こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、クリス・コーネル最後のアルバム「No One Sings Like You Anymore」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■今日は何の日
1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されているタワレコ手帳(現在は製造中止…)。
7月20日の頁には、こんな出来事が記されていました。
【誕生日】クリス・コーネル(サウンドガーデン:1964)
クリス・コーネル(Chris Cornell)。
米シアトル出身のシンガー、ソングライター。バンドとしてもソロとしても活躍しました。
彼がその名を知らしめたのは、ロックバンド「サウンドガーデン」のフロントマンとしてでした。
サウンドガーデンは、1990年代に一大ムーブメントを巻き起こしたグランジロックの代表的なバンド。
クリスはそのボーカリストとして、4オクターブにも及ぶ声域を持つ圧倒的な歌声を披露。
1991年「バッドモーターフィンガー」、1994年「スーパーアンノウン」、1996年「ダウン・オン・ジ・アップサイド」と次々と名盤を世に送り出しました。
バンドは精力的にライブ活動も行いますが、1997年2月ホノルルでのライブが結果的にラストライブになります。
音楽の方向性についてメンバー間で衝突が生じ、それは修復しがたいものに…。同年4月、サウンドガーデンは解散を発表しました。
クリスはその後、ソロ活動やバンド「オーディオスレイヴ」でのボーカリストとして、圧巻の歌声でファンを魅了し続けます。
さらに2010年にサウンドガーデンの活動を再開。音楽フェス「ロラパルーザ」でヘッドライナーを務めるなど、変わらぬ人気を示しました。
クリスは2010年代、ソロ活動とサウンドガーデンとしての活動をこなしますが、それが突然幕を下ろすことになります。
2017年5月17日、サウンドガーデンのツアー先、デトロイト市内のホテルで死去。死因は自殺とされます。52歳でした…。
■個人的なおススメ
今日は、偉大なシンガー、クリス・コーネルの誕生日を祝して、彼が残したアルバムを聴きましょう。
とり上げるアルバムは、彼の死後リリースされたカバー・アルバム「No One Sings Like You Anymore,Vol.1」です。
No One Sings Like You Anymore,Vol.1/クリス・コーネル
2020年12月にリリースされた、クリス・コーネル最後のスタジオ・アルバム。
レコーディングは2016年に行われ、クリスの敬愛するミュージシャンのカバー・バージョン10曲が収録されています。
選曲はクリス自身が行い、曲順もクリスが決めたそうです。
クリス・コーネルの音楽愛が込められたアルバム「No One Sings Like You Anymore,Vol.1」。その中から個人的なおススメです。
まずは4曲め、「ペイシェンス」(Patience)。
ガンズ・アンド・ローゼズの名曲を見事にカバー。アコースティック・ギターをバックに、クリスが抒情たっぷり歌い上げます。
この曲はアルバムに先行してシングルとしてリリース。その日は2020年7月20日…彼の56回目の誕生日でした。
彼の歌声は全米に響き渡りました。同曲は初の全米メインストリーム・ロック・ソングス・チャート1位となりました。胸に響く名曲です。
続いて5曲め、「Nothing Compares 2 U」。
ロックだけじゃありません。クリスの歌声の魅力が発揮されるのは。
この曲はプリンスの作詞作曲。ザ・ファミリーに提供された楽曲ですが、シンニード・オコナーのカバー・バージョンが有名です。
プリンスの独特の世界観をクリスがしっかり咀嚼、4オクターブの歌声に乗せて力強く艶やかに放っています。聴くほどに引き込まれます。
そして6曲め、「Watching The Wheels」。
この曲はジョン・レノンのカバー。ガンズにプリンスにジョン・レノン…。クリスの音楽はほんと幅広い。
同アルバムには、他にもニルソンやジャニス・ジョップリンのカバーなども収録されています。
どれもこれも原曲にリスペクトを示しながらも、クリスの曲になってるのはすごい…。それほど彼のボーカルはパワーがあります。
「Watching The Wheels」もジョンらしいアコースティック調のメロディに、伸びやかなクリスの歌声が重なって、楽曲に新たな魅力を加えています。
No One Sings Like You Anymore…。もう誰もお前のようには歌えないさ。
このアルバムタイトルは、サウンドガーデンの楽曲「Black Hole Sun」の一節からとられています。
まさにタイトルそのまま、唯一無二のボーカリスト「クリス・コーネル」だからこそ作り上げることのできたカバー・アルバム。
その歌声は、聴くもの全ての胸に突き刺さります。クリス・コーネルの歌声は、これからもずっと残り続けます。
今日は、クリス・コーネルの誕生日。生きていれば59歳。
その誕生日を祝して、彼の最後のスタジオ・アルバム「No One Sings Like You Anymore,Vol.1」を聴きました。
ありがとう、クリス・コーネル! ありがとう、「No One Sings Like You Anymore,Vol.1」!