こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、ビートルズのアルバム「アビイ・ロード」の50周年記念盤をとり上げます。
■アビイ・ロード
ついに、このアルバムの50周年記念盤が出ました。
ビートルズの実質的なラスト・アルバム「アビイ・ロード」。
多くのビートルズ・ファンが、大好きなアルバムに挙げるであろう名盤。
多感な時期にこのアルバムを聴いた館長ふゆきは、はからずも涙したことがあります。
それほどの音楽が持つパワーが、このアルバムにはありました。
※そのときの記事はこちら。
ビートルズの50周年記念盤は、2017年に「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」、2018年に「ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)」がリリースされています。
そして今回(2019年)、アルバム「アビイ・ロード」が50周年を迎えました。
そうです。オリジナルの「アビイ・ロード」がリリースされたのは、1969年のことでした。
この年の初めに行われた「ゲット・バック・セッション」は、途中でメンバーの確執があらわになり、アルバム制作が打ち切りになっています。
巷にビートルズ解散説が流れるなか、「最後にアルバムを一つ制作しよう」とメンバーが集まってつくり上げたのが「アビイ・ロード」です。
このときの4人の精神状態を計り知ることはできませんが、「バンド」には程遠かったはず。
それでも、4人それぞれが曲を持ちよって、このときばかりは確執を忘れて「バンド」となり、最後の輝きを見せました。
アビイ・ロード(50周年記念・1LPピクチャー・ディスク・エディション)
特に傑作とされるのが、B面のメドレーです。
ポールのアイデアで、各人の持ち寄った小作品をメドレー形式でつないだB面は、ビートルズの生んだ最高傑作のひとつ。
当時、若き館長ふゆきが涙したのも、このB面でした…。終盤、「キャリー・ザット・ウェイト」から「ジ・エンド」へ。
And in the end
The love you take is equal to the love you make
君が受けとる愛は、結局のところ、君が生み出す愛と同じなんだよ…
(ふゆき訳)
ビートルズから聴く者すべてに贈られた最後のメッセージ。いま聴いても胸が熱くなります…。
そんな名盤が時を超えて復活。デジタルリマスターされて、50年ぶりに蘇りました。
特に「スーパー・デラックス・エディション」に収録の最新のドルビー・アトモスによるミックスは鳥肌もの。
B面のメドレーは、まるで4人がそこで演奏しているかのよう…。
アビイ・ロード(50周年記念スーパー・デラックス・エディション)
すごいな、リマスター。50年経って、本当の「アビイ・ロード」に出会えたみたい。
間違いなく、最高の「バンド」がそこにいます。最高のバンドの最高の演奏を、ぜひ聴いてみてください。
■個人的なおススメ
この50周年記念盤のもう一つの売りが、未発表のアウトテイクなどを収めたボーナスディスク「セッションズ」。
今日は、この「セッションズ」の中から、個人的なおススメを紹介します。
※以下の曲順は、「スーパー・デラックス・エディション」のものです。
まずはDisc2、4曲め「ジョンとヨーコのバラード(テイク7)」。
アルバムには収録されず、ビートルズの20枚目のシングルとしてリリースされた同曲のアウトテイク。
ビートルズ名義ですが、実は、ジョン・レノンとポール・マッカートニーの2人でレコーディングされています。
冒頭、ジョンがドラムを叩くポールに対して「リンゴ」と呼びかけると、ポールがギターを弾くジョンに「ジョージ」とお返しします。
そうそう、こんなユーモアセンスも彼らの魅力だったよな…。音楽を通じてつながる2人。なんか嬉しくなるアウトテイクです。
続いてDisc2、6曲め「オー!ダーリン(テイク4)」。
本編の4曲めに収録されているポールによるロック・ナンバーのアウトテイク。
もともとポールの熱唱が売りのこの曲、このテイクでもポールがシャウトしています。
ちなみに、ポールは喉への負担を考慮して1日1テイクずつ、何度も何度も録音を繰り返しました。
本編とアウトテイクを聴き比べするのも面白いですね。
そしてDisc3、9曲め「ザ・ロング・ワン(トライアル・エディット&ミックス–1969年7月30日)」。
本編の最大のクライマックスとなる「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー」から「ジ・エンド」までのメドレーのアウトテイクです。
途中、「ハー・マジェスティ」が挟み込まれている貴重なバージョン。
ここから、「ハー・マジェスティ」が切り出され、ポールのボーカルが加えられるなどして、現在の傑作メドレーが出来上がりました。これ、ファンにはたまらない音源ですね…。
それにしても、なんて聴きごたえのあるアルバムだろう…。
あらためて音楽が生み出すはかり知れないパワーに感動しました。
ありがとう、アビィ・ロード! 50周年記念盤、必聴です!