こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、ケミカル・ブラザーズの新譜「ノー・ジオグラフィー」です。
■ノー・ジオグラフィー
ケミカル・ブラザーズ。
英国のデジタル・ロック・デュオが約4年ぶりに新譜をリリースしました。
それがこちら、「ノー・ジオグラフィー」です。
彼らの登場はある意味、衝撃的でした。
ロックとダンスミュージックの融合。サンプリングの多用した新しいデジタル・ミュージック。
1995年にデビューアルバム「Exit Planet Dust」をリリースすると、英クラブ・シーンから人気に火が付きます。
1996年にリリースしたシングル「Setting Sun」は、オアシスのノエル・ギャラガーをゲストボーカルに迎えてチャート1位を獲得。
1997年のシングル「ブロック・ロッキン・ビーツ」はグラミー賞の「Best Rock Instrumental Performance」賞を受賞するなど、インスト・ユニットとしては異例のヒットを挙げました。
彼らがつくり上げたのは、聴覚に訴えるデジタル・ロックだけではありません。
こんなデジタル系ミュージックは、ヘッドフォンで聴いたり、クラブで流れるのが普通でしたが、彼らは積極的にライブを行いました。
今でこそ、このライブDJスタイルは他のバンドも演っていますが、初めて見たときは衝撃でした。
ステージ上はケミカル・ブラザーズの2人だけ。彼らは歌うわけでも、演奏するわけでもありません。
彼らが魅せるのはライブDJ。ステージのど真ん中で機材を操り、魔法のようにデジタル音を奏でます。
しかもスクリーンには、トリップ感あふれる映像を流して、視覚にも訴えました。
めくるめくサイケデリア…。これ、21世紀のウッドストック?そんな風に感じた記憶があります。
■個人的なおススメ
では、そんなケミカル・ブラザーズの新譜「ノー・ジオグラフィー」から、個人的なおススメを紹介しましょう。
まずは8曲目「Free Yourself」。
ブレイクビーツ回帰ともいうべき、叩きつけるように繰り返されるビート。
無機質なボーカルも楽器の一部になってるかのようなデジタル・ロック。まさにケミカル節です。
「ヒュヒュヒュヒュ」というショッカーのような電子音がアクセントになっています。
PVも近未来的。こいつらが未来のショッカーか…?
続いて7曲目「We've Got to Try」。
これまたケミカル節がさく裂!地を這うようなインダストリアル音に、女性ボーカルのソウルフルなシャウト。
途中、オーケストラあり、何かが擦れ合う音あり、何が出るか分からない実験的な要素もこの曲の魅力です。
そして9曲目「MAH」。
ついに来ました、攻撃的な1曲です。男性ボーカルがメインなのもあるかもしれませんが、なんか突きつけられるような感じ。
デジタル音があちこちにはじけ飛びます。中盤の低音ビートから後半への盛り上がりがヤバい。
これライブで演られたら、みんなトリップしちゃうんじゃないかしら。
いやぁ、ケミカル・ブラザーズ、やっぱりイイですね。
しかも初期の頃に回帰してる感じで、オールド・ファンにはたまりません。
そんな彼ら、なんと今年(2019年)のフジロック2019参戦が決定しました!
もちろんヘッドライナーです。苗場でトリップ間違いなし!これは楽しみですね。
ありがとう、ケミカル・ブラザーズ! ありがとう、ノー・ジオグラフィー!