってもおかしくない楽曲です。
ベースのメロディを刻むピアノ音、そこに自由に絡みつくギターとオルガン、さらには粘っこいバージェスのボーカルと、シャーラタンズの魅力満載の楽曲です。
いやぁ、すばらしいアルバムですね、シャーラタンズのセルフタイトル・アルバム「ザ・シャーラタンズ」。
苦しいときを経てメンバーの結束が高まり、彼ら自身がバンドの真価を見つけたのかもしれません。自信に満ちあふれたサウンドに魅了されました。
今日の夢中は、シャーラタンズ完全復活!バンドの真価を魅せる4thアルバム「ザ・シャーラタンズ」でした。
ありがとう、シャーラタンズ! ありがとう、4thアルバム「ザ・シャーラタンズ」!