ピクシーズ「Trompe le Monde」!狂気と美の融合…とてつもないエネルギーを放つサウンド

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、ピクシーズ「Trompe le Monde」!狂気と美の融合…とてつもないエネルギーを放つサウンドです。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■ピクシーズ「Trompe le Monde」

ピクシーズ(Pixies)は、1986年に米ボストンで結成された4人組ロックバンドです。
フロントマンのブラック・フランシス(Vo, G)、ジョーイ・サンティアゴ(G)、キム・ディール(B)、デヴィッド・ラヴァリング(Dr)という布陣で、初期オルタナティブ・ロックシーンにその名を轟かせました。

彼らの最大の特徴は、静と動の激しいコントラスト。「静」の部分は甘く切ないメロディ、「動」の部分は轟音ギターと叫び声…。
その美しくも破壊的なロックサウンドは、後の多くのバンドに多大な影響を与えました。特に、ニルヴァーナのカート・コバーンは、ピクシーズからの影響を公言しています。

そんなバンドの魅力を存分に堪能できるアルバムが、1991年リリースのアルバム「Trompe le Monde」(トロンプ・ル・モンド)です。
タイトルはフランス語で「世界を騙す」という意味。まさにそのタイトル通り、リスナーの予想を裏切り、翻弄するような、非常に刺激的なサウンドが詰まっています。


Trompe le Monde

一聴して、そのハードでノイジーな世界観に引き込まれます。彼らの持ち味であるポップさは抑えて、同じく持ち味である破壊的なサウンドを前面に出した感じ。
当時勃興していたグランジの影響もあったのかもしれません。といっても、彼らもグランジに影響を与えてるんだけどね。そんなスパイラルが放つエネルギーがとてつもない…。

ブラック・フランシスの一筋縄に行かないソングライティングとボーカルが炸裂。聴く者すべてを、カオスと美が融合したピクシーズの世界へ導きます。
彼らの4枚目にして、解散前のラストアルバムとなった作品(のちに再結成しますが…)。その唯一無二の存在感を高らかに示した作品です。

■個人的なおススメ

それでは、ピクシーズが1991年にリリースした4thアルバム「Trompe le Monde」から、個人的なおススメです。

まずは2曲目、「Planet of Sound」
これぞピクシーズ!というようなカオスに満ちたロック・ナンバー。歪んだブラックのボーカル、重厚なベースライン…。
不穏なサウンドは中盤、荒々しくギターがかき鳴らされると一変、狂気に満ちたサウンドに包まれます。これが「音の惑星」(Planet of Sound)か…。
ブラックの異才が解き放たれた異次元のサウンド。のちにブラックは、ソロアルバムで同曲を再録音しています。彼のお気に入りなんでしょうね。

続いて5曲目、「Head On」
ジーザス・アンド・メリー・チェインのカバー。1989年10月リリースのアルバム「オートマティック」に収録、のちにシングルカットされたナンバーです。
これほど近い時期にリリースされた楽曲をカバーするのはめずらしい。ただ、目の付け所がいいというか、相性がいいというか…。
ポップさと轟音の融合は、両バンドに共通する特徴。ピクシーズ版「Head On」でもその持ち味を余すところなく発揮、原曲の魅力を知らしめました。

そして9曲目、「Bird Dream of the Olympus Mons」
アルバムの中でも特に異彩を放つ一曲。抒情的で壮大なサウンドスケープが広がるナンバーです。
タイトルにある「オリンポス山」は火星にある巨大な火山。この曲を聴いていると、本当に火星の広大な大地を、鳥になって飛び回っているような、そんな情景が目に浮かびます。
ブラックのボーカルとギターやベースのソリッドなサウンドが、抒情的な世界観を盛り上げます。バンドの「静」の美しさを堪能できる隠れた名曲です。


いやぁ、久しぶりに聴きましたが、やっぱりピクシーズのサウンドは中毒性が高いですね…。聴くほどにハマっていきます。
惑星とかオリンポス山とかSF的なワードが入っているのも、彼らの未知なるサウンドの魅力を高めているよう…。その音の向こうに、今までとは違う世界が見えてきます。

今日の夢中は、ピクシーズ「Trompe le Monde」!狂気と美の融合…とてつもないエネルギーを放つサウンドでした。
ありがとう、ピクシーズ! ありがとう、アルバム「Trompe le Monde」!

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