こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されているタワレコ手帳(現在は製造中止…)。
2月10日の頁には、こんな出来事が記されていました。
【出来事】ヴァン・ヘイレン、ファースト・アルバム「Van Halen(邦題:炎の導火線)」をリリース(1978)
米ハードロック史に強烈にその名を刻むバンド、ヴァン・ヘイレン(Van Halen)。
2月10日は、そのデビューアルバムがリリースされた日でした。
今日の夢中は、ヴァン・ヘイレンのデビューを記念して、1978年2月10日にリリースされた「Van Halen(邦題:炎の導火線)」を取り上げます。
■ヴァン・ヘイレン
エディ・ヴァン・ヘイレン死去…。
その報は、世界のロック・ファンを深い悲しみに包みました。
ロックバンド「ヴァン・ヘイレン」のギタリストにして、革新的なギター奏法でロック界を驚愕させたエディ・ヴァン・ヘイレン。
そのギター奏法は、「ライトハンド奏法」と呼ばれる、右手の指で弦を叩きつけるようにして音を奏でるタッピング奏法です。
その神業のようなギター・テクが披露されたのが、ヴァン・ヘイレンのファースト・アルバム「Van Halen(邦題:炎の導火線)」(1978年)でした。
特に2曲めのインストゥルメンタル「Eruption」は、エディが個人練習で弾いていたフレーズを、プロデューサーがたまたま耳にしてレコーディングすることになった曲。鳥肌ものです…。
この曲を含めて、レコーディングはスタジオライブに近く、ほぼ全曲一発録りだったといいます。
ほとばしるパッション、ど迫力の演奏、そしてエディの神業ライトハンド奏法…。どれもこれも圧巻です。
このアルバムによって、ヴァン・ヘイレンの名は広く世界に知れ渡りました。
世界のギターキッズはこぞって、エディのライトハンド奏法を真似しようとしました。当時はyoutubeも無かったから、音楽雑誌などで情報を得ながら練習したみたいですね。
もちろん、プロのミュージシャンの中でもエディ信奉者は多いです。
Weezerのリヴァース・クオモなどもヴァン・ヘイレンのファンを公言していて、リスペクトを込めた「Van Weezer」というアルバムをリリースしています。
そうしたファンたちにエディの訃報が届いたのは2020年10月のことでした。
エディは、圧巻のギター・テクはもちろん、いつも満面の明るい笑顔で、私たちロックファンを元気づけてくれました…。
ありがとう、エディ…。
今日は、エディへの感謝の思いを込めて、ヴァン・ヘイレンの伝説のはじまり「Van Halen(邦題:炎の導火線)」を聴きたいと思います。
エヴリバディ・ウォンツ・エディ! ! エディ・ヴァン・ヘイレンに捧ぐ
■個人的なおススメ
それでは、ヴァン・ヘイレンのファースト・アルバム「Van Halen(邦題:炎の導火線)」から、個人的なおススメです。
まずは1曲め、「Runnin' With The Devil」。
ヴァン・ヘイレンの伝説はこの曲から始まりました。ファースト・アルバムの冒頭を飾るロック・ナンバーです。
重めのベースに、重めのギターリフ。そこに、デイヴの伸びやかなボーカルと美しいコーラスが重なって曲の印象が一変します。
そこに挟み込まれるエディのギターソロ…。束縛から解き放たれたようなギターの音色が聴く者を揺さぶります。ありがとう、エディ。
続いて3曲め、「You Really Got Me」。
2曲めのインストゥルメンタル「Eruption」で、ひとしきりエディのライトハンド奏法を堪能した後、この曲「You Really Got Me」の印象的なギターリフが響きます。
この流れ、好きだなぁ…。キンクスの楽曲のカバーですが、まるでヴァン・ヘイレンのオリジナルのように自分たちのものにしています。
ここでも、やっぱりエディのギターが際立っています。ここまで自由自在にハードロック色に染めてくれたら、本家キンクスもにんまりしたことでしょう。
そして6曲め、「Jamie's Cryin'」。
こんな粘っこい楽曲も演れるんだなぁって、彼らの奥深さを感じるナンバーです。
このアルバムでは、ブルース歌手の楽曲もカバー(10曲め「Ice Cream Man」)していて、ハードロック一辺倒のバンドじゃないんですよね。
デビュー前はZZトップの楽曲も演奏していたというから、そうした嗜好もあるんでしょう。この「Jamie's Cryin'」も米南部のテイストをとり込んだナンバー、エディの粘っこいギターも堪能できます。
いやぁ、ヴァン・ヘイレンはいつ聴いてもいいですね。元気になれます。
これがほぼ一発録りというから驚き。でも、音を重ねて作り込むよりも、ライブ感あふれる音のほうが、彼ららしいし、ヴァン・ヘイレンの魅力はそこにあるような気がします。
ありがとう、ヴァン・ヘイレン。
ありがとう、エディ。安らかにお眠りください。