こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、ブリットポップの新星、ザ・ラサムズのデビューアルバム「How Beautiful Life Can Be」です。
■ザ・ラサムズ
英国ロック・ファンにはたまらないニューカマーが現れました。
マンチェスター郊外ウィガン出身のインディーロック・バンド、ザ・ラサムズ(The Lathums)です。
このローカル・バンドに脚光が浴びるようになったのは、2019年夏のこと。
ティム・バージェスが音楽フェスの出演をオファーすると、そのライブで一躍注目を集めます。
翌2020年には、デビュー前のEPをまとめたアルバム「The Memories We Make」が全英TOP20入り。
2021年にブレイクが期待されるアーティストにも選ばれ、彼の地では着実に人気を培っていたようです。
そのザ・ラサムズの、待望のデビューアルバムがリリースされました。
タイトルは「How Beautiful Life Can Be」。
同アルバムは、2021年9月にリリースされると、なんと全英チャート1位を獲得。
予想を上回るブレイクを果たし、一気に英国を代表する新人バンドにのし上がりました。
■英国ロックの継承者
ザ・ラサムズとは何者だ?
いきなり全英1位に登場した新人バンドに、日本の洋楽ファンは当惑したはず。
ただ、このバンド、間違いなく日本の洋楽ファンには受けるはず。特にブリットポップ・ファンには…。
何しろ、その奏でる音楽は、英国ロックの伝統を受け継ぐ、キャッチーなメロディと美しいサウンドに満ちあふれてるんです。
How Beautiful Life Can Be(Deluxe)
ビートルズやニューウェイブ、ブリットポップなど、さまざまな時代の良き英国ロックを昇華した感じ。
特に、ザ・スミスを彷彿させるアコースティック・サウンドは、当時彼らを支持したファン層をもロックに回帰させるものと思われます。
まさに、英国ロックの正統な後継者…。そんな期待も現れた全英1位という快挙なのでしょう。
ちなみに、その期待の新人がどんな風貌かというと、フロントマンのアレックス・ムーア君は純朴な田舎青年という感じ。
ぽっちゃり体形で丸めがね。ロック・ヒーローとはかけ離れたルックスで美メロを歌います。
身近にいそうなローカル・ヒーロー。これが多くの人を惹きつける、彼らの魅力なのかもしれません。
■個人的なおススメ
それでは、そんなザ・ラサムズのデビューアルバム「How Beautiful Life Can Be」から、個人的なおススメです。
まずは2曲め、「I'll Get By」。
もう、イントロのアコースティック・ギターから、ビートルズ・ファンは引き込まれちゃうんじゃないかしら。
つい身体が動き出してしまうような小気味のいいリズムと美しいメロディ。2分半に凝縮された珠玉のポップソング。
MVを見ると、愛嬌のあるバンドの魅力が伝わります。決して気取らない英国のローカル・バンド、そうした立ち位置なんでしょうね。
続いて4曲め、「How Beautiful Life Can Be」。
これまた3分に満たないナンバー。それでいて、この聴いててほっこりする魅力はなに?
Aメロからサビ、オールドポップ風の間奏まで、どれもシンプルなんだけど繋ぎ合わせると極上のポップソングに生まれ変わります。彼らの魅力を象徴するアルバムのタイトル曲です。
そして5曲め、「The Great Escape」。
80年代に英国の若者たちから絶大な支持を受けたザ・スミス…。そのサウンドを彷彿させるナンバーです。
歌い方までモリッシーみたい。英国的すぎるほど英国的。ブリットポップ好きにはたまりません。
MVはブレイク前に撮られたと思われる、学生バンドのような映像。ほんと、気取ってないな…。
全英1位に輝く衝撃のデビューアルバム「How Beautiful Life Can Be」。
それを世に送り出したザ・ラサムズは、英国ロックを歌い継ぐ期待の新人。そして、驚くほどにピュアなローカル・ヒーローでした。
ありがとう、ザ・ラサムズ! ありがとう、「How Beautiful Life Can Be」!