こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、ザ・コーラル「The Coral」20周年記念盤!時代の隙間を埋める不変の音楽…です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■ザ・コーラル
英リヴァプール出身のロックバンド、ザ・コーラル(The Coral)。
彼らの記念すべきデビューアルバム「The Coral」の20周年記念盤がリリースされました。
もう20年も経つんですね…。はじめて彼らを聴いたのが、2002年にリリースされたこのアルバムでした。
きっかけは、オアシスのノエル・ギャラガー。当時、彼が大好きなバンドとして、ザ・コーラルを挙げていたんですよね。
バンド側は当初「口の悪いオアシスから褒められてもうれしくない」と迷惑顔でしたが、後に仲良しになったみたいです。
確かに彼らの鳴らす音楽は、オアシスにも通じるようなストレートなギター・ロックがベース。しかも、オアシスにはない翳のある独特なサウンドが、英国ロックの伝統を強く感じさせます。
バンドは、このデビューアルバムで注目を集めると、続く「Magic and Medicine」(2003年)は全英1位を獲得、一躍人気バンドの仲間入りを果たしました。
さらに、「Nightfreak and the Sons of Becker」(2004年)、「The Invisible Invasion」(2005年)と骨太なアルバムを次々とリリースし、その実力の高さを知らしめました。
最近では、意欲作となる2枚組アルバム「Coral Island」(2021年)をリリースして、「英国ロックここにあり!」と言わんばかりの存在感を示しています。
■「The Coral」20周年記念盤
さて、今日とり上げるのは、今回リリースされたアルバム「The Coral」20周年記念盤(2022年)です。
これがもう、ファンにはたまらない作品になっているのです。
ノエル・ギャラガーをも魅惑させた楽曲群が、オリジナルからリマスターされ今の時代に降臨…。
それだけでもたまらないのに、このエディションには、2001年のアルバムセッション後に棚上げされていた未発表曲や、シングルのB面曲も収録されています。
さらに、アルバムデビュー前にリリースされたEP「The Oldest Path」の楽曲も追加収録。
「これは誰得なのか?」というファン(だけ?)悶絶のラインナップとなっているのです。
この追加収録曲も含めて、あらためて聴いて思うのは、彼らの時代に媚びない音楽の不変性。
いま聴いても色褪せない…というより、20年前聴いたときも感じた、時代の主潮とは外れながらもその時代の隙間を埋める音楽…というような不思議な感覚が、いま聴いても感じられます。
これは再び、ザ・コーラルの世界にハマりそう…。
今日の夢中は、「The Coral」20周年記念盤、レコードやCDでは2枚組のスペシャル・エディションです。
■個人的なおススメ
それでは、ザ・コーラル「The Coral」20周年記念エディションから、個人的なおススメです。
まずは4曲め、「Dreaming of You」。
これぞザ・コーラル、これぞ英国ロック…。アルバムのなかではポップな部類に入る曲ですが、そのひねくれたサウンドは独特…。
でも一度ハマってしまうと、妙に引き込まれていきます。彼らの蔭あるサウンドは不思議な魅力があるんですよね。
だからノエルもハマったし、英国の音楽シーンにも受け入れられました。でも米国では全く売れていませんでした。なんか、分かる気がする…。
続いて6曲め、「Goodbye」。
これまたザ・コーラルにしか鳴らせない、独特なギター・ロック・ナンバー。
このとき彼らは二十歳そこそこだったんだよな…。もっとはっちゃけたロックを演っていいのに…なんて心配するのは野暮というもの。
これが、彼らにとって最高に格好いいロック。このギターリフなんて悶絶ものです。このサウンドは今の彼らの作品にもつながっています。
そして8曲め、「Skeleton Key」。
その独特なザ・コーラル・サウンドが極まったナンバー…それが「Skeleton Key」です。
もはや説明不要…このギター、このドラム、この歌声、ぜったいにザ・コーラルにしか鳴らせません。
途中で転調して、一気にダークな深淵に引き込まれるのも気持ちいい…。彼らの唯一無二のパンク・ナンバーです。
今さらながら、こんな才能が音楽シーンに降臨したことに感謝です。
その意味では、彼らのPRに一躍かったノエルにも感謝ですね。こうして、英国ロックは受け継がれていくのでしょう。
今日の夢中は、英国ロックの伝統を受け継ぐザ・コーラルのデビューアルバム「The Coral」の20周年記念盤でした。
ありがとう、ザ・コーラル! ありがとう、「The Coral」20周年記念盤!