ブライアン・ウィルソン「スマイル」!37年を経て届けられた珠玉のポップソング集

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、ブライアン・ウィルソン「スマイル」!37年を経て届けられた珠玉のポップソング集です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■今日は何の日

1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されているタワレコ手帳(現在は製造中止…)。
6月20日の頁には、こんな出来事が記されていました。

【誕生日】ブライアン・ウィルソン(1942)

ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)。
稀代のメロディメイカー、類まれなる才能を持ったミュージシャン。どれほどの賛辞も彼の評価として過大なものはありません。

ビーチ・ボーイズのリーダーにしてボーカル、ベースを担当。ほとんどの楽曲の作曲を手がけました。
数々の名曲を世に送り出したブライアン。特に音楽史に残る傑作と評されるのが、1966年リリースのアルバム「ペット・サウンズ」(Pet Sounds)です。


ペット・サウンズ/ビーチ・ボーイズ

同アルバムで、ブライアンは当時としては珍しいコンセプトアルバム制作に取り組みました。
音楽的にも高度なコーラス・アレンジや多重録音による実験的な手法を取り入れ、唯一無二のサウンドをつくり上げました。

ブライアンは次のアルバム「スマイル」(Smile)制作に入りますが、完璧なものを作ろうというプレッシャーから精神状態が悪化。
「スマイル」は制作半ばで中止となります。以降、ブライアンはビーチ・ボーイズの楽曲制作やレコーディングから距離を置くようになりました。


Smile: The Story of Brian Wilson's Lost Masterpiece (English Edition)

そんな幻のアルバム「スマイル」ですが、37年もの時を経て、音楽シーンに届けられることになります。
ソロとしてライブ活動を再開したブライアンは、2000年から2002年にかけて「ペットサウンズ」の全曲演奏ライブを行い、大きな評判を呼びました。

これを受けて、次は「スマイル」再現ライブという期待の声が高まります。周囲の励ましもあって、ブライアンは「スマイル」生演奏に同意しました。
そして2004年2月20日、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールでライブ公演「ブライアン・ウィルソン・プレゼンツ・スマイル」を開催します。

これが、10分ものスタンディング・オベーションを受ける歴史的なライブに…。これにより「スマイル」の呪縛から解かれたブライアンは、アルバム制作にも着手します。
そして同年リリースされたのが、ブライアン・ウィルソンのソロ・アルバム「スマイル」(Brian Wilson Presents Smile)でした。


スマイル/ブライアン・ウィルソン

■個人的なおススメ

今日は、ブライアン・ウィルソンの誕生日ということで、「スマイル」を聴いてお祝いしましょう。
37年の時を経て新たにレコーディングされた幻のアルバム「スマイル」。その中から、個人的なおススメはこちら。

まずは1曲め、「Our Player / Gee」
冒頭を飾る美しいナンバー。讃美歌のようなアカペラ「Our Player」とポップなドゥーワップ「Gee」とのメドレーです。
なんて美しいコーラスなのでしょうか…。楽器なし歌詞なしですが、このコーラスだけでサウンドの深みが半端ありません。
オリジナルの「スマイル」がとん挫した後、ビーチボーイズのアルバム「20/20」で再録音されましたが、やはり「スマイル」のオープニングに相応しい。名曲です。

続いて2曲め、「Heroes and Villains」
ブライアンとヴァン・ダイク・パークスの共作。パークスは、オリジナル「スマイル」も本ソロ「スマイル」にも関わっています。
ポップで楽しげなナンバーですが、コーラスも音のつくりも凝りに凝っています。ブライアンは少なくとも10数のバージョンを実験したのだとか。
そのためオリジナル「スマイル」セッションの多くを割いたといういわく付きの楽曲。でも、出来上がった楽曲を聴くと、そのこだわりも納得の名曲に仕上がっています。

そして6曲め、「Cabin Essence」
こちらもブライアンとパークスの共作。歌詞は鉄道の到来を題材にしています。音の造りもバンジョーなどが効果的に使われ雰囲気を盛り上げます。
ブライアンは、「ロックンロール・ワルツ」をつくろうとしたと語っています。この時期の彼は、才能があふれ出していたのでしょうね…。
サウンド構成も何度も転調を繰り返す複雑なもの。それに重ねる楽器もコーラスも多彩です。こうした楽曲をよくぞ復活してくれた。ありがとう、ブライアン!


今日の夢中は、37年ぶりに新たにレコーディングされた幻のアルバム「スマイル」(Smile)。名盤です。
この凝りに凝った作品を生み出した才人、ブライアン・ウィルソン。2024年6月20日で御年82歳!おめでとうございます。

いつまでも元気に、笑顔(Smile)で、凝りに凝った音楽作品をつくり続けてください。
ありがとう、ブライアン・ウィルソン! ありがとう、スマイル!

ブログランキングに参加しています!

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事