
こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、UKロック新星が切り開く新たなギターロックのステージ!The K’s「Pretty On The Internet」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■The K’s
イングランド北部・マージーサイド出身のロックバンド「The K’s」。
2016年に結成され、シンガーソングライターでギタリストのジェイミー・ボイル(Jamie Boyle)を中心に、王道のUKロックを鳴らす若手注目株です。
2024年4月にはデビュー・アルバム「I Wonder If the World Knows?」をリリース。
UKインディー・チャートで1位、全英アルバム・チャートでも3位を獲得し、一躍シーンの最前線へと躍り出ました。
彼らの音楽の特徴は、ストレートなギターロック。ポップ・パンクの疾走感と伝統的なロックの骨太さを掛け合わせたサウンドはキャッチーでエネルギッシュです。
ライブでは観客が大合唱を繰り広げるほどで、その熱量がバンドの魅力をさらに際立たせています。
そんな彼らが早くも放った2ndアルバムが、今日紹介する「Pretty On The Internet」です。
リリースは2025年7月、デビュー作からわずか1年3か月後というハイペース。勢いをそのまま作品に刻み込んだ、まさにノッてるバンドらしい一枚です。
今作では、ステレオフォニックスなどを手掛けたジム・ロウをプロデューサーに迎え、グラミー受賞歴を誇る彼の手腕によってサウンドがさらに洗練。
The K’s本来のキャッチーでエネルギッシュな魅力はそのままに、アレンジの幅と楽曲の多様性が増し、バンドのスケールアップを強く印象づけます。
「UKロックの継承者は自分たちだ」と言わんばかりにかき鳴らされるギターロックは、バンドの成長と未来を確信させます。
リリースと同時に全英アルバム・チャートで初登場1位を記録し、いよいよ本格的な The K’sブーム到来を予感させる作品となりました。
■個人的なおススメ
それでは、そんなThe K’sの2ndアルバム「Pretty On The Internet」から、個人的なおススメです。
まずは1曲目、「Before I Hit The Floor」。
アルバムのオープニングを飾るロック・ナンバー。力強くも深遠に鳴り響くギターリフとタイトなドラムが印象的です。
抑えきれない感情の高まりを歌詞にのせていますが、ボイルのボーカルがそれを体現します。内なる葛藤と解放が声に乗り移ったかのよう…。
後半の疾走感と衝動性は圧倒的。ライブで盛り上がること間違いなしの、スケールアップしたThe K’sの幕開けです。
続いて3曲目、「Breakdown In My Bedroom」。
アルバムからの1stシングルとして先行リリースされた楽曲。キャッチーでエネルギッシュな彼らの魅力満載のロックナンバーです。
ただ、歌っている内容は社会との隔離や内なる葛藤といったシリアルなもの。アルバムを通じてパーソナルな内容が歌われているのが本作の特徴です。
ポップなギターロックと内省的な歌詞の融合という新たな魅力も獲得した感じ。聴くほどに引き込まれるナンバーです。
そして12曲目、「Perfect Haunting」。
アルバムのラストを飾る静謐なバラード・ナンバー。ピアノとストリングスを主体とした抒情的な楽曲です。
これまでの高揚感から一転、極力無駄をそぎ落としたサウンドは、これまでのバンドに見られない魅力を引き出しています。
特にボイルの思いを解き放ったようなボーカルは感動的。リスナーに深い余韻を残して、アルバムは幕を閉じることになるのです。
いやぁ、完全にやられました…。そんじょそこらの新人バンドではない、ほとばしるエモーション。
UKロックは止まらない。新星・The K’sが大きくスケールアップして、UKギターロックの新たな未来を切り開きました。
今日の夢中は、UKロック新星が切り開く新たなギターロックのステージ!The K’s「Pretty On The Internet」です。
ありがとう、The K’s! ありがとう、アルバム「Pretty On The Internet」!