10/7はトム・ヨークの誕生日。レディオヘッドの名盤「ザ・ベンズ」を聴こう

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されているタワレコ手帳。
10月7日は、この人の誕生日でした。

【誕生日】トム・ヨーク(レディオヘッド:1968)

英バンド「レディオヘッド」のフロントマン、トム・ヨーク。2021年10月7日で、祝!53歳。
今日の夢中は、そんな彼の誕生日を記念して、レディオヘッド初期の名盤「ザ・ベンズ」をとり上げます。

■今日は何の日

トム・ヨークは、1968年10月7日生まれのイギリス人ミュージシャン。
英バンド「レディオヘッド」のフロントマンにして、絶対無二の異彩を放つ鬼才です。

その名が知れることになったのは、1993年にリリースされた1stアルバム「パブロ・ハニー」
ここに収録されていたシングル「クリープ」が若者から強い支持を受け、期待の新人として注目を集めます。


パブロ・ハニー

その人気を不動のものにしたのが、続く2ndアルバム「ザ・ベンズ」(1995年)でした。
初期の特徴であるグランジーなギター・サウンドやメロディアスなナンバーで、音楽シーンを席巻。

この辺りから、トムの奇才ぶりが発揮されていきます。
ロック以外の様々な音楽的要素を実験的に組み込んだ3rdアルバム「OKコンピューター」(1997年)をリリース。


OKコンピューター

さらに、エレクトロニカや現代音楽に大きく傾倒したアルバム「キッドA」(2000年)、スウィング・ジャズなどの要素を大胆に取り入れた「アムニージアック」など、次々と問題作をリリース。
既存のロック・バンドの範疇では収まらない音楽性と活動で、トム・ヨークとレディオヘッドは絶対無二の異彩を放ち続けています。

■ザ・ベンズ

今日とり上げるのは、そんなレディオヘッドの初期の名盤「ザ・ベンズ」です。
前述の通り、1995年にリリースされた2ndアルバム。彼らの人気を不動のものにした傑作アルバムです。


ザ・ベンズ

個人的に、最初にハマったアルバムで、彼らの作品の中でも大好きなアルバム。
レディオヘッドの作品の中でも、最も生身のバンド・サウンドを発散しているアルバムじゃないでしょうか。

「ジャスト」でかき鳴らされるノイジーなギター・サウンドや、「ザ・ベンズ」で弾き出されるソリッドなギター・リフ
後にエレクトロニカやアンビエントなミュージックに傾倒していく彼らですが、この頃はギターを前面に出したバンド・サウンドが大きな魅力になっています。


High and Dry / Planet Telex

もう一つの魅力が、「ハイ・アンド・ドライ」に代表されるメロディアスなアコースティック・ナンバー
これが、ハードなギター・ナンバーのなかに挟み込まれ、反則級に美しく響きます。トムのメロディメイカーとしての才能がよく分かりますね。

「静」と「動」が共存していて、互いが互いの魅力を引き出しているんですよね。
だから飽きない…。何度も何度も聴き入っちゃう。後のアルバムにもつながる中毒性の高いサウンド、その原型をここで聴くことができます。

■個人的なおススメ

それでは、レディオヘッドの初期の名盤「ザ・ベンズ」から、個人的なおススメです。

まずは、3曲め「ハイ・アンド・ドライ」
レディオヘッドを代表する名曲。美しいアコースティック・ギターと美しいメロディ・ラインが紡ぎ出すメロウなナンバーです。
トムが大学生時代に書いた楽曲。1993年に録音してお蔵入りになっていた曲をプロデューサーらが発掘、リミックスして蘇らせました。奇跡の名曲です。

続いて、7曲め「ジャスト」
初期の彼らの魅力である、ノイジーなギター・ロックを堪能できるナンバーです。
トムのボーカルに絡みつくようなエレキ・ギターのサウンドや中盤のギター・ソロなど、さまざまなギターの音色を聴けます。ギター・ロック・バンドなんだよね、この頃の彼らは。

そして、8曲め「マイ・アイアン・ラング」
ロンドンでのライブ音源をベースに、ヴォーカルを録り直して完成された楽曲。ライブの熱量がほとばしるようなロック・ナンバーです。
ちなみに「アイアン・ラング」とは「鉄の肺」の意味。前作のヒット・ナンバー「クリープ」(虫が這うようなウジウジしたやつ)への風刺となっています。注:ふゆき訳。

…という、レディオヘッドの初期の名盤「ザ・ベンズ」。
アルバムタイトルの「ザ・ベンズ」は、ダイバーが水面への急浮上によってかかる病気(減圧症)のこと。
ジャケット写真は救命訓練用の人形で、トムがその恍惚な表情を気に入って採用しました。

そして、このアルバムでレディオヘッドにハマった人は、やがてトムがつくり出すサウンドが聴きたくなる病気にかかっていくのです…。
誕生日おめでとう、トム・ヨーク。これからも、呼吸を欲するほど狂おしいサウンドを紡ぎ出してください。

ありがとう、トム・ヨーク! ありがとう、レディオヘッド「ザ・ベンズ」!

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