
こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、時代を超えて響くポップ・ミュージックの宝石箱…ジェリーフィッシュ「ベリーバトゥン」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■ジェリーフィッシュ「ベリーバトゥン」
今日とり上げるのは、ポップ・ミュージック史に強烈な輝きを放ったバンド、ジェリーフィッシュ(Jellyfish)。
彼らが1990年にリリースした記念すべき1stアルバム「ベリーバトゥン」(Bellybutton)をとり上げましょう。
ジェリーフィッシュは、アンディ・スターマーとロジャー・マニングを中心に結成された米サンフランシスコ出身のロックバンドです。
彼らが活動したのはわずか数年間、オリジナル・アルバムもたった2枚しかありません。にもかかわらず、彼らは今もなお多くの音楽ファンやミュージシャンから絶大なリスペクトを集めています。
その理由は何よりも、彼らが作り出す楽曲のクオリティの高さにあります。その音楽はまさに、ポップ・ミュージックの宝石箱…。
ビートルズやクイーン、トッド・ラングレンといったレジェンドが引き合いに出されるように、彼らの音楽には、思わず口ずさんでしまうキャッチーなメロディや遊び心に満ちたアレンジ、複雑に絡み合う美しいハーモニーが魔法のように詰まっているのです。
そんな"ポップの魔術師"ジェリーフィッシュが鮮烈に音楽シーンに登場したのが、1990年リリースの1stアルバム「ベリーバトゥン」です。
グランジやオルタナティブ・ロックが台頭していた時代の潮流に逆行するように、彼らは鮮やかでカラフルなポップサウンドを引っ提げて登場。みるみるうちにカルト的な人気を博しました。
バンドは、このアルバムが当時の音楽シーンと真逆であったことを自覚していたようです。それでも自分たちが信じた音楽をつらぬきました。
結果、同アルバムは商業的には不振。ただ、その極上のポップミュージックは多くのファンやミュージシャンに強く支持され、のちの傑作アルバム「こぼれたミルクに泣かないで」(Spilt Milk)へとつながっていくのです。
■個人的なおススメ
それでは、ジェリーフィッシュの記念すべきデビューアルバム「ベリーバトゥン」から、個人的なおススメです。
まずは3曲目、「The King Is Half-Undressed」。
アルバムから最初にシングルカットされた記念すべきナンバー。まさにジェリーフィッシュの真骨頂というような極上のポップロックです。
分厚く重なり合うコーラスワークと軽快で弾むようなリズムは聴く者すべてをポップ・ワールドへ引き込みます。
めまぐるしく展開していくアレンジや曲の随所に散りばめられたサウンド・エフェクトは、まさにポップの宝石箱。ライブでも盛り上げること間違いなしのキラー・チューンです。
続いて2曲目、「That Is Why」。
「The King Is Half-Undressed」に続いてシングルカットされた、これまたポップの魔法が随所に散りばめられたポップナンバー。
チープトリックやトッド・ラングレンのカバーと言われても信じてしまう…。それほどまでロックの黄金時代を彷彿させる楽曲です。
ほんと、60sや70sロックが好きなんだろうな…。時代に逆行しようとも信じる音楽を貫いた姿勢にもリスペクトです。一度聴いたら忘れられない、中毒性の高い一曲です。
そして4曲目、「I Wanna Stay Home」。
一転して、少しセンチメンタルな雰囲気を醸し出すミディアムテンポのバラードです。こんな曲ができるのも彼らの懐の深さ…。
アコースティックなサウンドを基調に、切なさを帯びたメロディと美しいハーモニーが胸に染みわたります。
"I wanna stay home today"(今日は家にいたいんだ)。歌詞は、外の世界と距離を置いて自分を取り戻したいという切なる希望をうたっています。バンドの隠れた名曲です。
いやぁ、久しぶりに聴きましたが、心が沸き立つようなポップ・ミュージックの世界にどっぷりとハマりました。
ジェリーフィッシュの「ベリーバトゥン」は、流行に左右されない普遍的なポップロックの魅力に満ちあふれています。もしあなたが、最近の音楽や社会に少し疲れてしまったら、ぜひこのアルバムを聴いてみることをおすすめします。
今日の夢中は、時代を超えて響くポップ・ミュージックの宝石箱…ジェリーフィッシュ「ベリーバトゥン」でした。
ありがとう、ジェリーフィッシュ! ありがとう、アルバム「ベリーバトゥン」!