こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、伝説のブルース・ギタリスト「スティーヴィー・レイ・ヴォーン」のアルバム「テキサス・フラッド」をとり上げます。
■今日は何の日
いつも愛用しているタワレコ手帳。
1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されています。
8月27日のページには、こんな記載がありました。
【命日】スティーヴィー・レイ・ヴォーン(1990)
The Essential Stevie Ray Vaughan And Double Trouble
そうでしたか…。この人が亡くなった日だったんですね。
スティーヴィー・レイ・ヴォーン。伝説のブルース・ギタリスト。
享年35歳。あまりにも早過ぎる、そして突然の死でした。
今日は、そんなスティーヴィー・レイ・ヴォーンへのリスペクトをこめて、彼のアルバム「テキサス・フラッド」を紹介します。
■スティーヴィー・レイ・ヴォーン
スティーヴィー・レイ・ヴォーン。
1954年10月、テキサス州ダラスに生まれます。
ミュージシャンを夢見てオースティンに移ると、そこでジョニー・ウィンターの目に留まります。
ジョニーの支援も受けて、1980年代初めまでは地元テキサスを中心にライブ活動をこなしていました。
そんな彼に転機が訪れたのは1982年のこと。
モントルー・ジャズ・フェスティバルに出演した彼を見たデヴィッド・ボウイが、そのギターの腕前に衝撃を受けます。
翌年(1983年)、デヴィッド・ボウイのアルバム「レッツ・ダンス」に参加したスティーヴィーは、そこで独創的なギター・プレイを披露。
同曲が大ヒットしたことによって、スティーヴィーの名前も世界に知られるようになりました。
その余波をかって、同じ年(1983年)、「スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブル」名義でアルバム「テキサス・フラッド」をリリース。
このアルバムによって、彼が夢見たミュージシャンとしての成功を手にします。
その後も順調に音楽活動を続けていたスティーヴィーに悲劇が訪れたのは1990年のことでした。
その前年にアルバム「In Step」(1989年)でグラミー賞を獲得し、ジェフ・ベックと全米ツアーを行うなど乗りに乗っていたスティーヴィー。
1990年8月26日、ウィスコンシン州で行われたブルース・フェスティバルに出演。
ここではエリック・クラプトンやバディ・ガイ、ロバート・クレイらと共演を果たします。
ライブ終了後、スティーヴィーはヘリコプターでシカゴに向かいました。
しかし8月27日未明、そのヘリコプターが濃霧で視界を失って墜落。
スティーヴィー・レイ・ヴォーンは帰らぬ人となりました…。
享年35歳。天才ブルース・ギタリストのあまりにも早すぎる死でした。
■個人的なおススメ
そんなスティーヴィー・レイ・ヴォーンへの追悼とリスペクトの思いをこめて、彼のアルバム「テキサス・フラッド」から個人的なおススメを紹介します。
まずは1曲め「Love Struck Baby」。
なんともゴキゲンなサザン・ロックからアルバムはスタートします。
中盤のギター・ソロはスティーヴィーも楽しんで弾いている感じ。これはたまらない…。
続いて2曲め「Pride and Joy」。
ゴキゲンなロック・ナンバーに続いて、さらに南部の魂がこもったブルース・ロックへ。
この曲でスティーヴィーのギターは生命が宿ったように自在に弾みます。そりゃ、デヴィッド・ボウイも衝撃を受けるよな…。
そして10曲め「Lenny」。
アルバムのラストを飾るのは、しっとりとしたインストゥルメンタル・ナンバー。
叙情たっぷりにスティーヴィーのギターが唸ります、走ります、そして泣きます。
ボーカルはいらない。俺のギターを聴いて震えろ…。そんなプライドすら感じる名曲です。
この「テキサス・フラッド」の日本盤には、「ブルースの洪水」という副題が付けられました。
まさに、ブルース・ギタリストの才能が、洪水のようにあふれ出た名盤です。
あらためて、このような名盤を届けてくれたことに感謝します。
スティーヴィー・レイ・ヴォーン。天国でやすらかにお眠りください。
ありがとう、スティーヴィー・レイ・ヴォーン! ありがとう、テキサス・フラッド