こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、Back to the 80s!ザ・スミザリーンズ「ロンリー・プレイス」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■ザ・スミザリーンズ
ザ・スミザリーンズ(The Smithereens)。
米ニュージャージー州で結成されたロック・バンドです。
1980年代後半から1990年代半ばにかけて、音楽シーンを賑わせました。
賑わせたといっても、大ヒット曲があるわけでもなく、大ブレイクを果たしたわけではありません。
米ビルボードでも、3rdアルバム「11」(1989年)の41位が最高位。
言ってみれば、地味に人気を博したバンド。それでも、彼らの奏でる珠玉の楽曲の数々は、パワーポップ・ファンを魅了しました。
館長ふゆきもその一人。当時のTV番組「ベストヒットUSA」で彼らを聴いたのをきっかけに、アルバムを買って聴きまくりました。
そのアルバムが、彼らの1stアルバム「エスペシャリー・フォー・ユー」(Especially For You/1986年)です。
その音楽は、ビートルズやキンクスの流れを受け継ぐ王道パワーポップ。
収められた曲全てが胸躍るようなポップソングです。そのメロディ、その歌声、その演奏に、強烈にハマりました。
このアルバムは、ニルヴァーナの故カート・コヴァーンに影響を与えたことでも知られます。
カートは、同アルバムをプロデュースしたドン・ディクソンを「ネヴァーマインド」のプロデューサーに迎えようとしました。結局実現しませんでしたが、その影響の大きさを、彼の死後発表された日記が伝えています。
スミザリーンズは、カートだけでなく多くのミュージシャンからも愛されました。
フロントマンのパット・ディニジオ(Pat DiNizio)が「本当にたくさんの人と演奏したよ」と話している通り、ベリンダ・カーライルやルー・リード、ジュリアン・レノン、スザンヌ・ヴェガ、キンクスなど多くのミュージシャンとスタジオやライブでコラボしています。
■ロンリー・プレイス
それでは、そんなザ・スミザリーンズの名曲を聴きましょう。
館長ふゆきが彼らに夢中になるきっかけとなった「ベストヒットUSA」でオンエアされた曲。当時、MC小林克也さんが「傑作です」と絶賛したMVも見どころです。
「ロンリー・プレイス」(原題:In A Lonely Place)。
アルバム「エスペシャリー・フォー・ユー」収録のナンバー。スザンヌ・ヴェガがゲスト・ボーカルとして参加しています。
Back to the 80s!ザ・スミザリーンズ「In A Lonely Place」。Here We Go!
めちゃくちゃ良い曲ですよね…。いま聴いても胸揺さぶられます。
MVにも登場しているのが、ボーカルを務めるパット・ディニジオ。声も歌い方も良いですが、なんと言ってもそのソングライティングが素晴らしい。
この曲でも反則級の泣きメロを奏でていますが、これがアルバム全編にわたって鳴り響くのです。
そりゃハマりますよね、特にパワーポップ好きには。以降もパットは、数多くの名曲を音楽シーンに送り出しました。
■パット・ディニジオ
そんな天性のメロディメイカー、パット・ディニジオ(Pat DiNizio)。
2017年12月12日、62歳でこの世を去りました。
このブログ記事を書きはじめてから、その事実を知りました。
それまでの数年、様々な健康上の問題を抱えていたそうです。
衝撃です…。
「ロンリー・プレイス」で出会って以来、聴きまくったスミザリーンズ、パット・ディニジオ。
まだまだあなたの歌を聴きたかった…。
残されたメンバーは、2018年1月に米ニュージャージー州で、5時間にも及ぶパット追悼ライブを行いました。
そこには、スティーヴ・ヴァン・ザント(Eストリート・バンド)やデイヴ・デイヴィス(キンクス)など、多数のミュージシャンが参加しています。
音楽ファンにもミュージシャンにも愛されたパット・ディニジオ。
安らかなご冥福をお祈りします。
ありがとう、ザ・スミザリーンズ! ありがとう、「In A Lonely Place」!