こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、レモンヘッズのアルバム「Lovey」、30周年記念エディションです。
■レモンヘッズ
レモンヘッズ。
米ボストン出身のオルタナティブ・ロック・バンドです。
結成は1986年。イヴァン・ダンドゥ(ボーカル&ギター)が高校のクラスメートとWhelpsを結成してバンドがスタートします。
その後レモンヘッズと改名して、インディーズ・レーベルからアルバム「ヘイト・ユア・フレンズ」(1987年)などをリリース。
メジャー・デビューは1990年。アルバム「Lovey」をリリースします。
当時ロック・シーンを席巻していたグランジ色を強く打ち出した楽曲で注目を集めます。
そんな彼らがブレイクするのは、次のアルバム「イッツ・ア・シェイム・アバウト・レイ」(1992年)をリリースしてからでした。
グランジとは一線を画したメロウなロックで、ファンの心を鷲掴みにします。
もともとイヴァンはルックスがいいし、歌声も甘い。それがメロディアスなロックをやったら、そりゃ受けるわな…。
同アルバムからは、サイモン&ガーファンクルのカバー「ミセス・ロビンソン」もスマッシュヒットして、一気に注目を集める存在となりました。
その後も「カモン・フィール」(1993年)など傑作アルバムを出しますが、イヴァンは突如、オアシスの追っかけをやり出して、しばらく音楽シーンから姿を消します。
確かに、音楽性も近し、分からないでもないけど…。この頃、彼はドラッグ依存に陥っていたらしいので、それも一因でしょう。
1997年にはメジャーとの契約を打ち切られ、バンドは活動を休止しました…。
しかし、やっぱり音楽への情熱は、イヴァンの元から消えることはありませんでした。
バンドは2005年に活動再開。アルバム「The Lemonheads」(2006年)をリリースすると、その後も継続的にアルバムを発表。元気な姿を見せています。
■「Lovey」30周年記念盤
実は、館長ふゆきも若かりし頃にドハマりしたレモンヘッズ。なんと嬉しい記念盤が届きました。
それが、彼らのメジャー・デビュー30周年を記念した、アルバム「Lovey」の30周年記念盤です。
後の「イッズ・ア・シェイム・アバウト・レイ」の大ヒットにつながる意欲作。
後作と比べると、ヘヴィーでグランジ色の強いロック・アルバムですが、それはまさにブレイク前夜の勢いがそのまま詰まったもの。さらにこの30周年記念盤には、当時の勢いが伝わるライブ・セッションも収録されています。
このライブを聴くと、このとき彼らがグランジ・ロックを志向していたことが分かります。
その音はニルヴァーナに通じるところがあります。ただこの後、ニルヴァーナが甘いメロディを忌避したのに対し、レモンヘッズは素直にメロディを受け容れました。
このアルバムでも、随所に甘いメロディやイヴァンの切ない歌声が散りばめられていて、後のヒットの片鱗を聴くことができます。
やっぱり好きだわ、レモンヘッズの楽曲…。ハマり度は、30年経っても変わりません。
今日は、そんなレモンヘッズのアルバム「Lovey」から個人的なおススメを紹介します。
■個人的なおススメ
まずは、2曲め「Half the Time」。
1曲め「Ballarat」でひとしきりハードなギター・ロックを奏でた後に訪れる、やさしいひととき。
次作にもつながるメロディアスなポップ・ナンバーです。これが彼らの魅力。イヴァンの甘い歌声がたまりません。
続いて、6曲め「Stove」。
パンキッシュなドラムとギター。そこに絡みつくイヴァンの歌声。レモンヘッズ節の原形がこの辺りで出来上がっていることを思わせます。
アルバムには、同曲のライブ・バージョンも収録されているので比べてみるのも面白い。ライブ映えするナンバーです。
そして、10曲め「[the]Door」。
この曲はちょっと異質…。重めのギターと粘っこいボーカル。
そして、なんと言っても聴きどころは終盤のギターソロ。イヴァンがエディ・ヴァン・ヘイレンばりのギター・テクを披露します。
ハード・ロックと言ってもいいくらい。やるなぁ、レモンヘッズ。ロック愛が伝わる一曲です。
まさに、ブレイク前夜のレモンヘッズを堪能できる1枚。
まだ粗削りの彼らの魅力を存分に楽しめます。「Lovey」30周年記念盤、おススメです。
ありがとう、レモンヘッズ! ありがとう、「Lovey」!