こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、再結成した英ロックバンド・ライドのニュー・アルバム「ウェザー・ダイアリーズ」です。
■ライド
ライドは、1988年に英オックスフォードで結成されました。
バンドの中心人物は、マーク・ガードナーとアンディ・ベル。2人のツインギターとツインボーカルがこのバンドの魅力です。
ちなみに、アンディ・ベルは、ライド解散後、ハリケーン#1というバンドを経て、オアシスにベーシストとして加入しました。
1990年、鮮烈なシングル「チェルシー・ガール」を含むEP「RIDE EP」(通称「赤ライド」)でデビュー。
その音の特徴は、轟音ツインギターと、それと相反するような優しい歌声です。
続く2ndEP「PLAY EP」(通称「黄ライド」)でも、代表曲となる「ライク・ア・デイドリーム」をはじめ、その特徴を存分に発揮して注目を浴びました。
チェルシー・ガール
同年10月に1stアルバム「ノーホエア」、1992年に2ndアルバム「ゴーイング・ブランク・アゲイン」をリリース。
ノイジーなサウンドからアコースティックへも音楽の幅を広げ、さらに人気を上げました。
その後もバンドは、アルバムのリリースとライブ活動を行ないますが、バンドは次第に結束を失っていきます。
バンドの中心、マークとアンディの軋轢が原因とされますが、1996年、4thアルバム「タランチュラ」をもって解散。
90年代の英音楽シーンに強烈な印象を残して、バンドは終焉を迎えました。
解散後、メンバーはそれぞれソロ活動等にまい進。先に述べたとおり、アンディは、オアシスのベーシストとして活躍しています。
バンドの再結成についてはアンディがきっぱりと否定していましたが、その後の長い時の流れが、バンドのわだかまりを解消していったのでしょう。
解散から20年を迎えようとする2014年、再結成が発表。ライブツアーも行なわれました。
2015年には来日して、フジロックフェスティバルで元気な姿を見せてくれました。
■アルバム「ウェザー・ダイアリーズ」
そして2017年、待望のアルバム「ウェザー・ダイアリーズ」がリリースされました。
スケール大きくなったなぁ、ライド…。
解散から21年の時を経て届けられた新生ライドの音は、大物アーティスト然とした落ち着いた音でした。
デビュー当時の轟音ギターは封印。ツインギターとツインボーカルの魅力はそのままに、「轟音ライド」から「熟成ライド」に進化しました。
幻想的な弦の響きが錯綜する、メロディ重視の音楽を奏でています。サイケデリックな味付けも、今の彼らにマッチしていて、聴く者を熟成ライドの世界へ誘います。
■個人的なオススメ
それでは、恒例の(?)、個人的なオススメを紹介します。
まずは、2曲め「チャーム・アソールト」。
力強いドラムから煌びやかなギターへ。さらに、サビで激しくタテノリのロックにつなげます。
若かりしライドを思い出させる、エネルギッシュな曲です。
5曲め「ウェザー・ダイアリーズ」。
アルバムのタイトルにもなった、熟成ライドの世界観を堪能できる曲。
後半は楽器の音のみのインストゥルメンタル。美しいギターの奏でのなかで、嵐のようなギターがかき鳴らされます。彼らの持ち味のギターの音色を存分に楽しめる叙情詩です。
8曲め「カリ」。
アップテンポなポップナンバー。マークの甘い歌声からアンディのソリッドな歌声へのつながりもいい。
仲直りしたんだね。2人のボーカル・リレーを含め、ライブで聴きたい一曲です。
ありがとう、ライド! 祝・再結成!