ジーザス&メリー・チェイン「Stoned & Dethroned」!轟音の先に辿り着いたアコースティックなメロディ

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、ジーザス&メリー・チェイン「Stoned & Dethroned」!轟音の先に辿り着いたアコースティックなメロディです。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■Stoned & Dethroned

フィードバック・ノイズと轟音ギター…。
それが、ジーザス&メリー・チェイン(The Jesus and Mary Chain/通称「JAMC」)に多くの人が抱くイメージかもしれません。

しかし、1994年にリリースされた彼らの5thアルバム「ストーンド・アンド・ディスローンド」(Stoned & Dethroned)は、そのイメージを覆します。
この作品でかき鳴らされるのは、むき出しのアコースティック・ギター。それによって、ジム&ウィリアム・リード兄弟のメロディセンスもまた、むき出しとなりました。


Stoned & Dethroned

このアルバムでは、これまでノイズのベールに隠されていた彼らの「歌」が、最も純粋な形で私たちに語りかけてきます。
中心となるのは、アコースティック・ギターを基調とした、フォーク、カントリー、そしてブルースの影響を感じさせるサウンドです。

それまでの彼らの作品とは異なる音の世界が広がるので、はじめは戸惑うひとも多いでしょう。
ただ、彼ら特有のダークで退廃的なメロディや、どこか気だるいリード兄弟のヴォーカルといったバンドの持ち味は変わらず。

むしろ、そうした従来のJAMCサウンドが、カントリーやブルースと交錯して、新たな音の世界を現示しているのが、このアルバムの特徴です。
制作当時のバンドを取り巻く環境の変化や、リード兄弟が音楽のルーツへ立ち返ろうとした意識が、この飾らない魂の音楽を生み出しました。

■個人的なおススメ

それでは、そんなジーザス&メリー・チェインのアルバム「ストーンド・アンド・ディスローンド」から、個人的なおススメです。

まずは1曲目、「ダーティー・ウォーター」(Dirty Water)
アルバムの世界観をオープニングから知らしめる、カントリーやルーツ・ミュージックの影響が色濃く出たナンバー。
そこにはフィードバック・ノイズも轟音ギターもありません。どこまでも泥臭いサウンドが、アコースティック・ギターやハーモニカとともに奏でられます。
ジョニー・キャッシュやボブ・ディランが歌っててもおかしくない。古き良きアメリカのフォーク・ブルースをJAMC流にアレンジしたような泥臭いナンバーです。

続いて3曲目、「サムタイムズ・オールウェイズ」(Sometimes Always)
アルバムのハイライトを成す楽曲で、1stシングルとしてリリースされると、全英22位、米オルタナ・チャートで4位を記録しました。
マジー・スターのホープ・サンドヴァルがゲスト・ボーカルで参加。ホープの哀愁ある美しい声と、ジム・リードの退廃的な歌声が絡み合う究極のデュエット曲です。
前作で轟音ギターをかき鳴らしたバンドとは思えない、軽快でアコースティックなポップナンバー。リード兄弟のメロディセンスを実感できる楽曲です。

そして4曲目、「カム・オン」(Come On)
「サムタイムズ・オールウェイズ」に続いてシングルカットされた楽曲。ただ前曲とは異なり、退廃的なムードがたっぷりと流れています。
サウンドのほうも、アコースティックな編成でありながらも、途中から不穏なエレキ・ギターのサウンドが挿入、高揚感のあるロックナンバーへと趣を変えます。
「さあ、来いよ」という歌詞も挑戦的。ノイズを抑えても、その根底にある攻撃的なロックの精神が失われていないことがわかります。


「ストーンド・アンド・ディスローンド」は、単なるジーザス&メリー・チェインの異色作ではありません。
彼らがノイズのベールを取り去り、自らのルーツ・ミュージックに向き合った、誠実で勇敢な作品です。

これまでJAMCのノイズが苦手だったという人、または「サイコキャンディ」しか知らないという人にこそ、ぜひ聴いてほしい一枚です。
今日の夢中は、ジーザス&メリー・チェイン「Stoned & Dethroned」!轟音の先に辿り着いたアコースティックなメロディでした。

ありがとう、ジーザス&メリー・チェイン! ありがとう、「ストーンド・アンド・ディスローンド」!

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