ダークでポップでノイジー…ジザメリの魅力さく裂!「ハニーズ・デッド」

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、ダークでポップでノイジー…ジザメリの魅力さく裂!「ハニーズ・デッド」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■ジーザス&メリー・チェイン

今日とり上げるのは、イギリスのロックバンド、ジーザス&メリー・チェイン(The Jesus and Mary Chain)です。
通称「ジザメリ」。当ブログでも何度か紹介している大好きなバンドです。

1984年11月、デビューシングル「アップサイド・ダウン」をリリースすると、これが全英インディー・チャートの1位を獲得。
アルバムのリリース前から人気が過熱。20分ほどでステージから引き上げるライブでは暴動が起きることがしばしばでした。


サイコキャンディ

翌1985年にデビューアルバム「サイコキャンディ」をリリース。本作は音楽誌のベストアルバムリストに選出される作品となります。
攻撃的なフィードバック・ノイズとポップなメロディが共存するサウンドは、その後のオルタナティブ・ロックやシューゲイザーに大きな影響を与えました。

一方で、加熱する人気の影でバンドは疲弊しました。1987年リリースの2ndアルバム「ダークランズ」では代名詞のノイズ・サウンドを封印。
ダークでメロディアスな楽曲を前面に打ち出して、音楽ファンやメディアを驚かせました。


ダークランズ

さらにバンドはサウンドを進化させていきます。1989年に3rdアルバム「オートマティック」をリリース。
このアルバムではダンスミュージックに接近。シンセやドラム・マシーンを多用して、アップテンポでハードなジザメリ・サウンドをつくり出しました。


オートマティック

■ハニーズ・デッド

そんなジザメリが、1990年代に入ると、それまでのサウンドの集大成ともいうべきアルバムをつくり出します。
それが、1992年リリースの4thアルバム「ハニーズ・デッド」(Honey's Dead)です。


ハニーズ・デッド

基本的には前作のオルタナティブ・ダンスの作風を踏襲しながらも、刺激的なフィードバック・ノイズも組み込まれます。
ダークでメロディアスでノイジー…。ジザメリ・サウンドの魅力が余すところなく盛り込まれ、ファンの間では1stと人気を二分する作品となっています。

アルバムタイトルの「ハニーズ・デッド」は、1stアルバム収録の楽曲「ジャスト・ライク・ハニー」にちなんでいます。
初期の音楽スタイルから完全に脱却したことを暗示…。バンドも本作品をキャリアの転換点と考えたものと思われます。

なお、デビュー以来のやらかし体質(?)は変わらず…。アルバム1曲め「Reverence」の歌詞が問題視され(後述)、音楽番組出演が禁じられたりしました。
それでも同曲は全英10位のヒットに。また、アルバムも全英14位のスマッシュヒットとなっています。

■個人的なおススメ

それでは、ジーザス&メリー・チェインの4thアルバム「ハニーズ・デッド」から、個人的なおススメです。

まずは1曲め、「Reverence」
アルバムの冒頭を飾る刺激的なナンバー。打ち込みサウンドにフィードバック・ノイズが重なり、独特なサウンドを形成しています。
歌詞も刺激的…。"I want to die just like Jesus Christ"(イエス・キリストのように死にたい)、"I want to die just like JFK"(JFKのように死にたい)。
その歌詞のせいでトップ・オブ・ザポップスへの出演を禁じられるなど物議を醸しましたが、全英シングル・チャートで10位を獲得するヒット曲となりました。

続いて3曲め、「Far Gone and Out」
「Reverence」に続き、アルバムからの2枚目のシングルとなったナンバー。全英シングル・チャート23位を獲得しています。
随所にヘヴィーなギターも組み込まれていますが、この曲の魅力はベースにあるポップなメロディでしょう。
これがジザメリの魅力であり強みでもあります。同曲はいまも、バンドで人気のある楽曲の一つになっています。

そして9曲め、「Rollercoaster」
アルバム発売の1年半前、1990年にシングルとしてリリースされているナンバー。アルバム収録にあたって再録されています。
前作のときでもそうでしたが、彼らはアルバム発売のだいぶ前に、次作につながるEPをリリースするんですよね。
この曲も来たるアルバムを予告するような、ポップでハードなギターロックが奏でられています。なお、この曲はウィリアム・リードがボーカルをとっています(「Reverence」と「Far Gone and Out」はジム・リード)。


いやぁ…最高ですね、ジーザス&メリー・チェイン「ハニーズ・デッド」
ハニーは死んでも、ジザメリは死んじゃいない。いま聴いても色褪せない、ダークでポップでノイジーなジザメリ・サウンドを堪能できます。

バンドはその後、一度解散した後に再結成。2019年に「ダメージ・アンド・ジョイ」をリリースしています。
そしてついに、待ちに待った新作が始動!アルバム「Glasgow Eyes」の2024年3月リリースが発表されています。ファンにとっては要注目の2024年になりそうですね。

ありがとう、ジーザス&メリー・チェイン! ありがとう、「ハニーズ・デッド」!

ブログランキングに参加しています!

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事