こんにちは。夢中図書館へようこそ！
館長のふゆきです。
今日の夢中は、J・マスシス「What Do We Do Now」！アコースティックと轟音ギター共鳴の果て…です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■J・マスシス
ダイナソーJr.のJ・マスシスがソロ・アルバム「What Do We Do Now」をリリースしました。
ソロとしては5年ぶり4作目。間にダイナソーJr.のアルバム「Sweep It Into Space」があるので、そこからは約3年ぶりとなります。
ダイナソーJr.は、米オルタナティブ・ロックバンドの雄。
90年代グランジロックが席巻するなかで、轟音ギターとメロウなメロディでカルト的な人気を博しました。
バンドはメンバーの不仲などにより1997年に解散しますが、その後2005年に再結成。
バンド活動と並行してマスシスはソロ活動も行っています。2011年に初ソロとなる「Several Shades of Why」をリリース、その後「Tied to a Star」（2014年）、「Elastic Days」（2018年）と3作リリースしてきました。
そして2024年2月にリリースされたのが、ソロとしては4作目、前作からは約5年ぶりとなる新作、「What Do We Do Now」です。
ソロでは毎作ファンタジックなイラストをジャケットに採用してきたマスシス。今回は、なんとも可愛らしいラッコのイラストです。
ただ音の方は、そんな可愛らしいものではありません。一聴するとアコースティック・ギターのきらやかな音に引き込まれますが…。
その後にやって来るのは、ダイナソーJr.でもかき鳴らされる轟音ギター。その急転する音の世界に、リスナーは心の準備もないままに連れていかれるのです。
まるでロック版「ジキル博士とハイド氏」のように、美しいメロディとノイジーサウンドが1曲のなかに共存します。
そして、聴くほどにリスナーはマスシスの音の世界にどっぷり没入していきます。またやってくれましたね、J・マスシスは。
■個人的なおススメ
それでは、そんなJ・マスシスのアルバム「What Do We Do Now」から、個人的なおススメです。
まずは1曲め、「Can't Believe We're Here」。
これぞ本作を象徴するようなナンバー。アコースティックと轟音ギターの協演をたっぷりと堪能できます。
幕開けは美しいアコースティック・ギターの音色。メロディもやさしく響きます。しかし中盤、突如嵐が訪れます。
かき鳴らされる轟音ギター…。この二面性が共存する世界観は聴くほどにハマります。アルバムからの1stシングルです。
続いて3曲め、「Right Behind You」。
こちらもアコースティック調のやさしいメロディで始まるポップ・ナンバー。
それでも一筋縄でいかないのはマスシス楽曲では既定路線。マスシスの鼻にかかったようなボーカルが耳になじんできた中盤…。
天を切り裂くようなエレキギターが鳴り響きます。これにはラッコたちもびっくりでしょう。マスシス流のポップロックです。
そして6曲め、「Old Friends」。
この曲もマスシスしか作り得ないサウンド。のっけからアコギとエレキの協演、中盤にメロディラインをなぞるようなアコギの音色に引き込まれます。
そして終盤にやって来るのが激しいエレキのギターソロ。ここに畳み掛けるようにドラムが重なります。
ドラムもギターもマスシスが演奏。多才なんですよね、この人は。ちょっと頼りなげなマスシスの歌声も不思議にマッチするパワーポップです。
これはすっかりハマってしました…。驚くほど、アコースティックの美しい音色とエレキギターの轟音がマッチします。
この不思議な協奏の魅力は、J・マスシスの創り出す独特なメロディとサウンドの世界観だからなせるものでしょう。
今日の夢中は、J・マスシスの新譜「What Do We Do Now」。アコースティックと轟音ギターが奏でるマスシスの音の世界をぜひ体感してください。
ありがとう、J・マスシス！ ありがとう、「What Do We Do Now」！
