こんにちは。夢中図書館へようこそ！
館長のふゆきです。
今日の夢中は、The Hanging Stars「On a Golden Shore」！サイケでフォークでカントリーな音の世界へ…です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■The Hanging Stars
今日とり上げるのは、北ロンドンを拠点に活動するバンド「The Hanging Stars」です。
その音楽は、コズミック・カントリー、サイケデリック・フォークなどと称される、懐かしくもユニークな音楽スタイル。
バーズやビッグ・スター、フライング・ブリトー・ブラザーズ辺りの音楽に近いと言えばイメージが付く人もいるでしょうか。
一聴すると、60sや70sを彷彿させるノスタルジックなフォーク・ロック…。それが彼らのサウンドの持ち味です。
結成は2015年。2016年にアルバム「Over the Silvery Lake」でデビューします。
2018年には2ndアルバム「Songs for Somewhere Else」をリリース。米カントリーと英フォークを融合したような独特な作風で注目を集めます。
さらにバンドは、ペダル・スティール奏者をメンバーに加え、そのサウンドのユニークネスに磨きをかけます。
2020年に3rdアルバム「A New Kind of Sky」、2022年に4thアルバム「Hollow Heart」をリリース。この4thアルバムは、英インディーズ界の雄エドウィン・コリンズがプロデュースしました。
そんなコアな洋楽ファンの興味を惹きつけずにはいられないバンド、「The Hanging Stars」の新譜が届きました。
それが今日紹介する「On a Golden Shore」。2024年3月にリリースされたバンドの5thアルバムです。
これがもう…これまでの作風を突きつめたようなノスタルジック・サウンドの玉手箱…。
彼らの特徴であるカントリー、フォーク、サイケといったサウンド要素が融合して、懐かしくも独特なサウンドの世界を体感できます。
これは紹介せずにはいられまい…。今日の夢中は、The Hanging Starsの新譜「On a Golden Shore」を取り上げます。
■個人的なおススメ
懐かしくも新しいサウンド、The Hanging Starsの「On a Golden Shore」。
サイケでフォークでカントリーな楽曲群のなかから、個人的なおススメを紹介しましょう。
まずは1曲め、「Let Me Dream Of You」。
重めのギターリフにドラムが重なる序盤、ポップなメロディと美しいコーラス、空を駆けるようなスティール・ギターの音色…。
どのパートもすばらしい。まるで60sや70sに新たなロックを切り拓いた名だたるバンドのサウンドのような瑞々しさと躍動感を感じます。
カントリーやフォークといった伝統的な音楽の要素を多分に含んでいるにもかかわらず、そんな風に若々しい音に聴こえるのは不思議…。
ただ、2020年代にこうしたサウンドが鳴らされること自体、刺激的なことなのかもしれません。ようこそ、懐かしくも新しい音の世界へ…。
続いて2曲め、「Sweet Light」。
これまた懐かしくも新しい音の世界が奏でられます。ベースとなるリズムやギターは、ジェフ・リンがつくるような王道のサウンド。
そこにスティール・ギターの音色が重なると、一気にカントリー色が濃くなって独特な音の世界が展開されます。
中盤から終盤にかけて奏でられるギターとコーラスは、どこまでも美しくもの哀しい…。名曲です。
そして3曲め、「Happiness is a Bird」。
アルバムに先がけてシングルとしてリリースされたポップなナンバー。ギターも弾むようにメロディを刻みます。
何よりもコーラスが美しい…。往年のCS&Nのような絶妙なコーラス・ワークで、ウッドストックを呼び起こします。
曲のタイトルもウッドストック時代のようにサイケです。スティールとワウワウ・ギターの音色も独特…。ほんと、懐かしくも新しいサウンドです。
これは2020sのサウンドなのか…。聴けば聴くほど、ノスタルジックな気分が高まります。
ただ、単なる懐古主義で終わらないのは、米や英、カントリーやフォーク、剛と柔…異なるものを融合してより良いサウンドを追求しているからでしょう。
ベースのメロディがポップなのもこのバンドの強み。何度聴いてもブレないサウンドの芯が各楽曲にあります。
ようこそ、サイケでフォークでカントリーな音の世界へ…。今日の夢中は、The Hanging Stars「On a Golden Shore」でした。
ありがとう、The Hanging Stars！ ありがとう、「On a Golden Shore」！
