粗削りなノイズに震える…。キング・タフが放つ原点回帰のガレージロック「MOO」

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館長のふゆきです。

今日の夢中は、粗削りなノイズに震える…。キング・タフが放つ原点回帰のガレージロック「MOO」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■キング・タフ「MOO」

今日とり上げるのは、アメリカのロック・ミュージシャン、キング・タフ(King Tuff)です。

キング・タフことカイル・トーマスは、アメリカ・バーモント州出身のミュージシャン。
2008年のデビューアルバム「Was Dead」で注目を集めると、2012年の2ndアルバム「King Tuff」で一躍ガレージロック・シーンの寵児となりました。
彼のサウンドの魅力は、キャッチーでポップなメロディを、あえて泥臭く、歪んだファズギターで包み込むサイケデリック・ガレージ・スタイルにあります。


King Tuff

盟友タイ・セガールのバンドに参加したり、J・マスキス(Dinosaur Jr.)とヘビーロック・バンド「WITCH」を結成したりと、インディー・シーンでの信頼は絶大。
しかし、近年のアルバムでは少し内省的でメロウなアプローチを見せており、かつての歪んだサウンドを恋しく思っていたファンも少なくありませんでした。

そんな中、彼が「自分自身の原点」を取り戻すために作り上げたのが、2026年リリースの7thアルバム「MOO」なのです。
本作「MOO」のキーワードは、ずばり「原点回帰」。なんとカイルは、約14年間も実家に眠っていたというカセットテープ・レコーダーを引っ張り出し、2008年のデビュー作とまったく同じ機材で今作を多重録音で制作しました。


MOO

アルバムを聴くと、その手作り感は一"聴"瞭然。アナログテープ特有の温かみのあるヒスノイズと、荒々しく割れたギターサウンドが、耳を突き刺します。
デジタル全盛の時代に、それとは真逆の、汗と泥にまみれたような生々しいロックサウンド。ロックンロールはスマートじゃなくていいんだ…そんなカイルの叫びが聞こえてくる、ローファイなガレージロック・アルバムに仕上がっています。

■個人的なおススメ

それでは、そんなキング・タフのアルバム「MOO」から、個人的なおススメを紹介します。

まずは1曲目、「Twisted On A Train」
アルバムの幕開けを飾るこの曲は、King Tuff史上でも指折りの特大アッパーチューン。アナログ・テープでの制作に切り替えた途端、わずか数時間で一気に書き上げたという奇跡的なナンバーです。
イントロのギターリフが鳴り響いた瞬間、目の前の景色がパッと弾けるような解放感に包まれます。列車のなかでハイになっている様子を描いた、どこかユーモラスで疾走感あふれるビートは、ドライブのBGMにも最高です。

続いて2曲目、「Stairway To Nowhere」
どことなくトム・ペティを思わせるような、哀愁漂うキャッチーなメロディが胸に刺さるミドルテンポのロックナンバー。
「どこへ向かっているのか分からないけれど、それでも俺は登り続ける」という、不器用で、だけど泥臭く進み続ける男の生き様が歌われています。
シンプルだからこそ、カイルのちょっぴり鼻にかかった味わい深いボーカルと、ざらついたギターの掛け合いが最高にエモーショナル。聴き終わる頃には勇気が湧いてくる名曲です。

そして3曲目、「Invisible Ink」
これぞガレージロック!と叫びたくなる、2分40秒を駆け抜けるショート&シャープなキラーチューン。
無駄な装飾を一切削ぎ落とし、とにかく「リフのカッコよさ」と「スピード感」で勝負している潔さがたまりません。
まさに原点回帰な一曲。ライブハウスの最前列で体を揺らしている臨場感が味わえる、勢いのあるロックナンバーです。


キング・タフの「MOO」は、デジタル・ミュージック全盛の時代に僕らが忘れかけていた「ロックンロールの初期衝動」を思い出させてくれる爆弾のような1枚です。
サブスクの綺麗なプレイリストに少し飽きてしまった人に、このザラザラした愛すべきノイズを今こそ体感してほしいと思います。

今日の夢中は、粗削りなノイズに震える…。キング・タフが放つ原点回帰のガレージロック「MOO」でした。
ありがとう、キング・タフ! ありがとう、アルバム「MOO」!

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