ジャパニーズ・ブレックファスト「Jubilee」摩訶不思議でキュートな歌の世界へ

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、ミシェル・ザウナーのソロプロジェクト、ジャパニーズ・ブレックファストの新譜「Jubilee」です。

■ジャパニーズ・ブレックファスト

ジャパニーズ・ブレックファスト
なんとも日本人からしてみると郷愁(?)をかき立てるようなワードです。

そんな美味しそうなワードをバンド名にしちゃったのが、キュートな女性シンガー、ミシェル・ザウナーです。
彼女自身は、韓国ソウル生まれ、米国育ちのミュージシャン。日本にゆかりはありません。


Jubilee

バンド「リトル・ビッグ・リーグ」のフロントウーマンとして活躍していましたが、母親の癌をきっかけに米オレゴン州ユージーンに帰郷。
母親の介護生活のなかで創作意欲を高めると、ソロプロジェクト「ジャパニーズ・ブレックファスト」をスタートしました。

2016年に、最愛の母親の写真をジャケットにしたアルバム「Psychopomp」(2016年)をリリース。
翌2017年には、最愛の母親の死を乗り越えるために、2ndアルバム「Soft Sounds From Another Planet」(2017年)をリリースしました。


Psychopomp

■Jubilee

その2作で一気にUSインディー・シーンの超注目株となったジャパニーズ・ブレックファスト。
4年ぶりとなる待望の新アルバムが到着しました。それが今日紹介する「Jubilee」(2021年)です。


Jubilee(LP盤)

長いインターバルが空きましたが、その間も彼女の創作意欲が止むことはありませんでした
そもそも彼女の才能は、音楽だけにとどまらないんですよね。

彼女は、亡くなった母親との想い出を綴った初の著書「Crying In H Mart」を上梓。
同書はニューヨークタイムズのベストブック2021に推されるなど、高い評価をもって受け入れられています。なんと映画化も決まったようです。


Crying In H Mart/Michelle Zauner

さらに、映像クリエイターとしての才能も開花させます。
もともと映画監督ウォン・カーウァイの大ファンだという彼女、MVでは自身がメガホンをとって持ち前のポップセンスを爆発させています。

■個人的なおススメ

それでは、そんなジャパニーズ・ブレックファストの新譜「Jubilee」から個人的なおススメです。

まずは、2曲め「Be Sweet」
色んな意味で吹っ切れたかのようなポップソング。あまりにポップなので他アーティストへの提供も考えたみたい。
ただ、こうしたポップな曲調もキュートな彼女に合ってますね。MVは「Xファイル」のパロディ。この辺りのセンスもポップです。

続いて、5曲め「Posing In Bondage」
2017年にリリースされたシングルのリメイク。元の曲の仕上がりに不満だったみたいで、今回共同プロデューサーのジャック・テイタム(ワイルド・ナッシング)の手で彼女好みの形に生まれ変わりました。
こちらのMVはなかなか刺激的。摩訶不思議な彼女の魅力が発揮されています。

そして、7曲め「Savage Good Boy」
摩訶不思議でキュートな彼女の魅力がさく裂するナンバー。
冒頭の「I Wanna Be Your Man」から彼女の不思議な世界へ。ギター、ピアノ、シンセがコラボしていきます。
何よりも小悪魔的なミシェルのボーカルが素敵すぎます。世の男性諸氏は落ちちゃいますよね、MVの紳士のように…。気をつけましょう。

それにしても、なんてキュートで摩訶不思議なミュージシャンなんでしょう。
聴けば聴くほどハマっていきます。その底知れぬ才能をこれからどんな分野に広げていくのか、すごく楽しみです。

ちなみに、ジャパニーズ・ブレックファストという名前は、異国の響きのある「ジャパニーズ」と米国的な響きの「ブレックファスト」の組み合わせが面白かったからなのだとか。
インターネットで見た日本の和食があまりに美味しそうだったからとも。ポップですね…。
そんなポップでキュートなアーティスト、ジャパニーズ・ブレックファストの新譜「Jubilee」、おススメです。

ありがとう、ジャパニーズ・ブレックファスト! ありがとう、Jubilee!

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