ブリットポップの雄ブラー、ハイド・パークで再結成ライブ@2009/07/02

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、ブラーのライブアルバム「オール・ザ・ピープル(ブラー・ライヴ・アット・ハイド・パーク)」をとり上げます。

■今日は何の日

いつも愛用しているタワレコ手帳。
1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されています。

7月2日のページには、こんな出来事が書かれていました。

【出来事】グレアム・コクソンが復帰したブラーがハイド・パークでライヴを実施、翌日の公演と合わせて10万人以上を動員(2009)

おぉ…、あの歓喜に包まれた伝説のライブが行われたのが7月2日でしたか。
もう10年以上経つのですね、2009年のことでした。

90年代一世風靡したブリットポップ・ムーヴメントを牽引したバンド、ブラー
メンバーは、デーモン・アルバーン(ボーカル)、グレアム・コクソン(ギター)、アレックス・ジェームス(ベース)、デイヴ・ロウントゥリー(ドラム)の4人。


The Best of Blur

1990年10月に1stシングル「シーズ・ソー・ハイ」でデビューすると、翌年1stアルバム「レジャー」(1991年)をリリース。
同アルバムが全英7位を獲得するなど、バンドはデビュー当時から注目を集めます。

バンドの人気を決定づけたのが、3rdアルバム「パークライフ」(1994年)です。
キンクスなどの英国ロックの伝統を受け継ぐサウンドに、英国人の日常や文化を描いたシニカルな詩。これが英国で大絶賛をもって受け入れられます。
全英1位、90週も40位圏内に残るという記録的な大ヒットとなり、バンドにとっても後のブリットポップ・ムーヴメントにとっても、金字塔となるアルバムとなりました。


パークライフ

■絶頂から活動休止へ

しかし、大成功の裏で、メンバーの間に亀裂が入っていきました。
シングル「カントリーハウス」をはじめとしたバンドのポップ路線に対して、グレアムがデーモンに不満をぶつけます。

このときはデーモンがグレアムに長文の手紙を送って和解。
5thアルバム「ブラー」(1997年)では、ポップ路線を排した粗削りなギター・ロックを響かせて、新たなブラーに進化を遂げました。


ブラー

さらに6thアルバム「13」(1999年)では、ソウルやプログレなどの要素もとり込んで、ますます音楽の幅を広げていきます。
ただ、そうしたサウンドの柔軟性が、逆にメンバーの「個」を強めてしまったのでしょうか…。
2002年10月にグレアムがバンド脱退を表明。7thアルバム「シンク・タンク」(2003年)を最後に、バンドは活動を休止しました。


シンク・タンク

■ブラー復活

「ブラーは終わった」
デーモンが衝撃的な発言をしたのは、2008年9月のことでした。

この発言を受けて、こんどはグレアムが動きます
デーモンのライブに足を運ぶと、バンド脱退以来はじめて2人は腹を割って話し合いました。

2008年12月、「ブラーは終わった」発言から一転、グレアムがブラーに復帰することが発表されます。
さらに、2009年7月に、ロンドンのハイド・パークで復活ライブを行うことを発表すると、5万枚のチケットは2分で完売。
追加公演も急遽決定されるなど、ブラーの根強い人気を知らしめました。

そんな待ちに待った復活ライブが行われたのが、2009年の7月2日です。
9年ぶりの再結成公演。追加公演が行われた3日と合わせて10万人以上が歓喜に沸いた伝説のライブ。
そのライブの模様は、限定2枚組CD「オール・ザ・ピープル(ブラー・ライヴ・アット・ハイド・パーク)」で追体験することができます。


オール・ザ・ピープル(ブラー・ライヴ・アット・ハイド・パーク)限定盤

■個人的なおススメ

それでは、そんな歓喜の復活ライブ「オール・ザ・ピープル(ブラー・ライヴ・アット・ハイド・パーク)」の中から、個人的なおススメを紹介します。

まずはDisc1の2曲め「ガールズ・アンド・ボーイズ」
バンドの人気を決定づけた大ヒットシングルをライブ序盤に演奏。ちなみに1曲めはデビュー・シングル「シーズ・ソー・ハイ」でした。
2曲めにして会場のボルテージは一気に上昇。オーディエンスが、デーモンと一緒に歌い叫びます。
おかえり、デーモン!おかえり、グレアム!おかえり、ブラー!ブリットポップ復活の瞬間です。

続いてDisc1の11曲め「テンダー」
アルバム「13」収録のブラー版ゴスペル。ソウルフルなデーモンのボーカルが魅力のナンバーです。
この曲でも観衆が大合唱。それに応えるように、デーモンとグレアムが熱い歌声を届けます。

ライブは後半へ。聴きどころの一つが、Disc2の6曲め「エンド・オブ・ア・センチュリー」です。
前曲「パークライフ」でファンキーに盛り上がった後、ライブは終盤に向けてしっとりめのナンバーを持ってきます。
その幕開けがこの曲。会場が一体となる合唱も印象的。観客の一体感が伝わるバラード・ナンバーです。

そしてDisc2の11曲め「ソング2」
アンコール(1回目)のラストで演奏されたナンバーです。
曲のはじまりを告げるドラムの音。観客がそれに応えます。「Wooooo hooooo!」
そこに飛び込むグレアムのギター。デーモンが叫びます。「Wooooo hooooo!」
シングル・バージョンもいいですが、このライブ・バージョンもぜひ聴いてほしい。ブラーの魅力がビシバシ伝わるロック・チューンです。
※MVは、ライブバージョンが公開されていないので、公式プロモビデオです。ご容赦ください。

すばらしいライブ・アルバムです。
いま、新型コロナの影響で大規模なライブ開催は難しいですが、本来ロックの持つ衝動とか一体感は、こうしたライブ会場で生み出されるものでしょう。
ロックの日常が戻るその日まで、最高のライブアルバムを聴いて「STAY ROCK」していきたいと思います。

ありがとう、ブラー! ありがとう、オール・ザ・ピープル!

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