デス・キャブ・フォー・キューティー「Transatlanticism」!繊細でメランコリックな音の世界へ

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、デス・キャブ・フォー・キューティー「Transatlanticism」!繊細でメランコリックな音の世界へ…です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■デス・キャブ・フォー・キューティー

デス・キャブ・フォー・キューティー(Death Cab for Cutie)。通称「デスキャブ」。
米ワシントン州ベリンガムで結成されたロックバンドです。

バンドの中心人物は、ボーカル&ギター、メインのソングライターであるベン・ギバート(Benjamin "Ben" Gibbard)。
もともとギバートのソロ・プロジェクトでしたが、レコード契約を機に正式なグループとなり、1998年にアルバム「Something About Airplanes」でデビューします。


Something About Airplanes

バンドの飛躍のきっかけとなったのが、2003年リリースの4thアルバム「Transatlanticism」でした。
このアルバムは遠距離恋愛をテーマにしたコンセプトアルバムで、ギバートの持つ繊細でメランコリックな作風の魅力が余すところなく発揮されました。
同アルバムの楽曲はTVシリーズや映画でも取り上げられ、商業的にも批評的にも成功することに繋がりました。

このアルバムの成功を受けて、バンドはメジャーレーベルのアトランティック・レコードと契約
メジャー初となるアルバム「Plans」(2005年)は、米ビルボートTOP5入りを果たす大躍進を遂げました。同アルバムは、2005年のグラミー賞最優秀オルタナティブ・アルバムにノミネートもされています。


Plans

さらに次のアルバム「Narrow Stairs」(2008年)で、ついに米ビルボート1位を獲得。
その後も「やさしいニッチ」(gentle niche)とも評される、独特でメランコリックな作品をつくり続け、2022年には10枚目となるアルバム「Asphalt Meadows」をリリースしています。

■Transatlanticism

今日は、そんなデス・キャブ・フォー・キューティーの作品の中から、2003年リリースの4thアルバム「Transatlanticism」を取り上げましょう。
先述のとおり、彼らのブレイクのきっかけとなったアルバム。遠距離恋愛をテーマにしたコンセプトアルバムです。


Transatlanticism

実は、このアルバムの前にバンドは一度、活動を休止しています。バンド内の関係悪化やツアーの疲弊などが背景にあったとされます。
それでも休止期間を設けたことで、アルバム制作のために再集結したときは、バンドの緊張関係は解けていました。ドラマー交代もプラスに働いたようです。

さらにアルバム制作に時間をかけたことで、ギバートを含めメンバー全員が楽曲制作に新鮮な気持ちで臨めたことが、このアルバムの完成度を上げました。
ギバートはこのアルバムをバンドのお気に入りのアルバムとして挙げています。そんなアルバム「Transatlanticism」から、個人的なおススメはこちら。

まずは1曲め、「The New Year」
アルバムの冒頭を飾るポップでメロディアスなナンバー。メロディもギバートのボーカルも美しいデスキャブらしい楽曲です。
曲調は爽やかでポップですが、歌詞の内容は憂鬱な新年のパーティーのことを中心に展開します。この辺りもデスキャブらしいというかギバートらしいというか…。
シングルカットもされたリードナンバー。デスキャブの飛躍の始まりを告げるオープニングナンバーです。

続いて3曲め、「Title and Registration」
特徴的なギターのリフから始まる、これまたデスキャブらしい繊細で難解なナンバー
"there's no blame for how our love did slowlu fade/ now that it's gone. It's like it wasn't there at all"
(僕らの愛がゆっくりと消えていったのに何の罪もない。それが無くなった今では、最初から存在しなかったみたいだ)※ふゆき訳
さまざまな楽器も使用されていて、アルバムセッションで試行錯誤しながらレコーディングしたことがはかり知れます。MVもなかなかひねりが効いています。

そして5曲め、「The Sound of Settling」
シングルカットもされたポップなナンバー。アルバムのなかでも際立つ明るい曲調。サビでは"Bop-ba,bop-ba"のかけ声が繰り返されます
でも、このアップテンポな曲調をギバートは気に入らなかったらしく、当初はアルバムに収録することを嫌がったそうです。
思い止まってくれてよかった…。さまざまな映画やTVシリーズにも採用されたバンドの飛躍につながったナンバーです。

いやぁ、すばらしいアルバムですね。デス・キャブ・フォー・キューティーのアルバム「Transatlanticism」
本国アメリカでは、同アルバムの20周年を記念したツアーが2023年から2024年にかけて行われ、全公演がソールドアウトしたのだとか。
人気の高さが知れますね。先般行われたrockin'on sonicでもデスキャブ節を披露。日本のファンも魅了しました。

ありがとう、デス・キャブ・フォー・キューティー! ありがとう、アルバム「Transatlanticism」!

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