こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、サーストン・ムーアの新譜「By the Fire」をとり上げます。
■サーストン・ムーア
サーストン・ムーア。
米オルタナ・バンド「ソニック・ユース」のフロント・マンです。
ソニック・ユースは、1980年代以降のUSインディー・ロックを牽引した伝説的なロック・バンドです。
そのノイジーなギター・ロックは、後のニルヴァーナらグランジ・ロックに大きな影響を与えました。
「GOO」(1990年)など通算16枚のスタジオ・アルバムを出して音楽シーンを荒らしますが、2011年に活動を停止。
その後、ムーアはソロで音楽活動を続けていました。
そんな彼が、ソロとしては7枚目となるアルバムをリリースしました。
それが今回紹介する「By the Fire」(2020年)です。
これが、ソニック・ユース・ファンにはたまらないアルバムになっています。
まるでバンドがステージに帰ってきたかのように、オルタナ・ロックの雄たる轟音ギターをかき鳴らしているのです。
もう御年62才になるサーストン・ムーア…。にもかかわらず、エレキ・ギターをはじめて弾くような衝動ほとばしるサウンドです。
歪みあり速弾きあり即興あり…。一筋縄ではいかないクセのあるギター・ロック。そう、ソニック・ユース成分たっぷりのソロ・アルバムなのです。
■個人的なおススメ
今日は、そんなサーストン・ムーアのアルバム「By the Fire」から、個人的なおススメを紹介しましょう。
まずは1曲め「Hashish」。
もうイントロからして、ソニック・ユース・ワールド全開です。
サウンドチェックかと思うような出だしから、強引に曲に持っていく感じ。
こんな曲、彼しかつくれないだろう…。ニルヴァーナのカート・コバーンは、こんな曲を演りたかったんじゃないかな…。
続いて2曲め「Cantaloupe」。
一転して重めのギター・サウンドからスタート。退廃的なムーアのボーカルが重なります。
このダークな感じもソニック・ユース・ファンにはたまらないでしょう。中盤のギター・ソロは正攻法にメロディを奏でます。テクニックもあるんだよな、この人。
そして3曲め「Breath」。
これまた、彼ならではのひねくれた(?)ロック・ナンバー。ゆったりめの出だしから一転、中盤からギターかき鳴らしのロック・チューンとなります。
バック・ボーカル&ベースは、マイ・ブラディ・バレンタインのデビー・グージ。ソニック・ユースのドラマー、スティーブ・シェリーも参加しています。そりゃ、こんな音になるよね…。
いやぁ、サーストン・ムーア、全く変わらないな…。
いつまでたっても、衝動的にギターをかき鳴らしているように初々しい。
このままずっと、何歳になっても轟音ギターを弾きまくってほしい。応援します、サーストン・ムーア。
ありがとう、サーストン・ムーア! ありがとう、「By the Fire」!