こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、GLIM SPANKY(グリムスパンキー)の最新アルバム「BIZARRE CARNIVAL」を紹介します。
■GLIM SPANKY
GLIM SPANKY(グリムスパンキー)は、男女2人による日本の音楽ユニットです。
ほとんどの楽曲の作詞・作曲を担当し、ボーカルをとるのが、松尾レミ。
ギターと、一部作曲をつとめるのが、相棒の亀本寛貴。
同じ長野県の高校に通っていた2人が文化祭でバンドを結成。最初は4人編成でしたが、後に松尾と亀本の2人ユニットとなります。
2014年、1stミニアルバム「焦燥」でメジャーデビュー。
2015年に1stシングル「褒めろよ」、さらに1stアルバム「SUNRISE JOURNEY」をリリースすると、その音楽性が多方面から注目されます。
そして、2017年9月、3枚目となるフルアルバム「BIZARRE CARNIVAL」をリリースしました。
■まるでジャニス
聴けば分かるのですが、その音楽性は、きわめて洋楽的。
しかも60年代から70年代のロックの香りがぷんぷん漂います、
私がはじめて聴いたのも、某CMで流れていた、ジャニス・ジョップリンのカバー「MOVE OVER」でした。
MOVE OVER/GLIM SPANKY (MV)
本物かと間違うほど、松尾のボーカルが魅力的なこの曲。
「まるでジャニス」なハスキーボイスとパワフルな歌唱力に衝撃を受けたのが、彼らとの出会いでした。
基本的には、商業路線から一線を引いて、古き洋楽を基調とした独自の世界観が彼らの持ち味。
そんな彼らを一気に有名にしたのが、映画「ONE PIECE(ワンピース)FILM GOLD」の主題歌に抜擢された「怒りをくれよ」。
原作者の尾田栄一郎氏がお気に入りということで起用されたとのこと。
怒りをくれよ/GLIM SPANKY (MV)
■BIZARRE CARNIVAL
マニア受けするロックユニットから、ワンピースファンからも愛されるアーティストへ。
乗りに乗っている彼らが出したアルバムが、今回紹介する「BIZARRE CARNIVAL」です。
このアルバムには、正直驚かされました。
「怒りをくれよ」のようなノリのいい曲をもっと演れば、もっともっと売れるでしょう。
にもかかわらず、「そんなことには興味がない」と言わんばかりに、独自の世界観を深化させています。
もともとビートルズが大好きだという松尾の趣味が全開になったようなサイケデリックな世界。
多彩で摩訶不思議(BIZARRE)な音楽がひろがります。
GLIM SPANKY版「サージェント・ペパーズ」と言っていい、傑作アルバムが出来上がりました。
松尾によると、もともと今回のようなサイケミュージックを演りたかったけど、いきなりは受け容れられないので、1stと2ndは名刺代わりの作品をつくったのだとか。
今回、ついにやりたい放題にやってできたのがこのアルバムということです。
それでも、この趣味全開のアルバムを3枚目で出すって早くないか?もうちょい「怒りをくれよ」のような曲でファンを惹きつけてからでもよかったんじゃない?
…そんな心配を余所に、自分たちの芯はここにあると言わんばかりの、60年代を彷彿させるサイケでポップな、最高のロック・アルバムをつくり上げました。潔いなぁ、GLIM SPANKY…。
■個人的なオススメ
それでは、傑作アルバム「BIZARRE CARNIVAL」から、恒例の個人的なオススメを紹介します。
まずは2曲め、タイトル曲でもある「BIZARRE CARNIVAL」。
もう完全に松尾の趣味全開。幻想的なサイケデリック・ポップスです。
歌詞がこれまた独自の世界観で、この辺りもビートルズのサージェント・ペパーズを想起させます。
出だしからしてこんな感じ。
代理人のピクシー チケットを売って ダイヤモンドの坂くだって来る
騒ぎを聞いた吸血の紳士 喉を鳴らして窓から飛ぶ
ディンドン鐘たたき やてくる道化のカーニバル! ついてゆけ
まさに、ついていきたくなる名曲です!
次に1曲め、「THE WALL」。
これも60年代洋楽テイストたっぷりのロックナンバー。
印象的なギターのリフに激しいドラム。その隙間を埋めるかようなエレクトーンの音が印象的。
THE WALL/GLIM SPANKY (LIVE MV)
そして9曲め、「美しい棘」。
このアルバムの前にリリースされたミニアルバム「アイスタンドアローン」にも収録されていたサイケ・ナンバー。
懐かしくも優しいメロディ。サビを高らかに歌い上げる松尾のハスキーボイスに魂を揺さぶられます。
その他にも、力強いロックナンバー「アイスタンドアローン」など、まだまだオススメはいっぱい。
3枚目にして、趣味全開の傑作アルバムをつくり上げたGLIM SPANKY。
これからのさらなる進化が楽しみな音楽ユニットです。
ありがとう、GLIM SPANKY!ありがとう、サイケデリア!