こんにちら。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、スコット&リバースの2ndアルバム「ニマイメ」です。
■スコリバ
米ロックバンド「weezer」のフロントマン、リバース・クオモと、元「ALLiSTAR」、現在は日本の「MONOEYES」というバンドのメンバーでもある、スコット・マーフィー。
この米国人ロッカー2人が、日本語で、いわゆるJ-POPを歌い演奏するプロジェクト、それがこの「スコット&リバース」、通称「スコリバ」です。
このスコリバが、前作から約4年ぶりとなる2ndアルバム、その名も「ニマイメ」をリリースしました。
そもそも、なんでこんな世界を股にかける大物2人が、島国日本で、日本語のロックを歌うのか?
特にweezerなんて、ワールドツアーを行うくらいの現役の大物なのに…。
デビューアルバムが出たときにも、不思議に思ったものです。
その答えはとてもシンプルで、2人とも日本が大好きだから。
スコットは、日本とJ-POPが好きすぎて、いま日本に住んでいるくらいだし、リバースも日本が大好き。
リバースの奥さんは日本人女性です。
そういえば、weezerのアルバム「ピンカートン」のジャケットは浮世絵でした。
ちなみにスコットは、日本好きが高じて、ソロでJ-POPのカバーアルバムを出しています。
これがなかなかイイのです。
尾崎豊の「15の夜」とか、槇原敬之の「どんなときも」、さらにはアニメの名曲「はじめてのチュウ」まで、幅広くカバーしています。
■ニマイメ
そんな日本通の2人が、ガチンコでつくったのがこのアルバム「ニマイメ」です。
もちろん全曲、彼らのオリジナル曲。ボーナストラックを入れて全12曲。
彼らが目標とするのは、このアルバムが邦楽コーナーに並べられることだそうですが、そんな控えめな野望を果たすべく、邦楽を代表する有名アーティストとコラボしています。
「Doo Wop」では、MONGOL800のキヨサクと、
「FUN in the SUN」ではRIPSLYMEのPES、
そして「変わらぬ想い」ではmiwaとコラボしています。
このコラボを含めて全曲、世界レベルなので、逆に邦楽コーナーに置くのは勿体無いくらいです。
※当「夢中図書館」では、2人に敬意を表して、邦楽にカテゴライズさせていただきました。
それほど、このアルバムの出来は素晴らしいものとなっています。
何しろ世界水準の2人ですから、音楽のスケールが違います。
ハードなギターに、甘いメロディライン。
これに、なんとも美しい日本語の歌詞が乗っかります。
たとえばこんな歌詞。ちゃんと韻を踏んだりしています。
「僕らの未来」
🎵はい出そうと もがき苦しみ
悩み苦しみ
求める生きる意味
答えのない
出口探り続けていた 🎵
「Doo Wop」
🎵口笛吹いて生きてみたらどう?
明るい道が開けるだろう
くじけそうな時も 立ち上がってきたけれど
目を閉じてみたなら ずっと楽になれるさ🎵
weezerの曲とテイストが異なるのは、やっぱり日本語の響き。
母音がしっかりしていて歯切れがいいから、一つ一つの単語が聴きやすい。
特に、スコリバのようなイキのいいリズム&ビートと相性がいいように思います。
彼らの洋風J-POPを聴いて、あらためて日本語の良さに気づきます。
2人が日本好きだったおかげで、日本人にも気づかない、コトバの響きが前面に出た、極上なJ-POPが生まれました。
■オススメは
トータルが37分なので、全部聞いてほしいのですが、特にオススメを挙げるとすれば、次の曲でしょうか。
1曲め「僕らの未来」。
「スコリバのテーマ」(8曲め)を押しのけて冒頭を飾るだけあって、スコリバの良さが全て詰まった、甘いポップ・ロック。
歌詞はすべて日本語。スコリバの新たなスタートを告げる、J-POP愛がたっぷり詰まった、彼ら自身の未来です。
2曲め「Doo Wop」。
MONGOL800キヨサクとのコラボ。
ノリのいい軽快なスコリバ・ロック。
リバースの切ないリードボーカルに、優しいスコットの歌声と骨太のキヨサクのボーカルが重なります。
ライブで盛り上がること、間違いなし!
11曲め「変わらぬ想い」。
実質的にアルバムのラストを飾る、美しいラブ・バラード。名曲です!!
日本語の切ない歌詞とマッチした叙情的なメロディ。miwaとのハーモニーもすばらしい。
コラボしたmiwaも自身のアルバムに、彼女がメインボーカルの同曲を収録しているみたい。聴き比べるのもイイかも。
ありがとう、スコリバ。日本を好きになってくれて。
これからも、サンマイメ、ヨンマイメと、素敵な「邦楽」を届けてくれることを、楽しみに待っています。