こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、天才ギタリストにして稀代のシンガー・ソングライター、ジョン・メイヤーのアルバム「ソブ・ロック」をとり上げます。
■ジョン・メイヤー
ジョン・メイヤー(John Mayer)。
現代の世界3大ギタリストに評される天才ギタリスト。稀代のシンガー・ソングライターです。
1977年、米コネチカット州生まれ。
13歳のときに、スティーヴィー・レイ・ヴォーンに感銘を受けてギターを始めます。
19歳で名門バークレー音楽院に入学しますが、数ヶ月でドロップ・アウト。
その後、アトランタで音楽活動をスタートすると、自主制作盤「インサイド・ウォンツ・アウト」(1999年)を発表。同作とライブ演奏が評判を呼んで注目を集めます。
そして2001年、アルバム「ルーム・フォー・スクエア」をリリースし、メジャー・デビューを果たします。
これがいきなり全米8位の大ヒットに。「ユア・ボディ・イズ・ワンダーランド」がグラミー賞を受賞するなど、一躍スターダムに上りました。
続く2ndアルバム「ヘヴィアー・シングス」は全米1位を獲得。シングル「ドーターズ」もグラミー賞を受賞。
その後のアルバムも全米1位か2位の大ヒットとなり、その人気は不動のものに。ジョン・メイヤーの名は世界に知られることになりました。
■ソブ・ロック
2021年は、メジャー・デビューから20周年となるアニバーサリー・イヤー。
この節目の年に、通算8作目となる新作が届きました。それが、本作「ソブ・ロック」(原題:Sob Rock)です。
これがもう、驚きのサウンドになっているのです。
アルバムのテーマはずばり「ザ・80s」!旧き良き80年代洋楽のテイストがぷんぷん香ります。
シンセサイザーの電子音に心地よいギターリフ、それらの音を積み上げるサウンド・プロダクション。
アルバムのアート・デザインからファッションまで80年代風。80s愛に満ちあふれています。
これ、80年代洋楽が大好きな館長ふゆきにとっては、悶絶ものの作品になってるんだけど、ファンはどうなんだろう。
ジョンは確信犯みたい。ファンが渋いブルース・アルバムを期待しているのは承知の上で、大好きな80sロックをとことん演り切りました。
「ソブ・ロック」(むせび泣くロック)というタイトルも、本作をよく表しています。
泣きのメロディ、泣きの歌詞、泣きのギター…。ここまで「泣き」のロックをやったら、ファンたちも諦めが付くでしょう。
むしろ、ロック・スターの新しい魅力を歓迎しているんじゃないでしょうか。
もちろん、館長ふゆきは大歓迎です。すでにドハマり、ヘビロテします。
■個人的なおススメ
そんなジョン・メイヤー「ソブ・ロック」から、個人的なおススメです。
まずは、1曲め「Last Train Home」。
初っ端から80年代洋楽そのまんまのポップ・ソングがさく裂します。
TOTOを彷彿させるシンセ音、絡みつくような泣きのギター、コーラス・ワークまで80年代風。MVも80年代のテイストを醸し出しています。
後半に登場する女性ボーカルは、ポップ・カントリー歌手のマレン・モリス。素晴らしい歌声を披露しています。
続いて、3曲め「New Light」。
これまた、80sテイスト満載のポップ・ロック。
軽やかなシンセ音と優男風のジョンのボーカルが妙にハマっている、お洒落なAORナンバー。
実は2018年に発表されていたシングル曲。このときから、ソブ・ロック路線は固まってたんですね。
そして、4曲め「Why You No Love Me」。
アコースティック・ギターを中心にしたバラード・ナンバー。
もはやバラード・シンガーの域に達するかのような甘いメロディ、甘い歌声…。
そう言えば、エリック・クラプトンも反則級のバラードを歌うもんな。天才ギタリストのバラードがハマるのはお約束なのかも…。
大胆な80sロックへのアプローチでファンを驚かせたジョン・メイヤー。
ただ、ファンもこの路線変更を受け容れたようで、チャート・アクションも順調です。
80s好きとしてはひと安心。こうした硬派なアーティストが真剣に80sロックを奏でてくれるのは嬉しい。
これを機に、80年代洋楽の魅力が再認識されるといいな。きっとジョン・メイヤーもそう思ってるでしょう。
魅惑の80年代洋楽の世界へ。未体験のあなたも、まずはジョン・メイヤーの「ソブ・ロック」から、その一歩を踏み出してみませんか。
ありがとう、ジョン・メイヤー! ありがとう、ソブ・ロック!