こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、ジーン「オリンピアン」!スローに始まり熱く昂る…ジーン節に揺れろ…です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■ジーン
今日とり上げるバンドは、英ロンドン出身のロックバンド「ジーン」(Gene)です。
1990年代、本国イギリスを中心に熱烈なファンを獲得し人気を集めました。
その音楽の特徴は、ボーカルのマーティン・ロシター(Martin Rossiter)の粘っこいボーカルと抒情的なスタイルにありました。
そのスタイルがモリッシーと似ていたので、バンドはザ・スミスと比較されることがよくありました。
確かにその音楽はスミスの影響を感じられるものですが、ジャムなどモッズバンドの影響も受けており、より力強いギターサウンドが奏でられます。
バンドは1994年、シングル「フォー・ザ・デッド」(For the Dead)を発表しデビュー。これが音楽誌NMEの今週のシングルに選出されるなど、一躍注目を集めました。
さらにバンドの人気に火を付けたのは、彼らのライブパフォーマンスでした。
パルプのサポートアクトとして登場したライブで、パルプを食うような熱いライブ演奏を披露。その後、自身のUKヘッドライナー・ツアーを成功させました。
そして1995年、待望のデビューアルバム「オリンピアン」(Olympian)がリリースされます。
これが全英8位の大ヒットアルバムに。さらに同年のレディング・フェスティバルではヘッドライナーを務め、世界ツアーも実現しました。
ジーンは、インディーズ・バンドからメジャー・ロック・バンドに名実ともに飛躍を遂げたのです。
■個人的なおススメ
それでは、ジーンの1stアルバム「オリンピアン」から、個人的なおススメです。
まずは1曲め、「Haunted by You」。
印象的なギターリフから始まるロック・ナンバー。力強くメロディアスなギターもジーンの魅力です。
そしてやっぱり大きな魅力になっているのは、マーティン・ロシターの抒情的なボーカル。途中からオクターブ高めに歌い上げるところがたまらない…。
のっけからジーンの世界にグイグイと引き込むオープニング・ナンバーです。
続いて9曲め、「Sleep Well Tonight」。
これぞジーン節というべきナンバー。まるで弾き語りのようにスローに始まると、途中からエレキギターがかき鳴らされロック調に一転します。
マーティンの歌い方も曲調に合わせて、やさしく激しく自在に変わっていきます。特に終盤の「Sleep Well Tonight」のシャウトは鳥肌ものです。
これをライブで聴いたら魂が揺れますよね…。ジーンがライブバンドとして評価されるのも納得のナンバーです。
そして10曲め、「Olympian」。
「Sleep Well Tonight」と同じく、これぞジーン節という名曲。歌の前半は、ピアノとアコギとともにやさしくスローに…。
それが2分半を超えた辺りから、メロディの盛り上がりとともに一気にボルテージが上がります。マーティンのボーカルが、昂るサウンドに乗り移ったかのように熱くほとばしります。
このジーン節にハマったひとは多いはず…。ジーンの魅力さく裂のメロディアスで熱く昂るナンバーです。
■その後のジーン
その後のジーンですが、1997年に2ndアルバム「Drawn To The Deep End」をリリース。
こちらも全英8位の大ヒットを記録、ジーンの衰えぬ人気の高さを証明します。またこの時期、フル・オーケストラを従えた単独公演も成功させています。
振り返って見れば、このときが人気の絶頂期でした。その後、ブリットポップ・ムーブメントの衰退とともに、ジーンもその人気に陰りが見えてきます。
1999年リリースした3rdアルバム「Revelations」は商業的にふるわず…。所属していたメジャー・レーベルからも契約を打ち切られます。
それでも精力的にライブ活動を続け、2000年にはライブアルバム「Rising For Sunset」をリリース。
さらに2001年に4thアルバム「Libertine」をリリースしますが、セールス挽回には至らず、バンドは2004年に解散となりました。
メンバーはそれぞれ音楽活動を続けているようです。
フロントマンのマーティンもソロとして活動、2012年にアルバムをリリースしてライブツアーも行っています。
が、しかし…。そのマーティンが2021年11月、ジーンを含めたキャリアを総括するフェアウェル・コンサート(farewell show)を英ロンドンで開催しました。
フェアウェル・コンサートということは、もう引退ということ?ジーン復活は難しいのでしょうか…。
それでもファンとしてはこれからも期待したい。もう一度、ジーンの熱く昂るステージを…。
マーティン、カムバック・コンサートをやってくれないかな…。その日を期待して、ジーンの名盤を聴き続けたいと思います。
ありがとう、ジーン! ありがとう、「オリンピアン」!