こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
日本最大級の野外ロックイベント「フジロックフェスティバル2024」が新潟苗場で開催されました。
会期は7月26日から3日間。その最終日となる7月28日に会場の苗場スキー場に行ってきました。今日は、そのライブレポートを綴ります。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■フジロック2024
夏フェスの草分け「フジロックフェスティバル」。苗場での開催は25回目という節目のフジロック2024に行ってきました。
今回参加したのは、会期3日間のなかの最終日の7月28日。小雨がちらつく中でしたが、激アツのライブを堪能できました。
はじめに向かったのは、複数あるステージのなかで最大、メイン会場となる「GREEN STAGE」(グリーン・ステージ)。
このステージにこの日最初に登場したのが台湾のロックバンド「NO PARTY FOR CAO DONG」でした。
事前情報まったく無しで観戦しましたが、これが圧巻のライブパフォーマンス。グランジやポストハードコアの流れを汲むど迫力のギターロックを披露。
台湾からも多くのファンが詰めかけていたみたい。ロックのボーダレスを象徴するような中国語ロックで大いに会場を沸かせました。
続いて向かったのは、小雨のなかでは有難い、屋根のあるステージ「RED MARQUEE」(レッド・マーキー)。
ここで、海外のロックフェスで注目の新人バンド「US」(アス)のステージを観戦。フィンランド出身の5人組です。
これまた圧巻のステージでした…。ほとばしるロック魂というのでしょうか、直近リリースのニューアルバムは1日で録音したという勢いそのまま、どストレートなロックサウンドで会場を魅了しました。
どことなく懐かしい感じがするのは、ハーモニカを効果的に取り入れたブルース風ロックにあるのでしょう。ハーモニカを吹くPan Hirvonenが踊りまくってたのが印象的でした。
そして「RED MARQUEE」の次のステージに登場したのは、11年ぶりに復活を遂げたロックパーティー「WEEKEND LOVERS」。
かつてチバユウスケ(ROSSO)と中村達也(LOSALIOS)が主宰したジョイントライブ「WEEKEND LOVERS」がフジロックに降臨…。
開演前、会場に流れるのは、惜しくも2023年11月にこの世を去ったチバユウスケの歌声…「WEEKEND LOVERS」のテーマ曲。会場が異様な空気に包まれます。
ライブは、中村達也のLOSALIOSの熱いステージからチバユウスケのThe Birthdayの渾身のステージへ…。故チバを思う気持ちは残されたメンバーもオーディエンスも同じ。会場にはちらほら涙を浮かべるひとも。そんな会場の思いが一つになった凄まじいほどのロックサウンドが会場を揺らしました。
■ジザメリ、フォンテインズ、GLIM
次に向かったのは、森林のなかを歩いた先に広がる白いステージ「WHITE STAGE」(ホワイト・ステージ)。
このステージに降臨したのは、UKロックの重鎮「ジーザス&メリー・チェイン」。久しぶりの来日ライブを観たい…今回苗場を訪れた理由の一つです。
ゆらりとステージに登場すると、ベテランバンドとは思えない不穏でキレ味鋭いサウンドを響かせます。新譜の楽曲から中期のヒット曲、さらには1stアルバムの「Just Like Honey」まで…。
圧巻はラストの「Reverence」。延々と続くかのような前奏のノイズギターと重いベースライン、そしてヤバい歌詞と歌声「I wanna die just like Jesus Christ…」。ダークでハードで超クール…。唯一無二のジザメリ・サウンドをたっぷり堪能できました。
再び森林のなかを歩いて戻って「RED MARQUEE」へ。会場が広いので移動距離が長い…結構足に来ます。
それでもライブで観たかったのが、2019年デビューのロックバンド「フォンテインズD.C.」。アイルランド出身のバンドです。
音楽専門誌の受けは非常に高い彼ら…実際のライブはどうなのかなと思っていたら、これが想像以上に熱量高いライブ・ステージでした。
何よりも演奏がソリッドで上手い。しかも驚いたのが、ボーカルのGrian Chattenのパフォーマンス。ロックのカリスマが降臨したかのようなオーラを放っていました。これは、近々にリリースされる新譜が楽しみです。
さらに森のなかの長い道を歩いて、丘陵部につくられたピースフルなステージ「GYPSY AVALON」へ。
目的は、大好きな日本のロックバンド「GLIM SPANKY」のステージを観るため。この日は、アコースティック3人編成の特別ライブ。
すっかり暗くなった苗場のステージに、GLIMのアコースティック・サウンドがしっとりと染み渡っていきます。
新譜から「真昼の幽霊」「Summer Letter」、そして故郷長野の山々を思い描いて作ったという「光の車輪」。松尾の歌声が苗場の山々にやさしく響き渡りました。初期の名曲「大人になったら」も路上ライブを聴いてるみたい…贅沢なひとときでした。
■RIDE、ノエル
そして足早に再び森のなかを抜けて(もうへとへと…)、「RED MARQUEE」へ。
これまた今回苗場を訪れた理由の一つ、UKのロックバンド「RIDE」(ライド)のステージを観戦です。彼らのデビュー当時から追っかけてるからファン歴はもう30数年…。
一時はマークとアンディの仲違いから解散しましたが再結成。その2人がツインボーカル&ツインギターを奏でます。新作から「Monaco」、2ndアルバムから「Leave Them All Behind」…。胸アツです。
初期の轟音ギターバンドからサイケデリックなシューゲイザー・サウンドへ。苦難を経ながらも成長した彼らだから醸しだせる陶酔感高いライドの音世界。ラストにデビュー曲「Chelsea Girl」を演奏。ライド・ファンにはたまらない至福の1時間でした。
いよいよフジロック2024も終幕へ…。多くの観客が詰めかける「GREEN STAGE」へと向かいます。
ヘッドライナーとして登場したのは、ノエル・ギャラガー。言わずと知れた元オアシスの兄貴。最近は弟リアムが株を上げていますが、オアシスの名曲の数々を生み出したソングライターは兄ノエルです。
前半は新作を含めたソロ作品から楽曲が披露されます。しっとり、時にハードに…ほんと歌が上手いんだよな、ノエル。声ものびやか。その歌声をコーラス隊やホーン隊を含めたバックバンドが盛りたてます。
そして後半からやってくれました、オアシス曲のオンパレード!「Going Nowhere」に始まり、「皆よく知ってる曲だ」というMCから「Whatever」…。そしてラスト3曲は歓喜と涙の大合唱、「Stand by Me」「Live Forever」「Don't Look Back in Anger」。
これ以上のラストはないんじゃないかというくらい、大盛り上がりのフジロック2024のエンディングでした。ノエル、ありがとう。また日本に来てね。
なんとも幸せな1日でした。天気は小雨まじりとあいにくでしたが、出演したバンドの演奏はいずれも素晴らしいものでした。
No Rain, No Rainbow。音楽が明日への活力をくれたような…そんなピースフルで幸福な時間が、苗場に満ちていたように思います。
フジロックは今回、苗場で節目の25回開催。来年から新たな四半世紀に入ります。どんな夏フェスになるのか…またこのピースフルな時間を味わいに訪れたいなと思いました。
ありがとう、フジロック2024! ありがとう、苗場!