こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、カナダ発のサイケデリック・ロックバンド「ザ・ブランディー・アレクサンダーズ」(The Brandy Alexanders)を紹介します。
■The Brandy Alexanders
なんとも痺れるサイケデリック・ロックバンドと出会いました。
その名も、ザ・ブランディー・アレクサンダーズ(The Brandy Alexanders)。
カナダ・オンタリオ州出身の5人組ロックバンド。
2021年12月にバンド名を冠した「ザ・ブランディー・アレクサンダーズ」(原題:The Brandy Alexanders)でアルバム・デビューを果たしています。
日本ではほぼ情報が無いので、彼らのSNSなどから探っていくと…。
中心となるのが、アレックス(ボーカル/ギター)とダニエル(キーボード)のディック兄弟。彼らが高校生の頃に音楽活動をスタートさせたようです。
その後、ショーン(リード・ギター)、ザック(ベース)、ロビー(ドラム)の3人を加え、現在のラインナップになります。
はじめはインディーズからEPをリリースしたり、地元でライブ活動を行うなどをしていました。
そんな彼らにチャンスが訪れたのは2019年のこと。
地元トロントのクラブでライブを行っていたところを、ジプシー・ソウル・レコーズの創設者Renan Yildizdoganに見出されて、メジャー契約に至りました。
■狂気とSgt.Peppersの狭間
その音楽の特徴は、60sあるいは70sを彷彿させるサイケデリック・ロック。
レビューでは、ピンク・フロイドの「狂気」とビートルズの「サージェント・ペパーズ~」双方を取り込んだ音楽などと評されたりしています。
まさにそんな感じです。驚くべきは、そんなサイケデリックなミクスチャーが、今の時代にかくもリアルに生み出されたこと。
おそらくアレックスとダニエルの世界観によるものでしょう。彼らの音楽の嗜好もその辺りにあるのでしょうね。
ちなみに、バンド名の由来は、いわゆる「失われた週末」と呼ばれているジョン・レノンがヨーコと別居期間に起きた出来事にあります。
1974年、ジョンが泥酔して暴れてロスのトゥルバドール・クラブから叩き出されたという事件が起きました。このとき飲んでいたのが、「ブランディー・アレクサンダー」というカクテルでした。
このエピソードをバンド名にする辺りからして、ビートルズの影響を感じると同時に、独特な尖がった感性のようなものを感じます。
アルバムジャケットも独特な世界観ですよね。これは、「Radiation Siamese Twins」と名付けられたアート。直訳すると「放射能シャム双生児」。…サイケだなぁ。
■個人的なおススメ
それでは、そんなカナダ発のサイケデリック・ロックバンド「The Brandy Alexanders」のバンド名を冠したデビュー・アルバムから、個人的なおススメです。
まずは1曲め、「Ceiling Fan, Man」。
もう、この一曲目でサイケデリックな世界にぶっ飛びます。
宇宙を舞うようなギターリフ、ソリッドで重いベース&ドラム、プログレ要素も取り込んだサイケロック。
甘くやさしいボーカルが目眩く世界観をさらに深めます。最初に聴いたときは女性ボーカルかと思いましたが、MVを見たらがっつり無精ひげを生やした男子でした(苦笑)。
続いて2曲め、「Shiram」。
重厚なギター・リフで始まるロック・ナンバー。そこに甘いボーカルが重なり、みるみるうちに危険なサイケ・ロックに…。
中盤のギターソロなんて、なんか異次元に導かれていくみたい。これは、ライブで聴いたレコード会社社長が契約した理由が分かるわ…。
そして7曲め、「Conventional Lie」。
一転して、アコースティックなナンバー。ヘヴィーなサイケ・ロックだけでなく、こんな曲もやれるんだな…。
明るめの曲調で聴きやすいのですが、歌詞に込められているのは、世に流布する誤まった情報の妄信や不合理な考えを押し付けようとする人々に対する怒りや警鐘。
一筋縄ではいかないな、このバンドは。聴けば聴くほど、彼らの世界観にハマっていきます。
カナダ発のサイケデリック・ロックバンド、ブランディー・アレクサンダーズ(The Brandy Alexanders)。
そのバンド名の由来となったカクテルのごとく、甘くそして危険です。聴くほどに彼らの音楽にハマります。さて、あなたはどの曲から始めますか?
ありがとう、ブランディー・アレクサンダーズ!